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ぎゅっと松本3つの物語

歴史の名残をとどめる城下町

松本の象徴と言えば、国宝・松本城。1593~1594年にできた五重六階の天守は現存するものとしては日本最古と言われています。明治には天守消滅の危機もありましたが、そのつど市川量造、小林有也というリーダーが広く住民に呼びかけ、保存・修理が成し遂げられたことが、今の“いざというとき”に結集する松本人気質ベースになっているのかもしれません。

江戸時代に松本城を中心に形成された城下町は、今でも市街地の基盤になっています。市では現在、幕末維新期の史実に基づいた南・西外堀の復元を進めていますが、それはお城が松本人の心の拠り所であるばかりではなく、江戸時代の暮らしや街並みに想いを馳せながら散策できる街道・小路がそのまま残されている魅力にも起因しています。そして国の重要文化財である旧開智学校は明治、同じく重要文化材の旧制松本高等学校は大正、そして当時の様子を今に留める数々の看板建築やレトロな宿や喫茶店などもあちこちで出合うことができます。松本はタイムトラベルできる街です。

3000mまでが松本です

四方を高い山々に囲まれた松本市は、まるで自然という大きな揺りカゴの中にあるかのようです。西に雄雄しい北アルプス、東に親しみある美ヶ原高原。松本市をずっと見守り、育んできたのは、これら山々と言っても過言ではありません。

もしかしたら観光客の皆さんは、松本の空が決して広くないことに驚くかもしれません。でも松本の人びとは、夏は霞み、冬はくっきりと浮き上がる山の稜線を眺めて季節を感じています。皆さんものんびり眺めてみてください。きっとだんだん山の名前が知りたくなるのではないでしょうか。名前を覚えたら山々に愛着が湧いて、登ってみたくなるでしょう。もし山に登ったら今度は松本平を眺めてください。遠く広がる盆地も松本、あなたが今立っている高地も松本、なんだか悠久のスケールを思い不思議な感覚になりませんか。市役所の標高が595メートル、かたや穂高岳のてっぺんが3190メートル、その距離には、自然・人・食・遊びなど無限の物語が詰まっています。ぜひ皆さんのお好きな物語を探してください。

多様なカルチャーの交差点

都市部と田舎がほど良く共存する松本。都市部は駅を中心にキュッとまとまっていて、車で数分も走れば田畑が広がる風景に出合えます。そんな環境だからこそ、そば、おやき、漬物、塩丸いか、味噌、日本酒など素朴な昔からの味が息づいています。野菜や花などから季節を感じるのは難しい昨今ですが、春夏秋冬の中で旬を食し、楽しめる環境が松本には残っています。

江戸時代には伊勢町にあった生安寺周辺に、さまざまな職人が集められ暮らしていました。そのとき培われた文化が基本になり、大正時代には柳宗悦らの主導で無名の職人の誠実な手仕事に光を当てた民藝運動により三代澤本寿の型絵染や松本民藝家具、みすず細工などが注目を集めました。そうした手仕事は、クラフトという形でも現代に受け継がれ、日本を代表するクラフトフェアまつもと、街中がクラフト一色になる「工芸の五月」は誕生しました。そんな手仕事からも四季は感じられます。

最近では、そんな地に足がついた生活を求め、松本に移住してくる方も少なくありません。