国宝松本城「薪能」~ かがり火が照らし出す幽玄な世界 ~
8月8日(木)今年も国宝松本城「薪能」~ かがり火が照らし出す幽玄な世界 ~が開催されました。
毎年同じ日に開催されますが、真夏の開催で夕立を心配しながらヤキモキする時期で主催者側の苦労を思わずにいられません。
今年は心配された雨も降らず無事祭事から始まりました。
能 宝生流
狂言 大蔵流
会場の国宝松本城 二の丸御殿跡
最初に宝生流 宝生和英師より演目についての解説を頂きました。
能 「経政」 澤田宏司
霊となった経政が生前の姿で現れ、琵琶を奏でますが・・
狂言 「呼声」 山本則重 山本則秀 山本凛太郎
自分の許しを得ず、召使いの太郎冠者がどこかに出掛けたことを知って怒った主人は、次郎冠者の家に向かいます。
声を聞いて主人と知った太郎冠者が居留守を使うので、主人と次郎冠者は何とか太郎冠者を表に誘い出そうと、平家節、小歌節などを使って呼び掛けます。
絶妙な掛け合いと踊りがコミカルで笑いを誘います。
陽が落ちて辺りが暗くなり始めたころ火入れ式が執り行われました。
無事火入れ式が終わりましたが、風の影響で火の粉が大きく舞い程なくかがり火は消されました。
能 「紅葉狩」 宝生和英 藪克徳 金森隆晋 藤井秋雅
高貴な風情をした女が、侍女を連れて、山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、宴を催していました。その酒席に、鹿狩りの途中であった平維茂(たいらのこれもち)の一行が通りかかります。維茂は、道を避けようとしますが、気づいた女たちに「是非ご一緒に」と誘われるまま、宴に加わります。高貴な風情の女はこの世の者とは思えぬ美しさ。酒を勧められ、つい気を許した維茂は酔いつぶれ、眠ってしまいます。それを見届けた女たちは、いずこにか姿を消してしまいます。
ちょうどそのころ、八幡大菩薩の眷属(けんぞく)、武内の神が先の山(実は信濃国戸隠山)への道を急いでいました。維茂を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だったのです。武内の神は、維茂の夢に現れてそのことを告げ、八幡大菩薩からの下された神剣を維茂に授けました。さて、夢から覚めた維茂の目の前には、鬼女が姿を現し、襲いかかってきます。維茂は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、みごとに神剣で鬼女を退治しました。(能の公式サイトより引用させて頂きました)
今年も雨が降らず無事最後まで観ることが出来て、とてもよかったです。