やまたみ登山学校 第5回机上講習「歩き方について」

2007.8.5
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やまたみ登山学校 第5回机上講習「歩き方について」

頂上目指して一生懸命歩いて帰りにはクタクタ、そして翌日又は翌々日に筋肉痛に悲鳴をあげる方もいるのではないでしょうか?登山中はもちろんのこと、登山後にも疲れないようにできたらいいですよね。今回の講座も大変ためになりました。

歩き方について

登山の基本は目的の山へ一歩一歩確実に歩くこと。荷物を背負ったり、足元も様々な状況に変化する登山では歩くのにも気を遣います。どのようなことに注意すると良いのか確認しましょう。
歩き方講義段を歩いてみよう

(1)ゆっくり歩く

平地で歩くときの半分以下のスピードで歩きましょう。
〔基本動作〕 1、歩幅は小さく 2、足の裏全体で着地 3、一定のリズム 4、静かにゆっくりと体重移動 5、上体がぶれない
標準タイムに惑わされず、自分の一定のペースで歩けばバテずにすみます。足の幅は肩幅位の2本線を意識して歩き下半身を安定させます。1本線のモデル歩きとは大違いです。

(2)マイペースのキープ

心拍数を把握しながらマイペースをキープする。心拍数は180から自分の年齢を引いた数以下にするといいです。

(3)下り坂の疲労に注意

下りは一見楽なように思いますが、下りの疲労は事故になりやすいので注意しましょう。下り坂でがんばり過ぎると筋肉疲労が起きてしまうこともあります。膝の屈伸を使って静かにゆっくり一歩一歩確実に下りましょう。
下り坂では真下を見るよりは少し先を見る感じで下ります。

(4)水分の補給

歩き方だけではなく、体調の管理も重要です。特に水分はこまめに摂るようにしましょう。1リットルの汗で3グラムの塩分が流れ出てしまいます。塩分の摂取も忘れずに。塩分補給の目安:梅干2個で3グラムの塩分

(5)エネルギーの補給

空腹で力が入らなくなる前に炭水化物や糖類の含まれた食料を摂取しましょう。緊急に飴をなめるのは効率的です。休むたびに少量食べ物を摂取するのも良いです。

(6)ペース配分を考えておく

力の配分は登りに3分の1、下りに3分の1、残りの3分の1は「余力があって良かったね」という具合です。自分のペースをつかめないでいる人は、登り始めの1〜2時間はウォーミングアップのつもりで、徐々にペースを上げていくと良いです。自分のペースがつかめたら、準備段階で地図を見ながらシュミレーションをしてペース配分を考えましょう。
参考に、ガイドブックの標準タイムは、平地1km歩く時間と標高差300mを登る時間の合計を1時間にしているものが多いです。

(7)休憩のとり方

休憩は40〜50分歩いて10分の休憩が一般的ですが、状況に応じて決めましょう。長い休憩はウォーミングアップのやり直しになってしまうので気をつけましょう。
休息は荷物を降ろして、深呼吸をしたり、ゆっくりと体を動かしていると疲労が早く取れます。
休憩するときには山側によって下さい。谷側は危険です。

(8)メンバー編成

グループで登山をする場合は、先頭の人は2〜3番手に並んでいる弱い人に合わせて進みましょう。最後尾の人はペースの配分やメンバーの体調を観察しながらトップに適切な指示を出す役目です。

(9)安全対策

常に五感を働かせて危険を予知するように心がける。浮石や障害物など後続に知らせましょう。気温の変化にも注意を。突然雨が降ってくることもあります。
歩きながらの行動は危険です。歩きながら花の名前を書き留めたり、ストックの長さを変えるなどは大変危険です。
やたら転ぶときには疲れているかもしれません。十分な休息を心掛けてください。

(10)トレーニング

 
疲れない登山をするのにはトレーニングが重要です。いろんなトレーニング方法がありますが、階段の昇降はとても有効です。荷物を背負い長時間行うと大変良いです。

(補足)筋トレ

普段から筋肉を鍛えておきましょう。スクワットなど筋肉を意識して行います。筋トレ後はストレッチをして硬くなった筋肉を緩めましょう。足を上げて足首を動かすのもいいですよ。
みんなでスクワットお次はストレッチ

<意外に難しい山の歩き方>
いつも足元や景色に気を取られ、歩き方自体に注意を払っていなかったのですが、講習後これからは注意深く歩こうと思いました。
高橋先生が登山家の田部井淳子さんの言葉を紹介してくれました。
「がんばり過ぎない。競争しない。あきらめない。」

【8月3日実施】