北穂高岳《残雪期》

所要時間:15時間  レベル:
山行日: 2010.06.11
50
標高:3,106m
北穂高岳《残雪期》

今回は、まだ残雪期の6月初旬に涸沢にてテントで泊り、まだ雪がいっぱいの「北穂高岳」に登って来ましたので、その様子をご紹介致します。
「北穂高岳」は、穂高連峰の北端にあり、標高3106mの岩稜です。百名山のひとつで、岐阜県側の滝谷はスッパリと垂直にキレ落ちていて、岩登りのクライミングのメッカでもあります。
「松本市からのアクセス」は、コチラ → 槍ヶ岳 槍沢コースのページのアクセス方法の説明をご覧下さい。上高地ターミナルでバスを降りてからは、河童橋で穂高岳を見て堪能し、その先の登山道を歩いて行きます。

1日目「上高地~明神~徳澤~横尾~本谷橋~涸沢 (6時間程)」

上高地からは、登山道を、明神~徳澤~横尾と歩いて行きます。横尾の分岐からは「涸沢」方面へと目指して横尾本谷を進んでいきます。(上高地~横尾間は約3時間の行程です。)


横尾本谷を歩いていくと・・・・、本谷橋を越えた辺りから、この時期は残雪が出てきます。そこからは雪の上を踏み抜かないように歩いて登り、涸沢を目指して行きます。画像では、ちょうど真ん中ぐらいに細い横線のように見える「涸沢ヒュッテ」が見えてきました~。ここまで来ると、やっと涸沢に到着!と言う気持ちになれます。 (横尾~涸沢間は約3時間の行程です。)


涸沢に到着です~!世間では初夏にあたる6月に行ったのですが、山の上の「涸沢カール」はまだ一面い~っぱいの雪に覆われていました。この時期にしては今年は残雪は多いと思います。涸沢は四方を山に囲まれているので陽が暮れるのが早く、5時頃には辺りが少し暗くなってきて、空にはピンク~オレンジに色付いた雲が浮かんでいました。


手早く雪の上にテントを設営して、お楽しみのビールと夕食を食べ、明日のアタックに向けて早い目にシュラフにもぐって寝ました・・・・。

2日目「涸沢~北穂高岳登頂!~涸沢往復~上高地 (9時間)」

2日目の朝4時に起床。テントから這い出ると、ビックリ!!なんと、穂高連峰の山々が朝日を浴びてピンク色のモルゲンロートに染まっていました。とても素晴しい景色で、約15分ぐらいの朝焼けショーに感動してしまいました!


しかし、朝焼けを見てグズグズはしていられません。これから、今回の目標である「北穂高岳」に登りに行かないと時間が無くなって帰れなくなります・・・・。この時期は、涸沢から北穂高岳までは雪渓がつながっていますので、稜線までは約45~50°もある雪の斜面の上を、アイゼンとピッケルのフル装備で歩いて登って行くのです!ちょっとでも滑ったら滑落や怪我をする危険がありますので、一歩一歩慎重に登って行きます。


登り始めて数時間・・・・。やっと稜線付近まで来ました。朝4:30に登り始めたので、まだ雪が硬く締まっていて、良くアイゼン(足のツメ)が効いてくれて登り易かったです。雪が緩んだ方が、登り易いように思いがちですが、逆に滑りやすいので気を付けて登ることになると思います。


そして、無事に「北穂高岳」に登頂です!今回もヤリました~。良く晴れてくれて、山頂からは最高の山岳風景を眺めることが出来ました。北穂高岳の山頂は、やはりまだたくさんの雪に埋もれていましたので、山頂の看板は見当りませんでした・・・・。(涸沢~北穂高岳 2~3時間程)


「北穂高岳」の山頂から北側を望むと、稜線の向こうに槍ヶ岳がしっかりと尖って見えました。素晴しい景色でした。


そして、登頂した後は、帰るのみです。「北穂高岳」から滑落に気をつけながら涸沢まで下り、涸沢のテントで朝ご飯を食べた後にテントを撤収して、素晴しい青空と真っ白な雪山のコントラストに包まれた美しすぎる「涸沢」に後ろ髪引かれながら、あとにしました・・・・。 そして昨日登って来たのと同じルートで上高地へと帰って行きました。 (涸沢~上高地の帰り 約5時間の行程)

まとめ

今回は、残雪の雪山登山&テント泊という事で、テントを含む一泊の装備がかなり重たかったのですが、山小屋泊りにすると比較的軽装で行けるかと思います。しかし、春の6月でも雪山は雪山の北穂高岳。安全装備のアイゼンとピッケルは必需品です!くれぐれも安全登山でお願いします。そして、この山行の2日前には2700m以上で雪が降りまして、僕が登っている時でも新雪がありました!。装備と寒さ対策と山用のウェアは十分にして行って下さい。 今回は良く晴れてくれて、最高の朝焼けと山頂からの山岳風景を楽しむことが出来ましたので良かったと思います。しかしこれも1~2泊と長い山行をすると、どこかで天候が崩れたりしますので、天気や強風などの悪コンディションには充分お気をつけ下さい。宜しくお願いします。
【2010年6月10〜11日 登山者・記事 ハタゴニアン(Hatagonian)】