海なし県長野でも、細やかな仕入れや仕込みで美味しい寿し「藤波寿司」
海から遠く離れた松本で寿司を食べるなんて、地元民だけがすることだと思っていませんか?
横浜など首都圏から通う常連も居る寿司屋が、実は松本にもあるのです。
あまり人がぶらぶら歩いたりしない場所にありながらも、松本駅からも徒歩6分と意外と近い「藤波寿司」さん。
あまり目立たない、こじんまりとした外観ですが、白い暖簾はパリッとしていて清潔感があります。
家族で営む店ですが、職人らしい空気感
右側にカウンター席が6席。左側にお座敷個室が2部屋。
カウンターに座り、最もお手頃な「昼得コース」(1,330円)を注文しました。
昼は他に、通常のメニューからも注文できますし、ちょっと贅沢したい人向けのセットメニュー「昼の特選握りセット」(3,150円)もあります。
店にいる間に、常連らしき男性のおひとり様が2組いらっしゃいましたが、お2人とも特選握りセットを注文していました。テンポよく寿司を食べながら大将とも楽しそうにおしゃべりされている粋な姿はかっこいいです。
親子でカウンターに入り、寿司を握り、お母さんが給仕をしてくれます。家族とはいえ程よく緊張感があり、でも家族らしい打ち解けた感じもあり、心地よい空気感でした。
まずは、ホカホカのおしぼりとたっぷりのお茶
続いて小鉢でトラフグの皮の寄せが出てきました。
一緒に行った人は、梅酒のソーダを頼んでいました。
ほとんど吟醸酒を使い少しだけ焼酎を使って仕込んだ、自家製の梅酒をソーダで割って出してくれます。細いグラスに泡がたち、きれいです。
寄せは撮影が難しく、モタモタしている間に、もう一つの小鉢長芋の唐揚げ甘味噌かけも出てきてしまったので、二つ並べて撮影しました。
どちらもとっても美味しい!長芋の甘味噌は最初は意外に感じましたが見た目よりずっとあっさりした味で、お寿司が待ち遠しくなってきます。
最初にヒラメの昆布締め。腰高で小ぶりに握られた、きれいなお寿司です。
食べてみると、ふんわり柔らかに握られたシャリとヒラメが口の中でバランスよく混ざり合います。
全部で8種類のお寿司をいただきましたが、この調子で書いていくと長くなってしまうので、残りの寿司は出てきた順番にスライドショーでお楽しみください。
ヒラメ昆布締め> 烏賊> 甘海老> 味噌汁> 海老> 鮪> 穴子> 玉子> 鉄火巻・河童巻
仕入れと仕込みに細やかな気遣い
海から遠く離れた松本でおいしい海産物を出すため、どのように仕入れをしているのか聞いてみました。
築地から仕入れているほかに、北海道・青森・富山・逗子(相模湾)・愛媛・九州に漁師さんや魚屋さんとのつながりを持っていて、いいものが取れると連絡が入るそうです。
天気の様子を見て、毎朝仕入れを考えるのは腕の見せ所です。また、取引先は下処理においても信頼の置けるところなので、熟成させるなどの魚の味の引き出し方ができるそうです。
朝は仕入れを考え手配して、昼の営業、昼の営業が終わると休む間もなく夜の営業に向け仕込みをしないと間に合わないと言っていました。
お昼ご飯を食べることもできないことが多いそうです。それほど大きくない店ですが、お二人がかりでそんなに仕込みをされていると聞くと、いかに丁寧に仕込みしているか伺い知ることができます。