笠ヶ岳・抜戸岳、1泊登山。

所要時間:9時間程  レベル:
山行日: 2024.09.05
4
標高:2898m
笠ヶ岳・抜戸岳、1泊登山。

今回は北アルプスの岐阜県側に位置する名峰「笠ヶ岳」標高2898mを紹介します。

「笠ヶ岳」は、丸いお椀型の突起状の山頂がなだらかな稜線にポッカリと出ている特徴的な山容で、どこから見ても一目で分かる山です。 笠を伏せたような形状をしている事から「笠ヶ岳」と名づけられたようです。標高は2898m。登山口である新穂高温泉からの標高差は約1800mもあり、登山道も急で、1日の歩く時間が長く、山頂直下の山荘までは山小屋が無いために、熟練者向けのルートかも知れません。2024年は槍見温泉登山口からのクリヤ谷のルートは閉鎖されていたので、今回も僕達は「笠新道」から上がり→「杓子平」→「笠ヶ岳」へと登るルートを登って、帰りに「抜戸岳も登頂してきました。

 

アクセス

松本市から「笠ヶ岳」への登山口である「新穂高温泉」までのアクセスは、コチラから「西穂高」のページをご覧下さい。→「西穂高岳
登山口には、この画像の「登山指導センター」の建物があります。ここで登山届を出して、トイレを済ませてから出発しました。

 

1日目。新穂高登山→笠新道登山口。(1時間程)

新穂高登山指導センターからスタートしていきます。画像の左側に見える橋を渡って右へと曲がり、道沿いに歩いて進んでいきます。

 

道沿いに少し登ると、蒲田左股林道のゲートがあります。ここでも登山届を提出出来るポストがありました。ここからがいよいよ登山スタートとなります。

 

ゲートからしばらくは、軽トラックが通れるぐらいに広い左股林道を進んで行きます。この先に山小屋への荷揚げ用のヘリポートがあるのです。そこまでは車が入るので、広い林道になっているのです。

 

そして、約1時間ちょっとぐらい歩いていくと、この看板の「笠新道登山口」に到着しました。ここから先は水を補給できるところは一切ありません。なので、ここにある水場で水筒を満タンにしてから、笠新道へとすすんでいきました。

 

笠新道登山口→杓子平。(4時間20分程)

「笠新道」に入ると、いきなりの急登になります。最初は樹林帯の中を九十九折に続く登山道を一気に登っていくのです。 この「笠新道」、日本三大急登のルートよりもしんどい!と言う噂がたくさん流れる程の急登らしいです! そして距離も長く、途中の山小屋や水場も無いので補給が出来なくて、とてもシンドい登りのルートです。

 

2時間程登って行くと、だんだん背の高い木々が少なくなってきて、景色が開けてきます。目の前に槍ヶ岳~穂高連峰の山々の絶景が見えてくるのです。 今年は残暑がとても暑くて、僕達が行った日もとても暑い日で、汗が滝のように流れていて、笠新道の急登がとてもしんどかったです。

 

そして、僕達は4時間程かかってやっと「杓子平」に到着しました。暑さにやられて、かなりバテました・・・。そしてやっと笠ヶ岳の山頂が見えてきました!とても雄大な景色です。僕達はここでちょうど12時頃だったので、杓子平でランチを食べてカロリー補給をしました

 

杓子平→笠ヶ岳山荘。(3時間30分程)

杓子平を過ぎても、まだまだ急な登り坂は続きます。この広大な杓子平を、右側に見えている「抜戸岳」の稜線まで登っていくのです。この辺りからどんどん雲が湧いてきていたので、時間との闘いになってきました。でも安全第一でオーバーペースにならないように一歩ずつ登っていきました。

 

そして、杓子平から約2時間程で、ようやく笠ヶ岳~抜戸岳の稜線に到着することができました。でも残念ながらこの頃には、結構雲が湧いてきていて真っ白になってきていたのでした・・・。ここから見える笠ヶ岳も美しい景色のハズだったのですが、真っ白で見えずでした。

 

稜線に出ると、多少のアップダウンはありますが、もうそれ程の急な登りは無くて、大体平行移動で歩いて行く事ができます。晴れて景色が見えていれば、槍ヶ岳~穂高連峰の大パノラマの絶景を見ながら進んで行けるのですが、今回は真っ白な中を坦々と歩いていくことになりました・・・。

 

途中にある「抜戸岩」です。大きな岩と岩の間を進んで行きました。

 

そして、笠新道の稜線の分岐から約1時間程で、ようやく笠ヶ岳山荘のテント場まできました。そして笠ヶ岳の山頂がやっと見えてきたのでした! 新穂高からここまで、とても長く急登だったのでシンドかったです。

 

