三代澤本寿の包装紙

2010.3.31
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2010年4月17日から6月6日まで松本市美術館で「型染絵 三代澤本寿 生誕101年展」が行なわれます。
三代澤本寿(みよさわ もとじゅ)さんの研究をしている方から本寿さんがデザインした包装紙があると聞いて取材しました。

~~~カレーの「デリー」~~~
「カレー屋さんで包装紙?」と思う方もいるかもしれませんが、本寿さんの絵葉書なども売られているので袋に入れてもらえます。写真のような袋です。これは包装紙の一部です。右はマッチ箱です。

丸々一枚はこれです。
唐草がデザインされています。


本寿さんの絵葉書は松本市内のお店で売られています。
詳しくは、三代澤本寿のホームページをご覧下さい。

デリー
  松本市中央2-4-13(中町通り) 地図
  TEL0263-35-2408
  営業時間 11:15~18:00頃 水曜日休み
当サイト内 いただきます、ごちそうさま松本「デリー」 もご覧下さい

~~~工芸品・民芸品のお店「百趣」~~~
何をデザインした包装紙かわかりますか?

この向きで見たほうがわかると思います。
ヒントはお店の名前です。

百趣(ひゃくしゅ)の「h」の字がデザインされているのです。創業当初から使用されています。

お店にはいろんなものが売られています。その中に本寿さんの作品もありました。小心者の私には心臓が飛び出そうなお値段でした。お店の中を探してみてください。大きいので絶対に見つかるはずです。

百趣
  松本市大手3-5-13(大名町) 地図
  TEL0263-32-8801
  営業時間 10:00~18:00 水曜日休み(7・8月は無休)
  ホームページ

~~~お土産屋さん「松田屋」~~~
これは何がデザインされているかわかりますか?

見やすく拡大してみましょう。

ヒントはお店の名前です。

松の新芽がデザインされています。
松田屋の「松」です。
文字も本寿さんのデザインです。
「ちくま工芸店」も経営されている方が同じです。「松田屋ちくま工芸店の両方に行かなくちゃ!」と思いましたか? 両方のお店に行ってもいいのですが、両面印刷されている袋です。一度で二度おいしい袋ですね。

手さげ袋が売られています。
紺柄の袋は80円、ピンク柄の袋は60円です。紺柄は35年くらい前から、ピンク柄は25年くらい前からあります。
このデザインが何なのか本寿さんから教えていただけなかったようです。なんでしょうねぇ。

ウインドウにも松のデザインがありました。シャッターには手さげ袋と同じ絵が描かれています。お店が閉まっているときにしか見られません。

松田屋
  松本市中央1-2-25(駅前) 地図(ポイントよりも南側です)
  TEL0263-32-1838
  営業時間 8:30~20:00 水曜日休み

~~~蕎麦屋さん「女鳥羽そば」~~~
包装紙とは言わないかもしれませんが、こちらにも本寿さんのデザインしたものがあります。
この写真の中にあります。さて、どれでしょう? わかりますか?

正解は、箸袋です。
「川の流れ」がデザインされています。
女鳥羽そばは女鳥羽川のほとりにあるので女鳥羽川の流れですね。昭和27年創業時から使用されています。
のれんも本寿さんのデザインです。

女鳥羽そば
  松本市中央3-4-8 地図
  TEL 0263-35-8502
  営業時間 11:00~19:00頃 水曜日と第3火曜日休み
  ホームページ
当サイト内 まつもと美味いそば「信州そば処 女鳥羽そば」 と 【まつもと百てん】「女鳥羽そば」 もご覧下さい。

松田屋の社長さんから素敵なお話を伺いました。
本寿さんは「目を強く持て」とよく言っていたそうです。良いものを見る目を養うということでしょうか。よく見るということだけではなくいろいろな意味を持った奥の深い言葉だそうです。
本寿さんは、仕事だけではなく生活にも気を配っていました。社長さんがもてなされた時の話ですが、蕎麦猪口にコーヒーをいれてくださったそうです。角砂糖もそれに合うように出されたとのこと。何て素敵なんでしょう。本寿さんのスタイルはどんな時代になされてもおしゃれだったに違いありません。
「本寿さんは着物を着てもホームスパンを着てもさまになる人でしたよ。白洲次郎みたいな感じかしら。」
本寿さんの人柄を垣間見ることができ、包装紙も一段と輝いて見えます。