建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災編 第1章 松本市立博物館から松本信用金庫耐震補強の話まで
10月17日・18日2日間 秋の工芸の五月「建築家と巡るみずのタイムトラベル」が開催されました。本来ならば、毎年5月に行われていますが今年はコロナ禍で中止となり、秋に行われることになりました。
今回はコロナ渦中に合わせテーマは「防災編」、松本城下での水害・火災・地震・疫病・飢饉などの記録を辿るタイムトラベルです。
3時間のツアーの予定が4時間になり内容も深いので5回に分けて投稿します。その1回目です
博物館に集合
松本市美術館の方からのご挨拶、案内してくれる建築家の方々の紹介と今日の説明
募集の15名は、申込み開始日の午前中で2日間ともいっぱいになってしまったほどの盛況でした。
配布された案内マップに従い3時間のツアーがスタート!
事前のレクチャーでは松本平の活断層や崩落地など地形のお話し
松本城の災害
松本城の主な災害年表
過去の資料から江戸時代に起きた主な災害を年表にしてくれました。
享保12(1727)年に松本城本丸御殿が消失し、当時戸田氏は財政窮迫のために本丸御殿が再建出来ず今に至っています。
2011年6月の松本大地震(震度5)で松本城の乾小天守の壁にひびが入ったのは、全国ニュースになり大騒ぎだったことは記憶に新しいです。
松本城の構造
地震が全国ニュースになり大きな風評被害に遭いました。当時松本城管理事務所では、苦肉の策で松本城の構造を説明して如何に大きな地震でも耐えられる構造であるかをアピールしてお客様を呼んだか苦労裏話を伺いました。
土壁で地震の揺れを吸収してエネルギーを逃す構造です。
松本市立博物館
江戸時代の防災についての展示
龍吐水 江戸時代の手押しポンプ
この手押しポンプは、火事の建物に水を放水するものではなく、当時は火災の防火は消火ではなく、周りに燃え移らないように建物を壊して防火する手法でした。壊す火消しの人たちに放水するためのポンプで火の粉が飛んで来ても熱くないようにするものでした。
蒸気ポンプ 大正2年購入
大正時代からは、消防団が出来ました。
現在の松本市立博物館は、来年3月で閉館になります。2023年秋ごろに今の場所から南へ下った場所に移転されます。
松本城土橋付近
明治に入り松本城から城主がいなくなり、この付近にも新しい建物が建てられていきます。明治10年に今の日本銀行松本支店の場所に建てられたのが師範学校、国宝旧開智学校と同じ立石清重によるものですが明治21年の大火で焼失してしまいました。二の丸には明治18年に長野県中学校松本支校(のちの松本中学校)の校舎が建てられ、今の土橋の場所に橋がかけられました。
しかし、明治21年の極楽寺の大火の際に火災に遭い消失してしまいました。
松本信用金庫耐震補強
法律で耐震補強が出来ていない古い建築に対して全国各地で補強工事がされました。松本市役所やここ松本信用金庫もこのようなデザインで補強されました。
大名町 木漏れ日スタンド 街中のあちらこちらに出現している歩道空間を利用した
街場のえんがわ作戦
現在の耐震(建築基準法)
耐震設計基準は地震被害を教訓に見直されてきました。
1978年の宮城県沖地震M7.4で、大きな被害が出たことが契機になりました。
この後東へ向かいます。➁へ続く・・・
古い家屋をリノベーションしたオシャレなキャンドルのお店を発見 いいね!
*工芸の五月スタッフ・建築家の方々に監修して頂きました。
建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災遍 第2章 旧山崎歯科~信毎メディアガーデン
建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災編 第3章飯田町~中町はかり資料館裏まで
建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災編 第4章 ひとつ橋~正行寺入口
建築家と巡るみずのタイムトラベル 防災編 最終章 旧念来寺鐘楼~ベラミ人形店
過去のタイムトラベルの記事もご覧ください。