そして、やっと笠ヶ岳山荘に到着しました。達成感と安堵感に包まれたのでした。この時は笠ヶ岳の登頂は白い雲の中だったので、僕達は笠ヶ岳の山頂を次の日に登る事にしました。そしてスグにチェックインをして、部屋の丁寧な説明を受けたあと、ビールを飲んで乾杯しちゃいました。至福のひとときでした。

 

夕食は17:00から。ハンバーグカレー、サラダ、フルーツ、お味噌汁でした。僕達は疲れていたので、ビールを飲みながらゆっくりと楽しみながら食べました。

 

笠ヶ岳山荘の消灯は8時。消灯時間までは小屋の中でゆっくりと寛いで、持ってきたウイスキーをチビチビヤりながら稜線の宿泊の特別な時間を味わっていきました。日が暮れてからも、笠ヶ岳山頂は見えていました。
 
明日はどんな日になるのでしょうか??
朝はキレイに晴れた中、笠ヶ岳山頂に登頂出来るのでしょうか??
期待と不安でドキドキワクワクしながら、8:30分にはもう布団の中に入って寝てしまいました。
 
 

2日目。笠ヶ岳山荘の朝

朝は真っ暗なままの4時頃に起床・・・。5時に朝食なので、用意をしていると、東の空が赤く燃えてきました。昨日は見えなかった槍~穂高連峰の絶景パノラマの稜線も、オレンジ色の空にシルエットになって全て見えていました。素晴らしく美しい朝焼けです!

 

そして朝焼けの後、笠ヶ岳の山頂へ登っていきました。何度も白くなったり雲が晴れて景色が見えてきたりしていたのですが、何とか景色が見えている中で、笠ヶ岳山頂に登頂する事が出来ました! もう太陽が白く上がっていましたが、景色も見えて、本当に良かったです。

 

笠ヶ岳山荘→抜戸岳山頂。(1時間程)

山頂を後にした僕達は、笠ヶ岳山荘へ帰って来て、その後デポしていたバックパックを持って、昨日登ってきた笠新道を帰っていきました。そして、笠ヶ岳山荘をスタートする時は、稜線にもの凄い「滝雲」がゴウゴウと音が聞こえそうなぐらいに流れていました。 とっても幻想的な感じで美しかったのですが、この「滝雲」の中を歩いて帰るのか?!と、ちょっと恐怖を覚えたぐらいでした・・・。

 

滝雲の中をサブマリン状態で歩いて進んで行くと、ブロッケン現象の丸い虹が見えました! 何重にも丸い虹が重なっていて、自分が手を上げると影であるブロッケン現象の虹の真ん中も手を上げます。面白くて何度も写真を撮影してしまいました。

 

その後、稜線から笠新道の分岐を越えて、僕だけ「抜戸岳」の山頂に行ってきました。分岐からはスグでした(約10分程)。 僕は行った事が無かったので、一応「抜戸岳」登頂です。次に来る時は、たぶん冬シーズンにスキーで抜戸岳山頂から東面斜面滑りたいですね。

 

稜線の笠新道分岐→新穂高。(6時間程)

その後、杓子平を下っていき、杓子平から笠新道を下っていきました。登りがとても急登だったので下りもかなりの急な下りです。この笠新道の下りが、今回の登山の核心でした。2日目で疲れている中の4時間以上の長い長い急な下りを延々と下りていくのです。もう足が痛くなっている中での気の遠くなるような地獄の下りなのです・・・。それでもこの下りを下りていかないと帰れません。なので、槍ヶ岳~穂高連峰の絶景の景色を見て気分を紛らわしながら、怪我無く絶対に無事に帰るんだ!と自分に言い聞かせて、頑張って下っていきました。

 

最後の最後は、左股林道をトコトコと歩いて新穂高まで帰ってきました。新穂高で、朝登った笠ヶ岳の稜線を振り返って見ると、また雲がモクモクと湧いてきていて白くなって、見えなくなっていました。やはり、今シーズンは昼から雲が湧いて白くなる天気のパターンなんですかね。 今秋シーズンの残りのチャンスに北アルプスの登山に行くなら、今シーズンは午前中が良いかと思います。
 
<感想>
笠新道の急登は、噂通りのキツく長い急登でした。そして、僕達は同じ笠新道を下って帰ってきたので、下りが足が痛くなる程だったのでした。途中の補給ポイントも無くトイレもありません。なので、やはり笠ヶ岳への笠新道は上級者向きだと思いました。しかし!、笠ヶ岳の稜線からの槍ヶ岳~穂高連峰の大パノラマの絶景はメチャクチャキレイで感動的でした! この景色を見るために笠ヶ岳へと登る価値はあると思います。登山好きな方は、笠ヶ岳へぜひ挑戦して見て下さい。
 
【登山日:2024年9月5日~6日、登山者・記者:ハタゴニアン】