一体の彫刻に物語が見える!「太田南海展」松本市美術館
現在松本市美術館で開催中「生誕130年 太田南海展」
1888(明治21)年 松本市中町で人形師の息子として生を受け
木彫家・米原雲海に入門したのは16歳で、東京で本格的に彫刻を学びます。
南海が生まれてから130年。本展では、彫刻家としての足跡をたどるべく、プロローグとして師・雲海作《竹取翁》を、南海作《竹取翁》とともにご紹介します。木彫作品を中心に、陶彫や日本画も含め、市井に眠る多彩な南海の芸術世界をご堪能ください。(松本市美術館公式サイトより)
展示を見てきましたが、展示室内は、すべて撮影禁止のため写真は撮れませんでした。
代わりに図録を購入したので、撮影しました。
正直ポスターなどからは、好みの展示ではなく
さほど期待せずに展示を見ましたが・・・・・・・
素晴らしい!!
1番の特徴は、木彫でありながらなんと滑らかなライン!優しさが彫刻から滲み出て作者の人柄を感じることです。
そして1体の彫刻に背後にある物語が見える不思議な力を持つことです。
写真上の「慈母観音像」は、大きな作品です。観音像はふくよかな美しさ優しいまなざしそして後光がさしているような神々しさに魅了されました。
↑の写真「弱法師よろぼし」
弱法師と呼ばれる盲目の若い乞食の袖に梅の花びら散りかかり、その香りを愛でる姿を表現しています。花びらの描写がなくても本当に舞っているかのように感じます。
確かに梅の花びらはありませんが、香りさえも漂うような錯覚に陥る素晴らしい作品です。
どの作品も見逃せない素晴らしいものばかりです!
ミュージアムショップ
ミュージアムショップでは、図版やオリジナルグッズ販売中です。
図録はとても面白く作品の解説や太田南海氏についても書かれた資料も興味深く読ませてもらいました。
冨久梅もなか
太田南海さんが描いた包装紙
開運堂さんの「冨久梅もなか」も販売しています。
太田南海氏の活動の中には、地元松本地方の美術振興のために尽くしました。
7月にアカデミア館で開催されていた企画展「故洞澤今朝夫さんのテーマ展「夏が来た!」
故洞澤今朝夫さんも太田南海氏の門下生でした。
多くの種を撒き、今も尚人々に強い刺激を与え続けている真の芸術家だと思います。
今後のスケジュール
みんなで楽しく、トークフリーデー
11月23日(金)・24日(土)・25(日)の3日間は、気兼ねなく、親子で、お友達同士で、隣合った人同士で、お話しながら展覧会を楽しみませんか?
◎23日は、学芸員と一緒に巡りましょう!
11月23日(金)10:30~(45分程度)。申込み不要。企画展示室前に集合(当日有効の本展観覧券をご準備ください)。