草間彌生 魂のおきどころ
松本市美術館には草間彌生の常設展示があります。
今回ほぼ1年ぶりに入れ替えがされ
「草間彌生 魂のおきどころ」と題して、初公開の作品を含め普段の倍以上の作品で、展示室も広げての特集展示が始まりました。
最初期の作品から新作まで 全68作品、草間彌生の原点から現在までをじっくり鑑賞できます。
いつもとは逆のルートになっていて常設展というものの、まったく新しい企画展のような感じがします。
初期の代表作「残夢」です。
このほか小学校5年生のときの絵や精密に描かれたビワの葉など初期の作品は現在の草間彌生作品とはまたひとつイメージの違うものでぜひ見ていただきたい作品が並んでます。
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鏡の通路を通り 蛍光色のドットにまみれる部屋で製作風景などのビデオを鑑賞して出てくると おや、てんとう虫?みたいな作品「新たなる空間への道標」(2004)がならんでいます。 通路を抜けると次の展示室へ。
新作「愛はとこしえ」(2005〜06年)、白のキャンバスにアクリルマーカーで描きあげた連作で、今回は原画50枚のうちの10枚が並べられています。原画は手元に置いておきたいということでこれまでは版画のみだったそうなので、とても貴重です。
テーブルといすの下に敷き詰められているのは たくさんのマカロニ。海外でお金のない中比較的安価なマカロニを食べていたのだが 自分はマカロニに生かされているという恐怖を感じたことから足元に敷き詰めてあるそう。
「ナルシスの庭」(1966/2000) ステンレスのミラーボールがいくつかの島のように並んでいる作品。奥には「シャングリラの鏡」(1999)いくつもの自分が映りこむ様子をいろいろな角度から鑑賞してみてはどうでしょう。
壁には「ピンク・ドッツー星の墓場で眠りたいー」(1993/94)。ピンク色の水玉が無数に描かれた16枚のキャンバス。ちゃんと組み合わせる番号もあるそうで388.0?×1042.4?という大作です。
どの展示も空間全体から草間ワールドが感じられます
他にもたくさんの作品が展示されています。紙、キャンバス、種袋など素材もいろいろ、またインク、パステル、コラージュなどさまざまな技法を用い、湧き出るイメージを思い通りに作品にしていくようなそんな勢いが感じられます。
草間彌生といえば 水玉と網目というイメージがありますが、
もちろん「A PAMPKIN かぼちゃ」や「葡萄」などの作品も展示されています。
日本国内で大規模な個展を行うことが極端に少なくなっているなかで故郷松本だから体験できる草間彌生の世界です。
会場:松本市美術館 常設展示室ABC
会期:平成20年2月2日(土)〜5月11日(日)
開館時間:午前9時〜午後5時(入館は4時30分まで)
休刊日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
(写真は取材用に許可を受けて撮影しました。)