#マツモト建築芸術祭8 旧念来寺鐘楼③
妙勝寺境内に遺された「長野県宝 旧念来寺鐘楼」
2020年10月に「建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災編」の際、新しく取り付けられた梵鐘を見に行って以来の訪問となりました。
係の方が、鐘楼の扉を開けてくれます。
建築年 宝永2(1705)年 設計者 不明
施工者 摂津国大坂四天王寺檜波衆和泉守藤原家次 中村善兵衛ほか宝永2(1705)年築の総檜(ひのき)造りの鐘楼。多くの寺院が領主の祈願寺や菩提寺であったのに対し、念来寺は庶民の寺として多くの人の信仰を集め維持されてきた。廃仏毀釈で明治5(1872)年に廃寺となり伽藍は破壊されたが、鐘楼は「時の鐘」の役割を果たすため破壊を免れた。
入母家造りの屋根は本瓦形銅板葺きで、建築当時は檜皮(ひわだ)葺きだったが5年後に銅板葺きに改められたと伝わる。1階の板張り部分は袴腰(はかまこし)付きで、2階の床と大きな屋根は多重の組物で支えられている。軒裏は二重で、垂木(角材)を用いず雲水の彫刻を施した厚板で持ち出されている。この彫刻は板の節(ふし)を渦の中心にして彫られており、堅くて彫り難い節を生かす工夫がされている。2階は格子を組んだ格天井(ごうてんじょう)で、彩色を施した円形の方位盤の中心から鐘が吊られている。鐘と欄干の擬宝珠などの錺(かざり)は戦時中に供出されて失われていたが、令和2(2020)年の修理工事の際に復元した。
昭和44(1969)年に松本市重要文化財に指定された後、平成24(2012)年に長野県宝となった。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)
暗闇の中にいきなり音声と映像が映し出されました。
山内祥太 Shota Yamauchi
平成4(1992)年、岐阜県生まれ。神奈川県在住。平成28(2016)年、東京芸術大学映像研究科メディア映像専攻修了。
テクノロジーと人間の間に横たわる様々な感情を、インスタレーションやパフォーマンスを通して描き出す。近年は「皮膚」や「匂い」など触覚的なモチーフを頼りに、現代の人間模様を暴きたいと考えている。
主な展覧会に、『Terrada Art Award 2021』(寺田倉庫、東京/2021)、『第二のテクスチュア(感触)』(Gallery TOH、東京/2021)、『水の波紋 2021展 消えゆく風景からー 新たなランドスケープ』(ワタリウム美術館、東京/2021)、『六本木クロッシング2019:つないでみる』(森美術館、東京/2019)など。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)
不思議な会話が続きます。何を感じていいのか、聞き流していいのかよくわからないけど立ち止まらずに暗闇の中を進みます。
作品ステートメント
この二つの映像作品は電話での会話音声をもとに制作した電話シリーズである。
「市澤さんにバツの話を聞く」は、私が大学院生時代に住んでいたアパートの大家さんである市澤さんとのやりとりである。
映像はアパートの階段の1段目に貼られた謎のバツマークについて、私が市澤さんに質問をする。ただそれだけである。ただそれだけであるはずなのに見返せば見返すほど、このバツマークが何か大きな意味のあるようなものに思えてしかたがない。日常にふと現れた裂け目に片足を踏み外してしまった、そんな気分にさせられる。
「廃品回収のおじさんにテレビの話をする」は、私と廃品回収業社のおじさんとの自宅の玄関に置きっぱなしにされたブラウン管テレビをめぐるやりとりである。
会話の中で、業者のおじさんはこのブラウン管テレビが以前から置きっぱなしにされていたことを知っていたことがわかる。「誰かに見られている!?」と妙に意識づけられてしまった私は、この気持ちを作品制作を通して浄化せざるを得ない心持ちとなり、このような映像作品を作ってしまったのである。映像は、油粘土で再現した自宅をクレイアニメーションとして動きをつけたものである。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)
階段を昇ります。
見事な梵鐘が待ち構えています。本当に美しいですね。
雲に覆われた北アルプスが見えます。きっと山は雪が降っていたと思います。
2月1日に10箇所周りました。また次回時間が取れたら行きたいと思います。