中倉山《積雪期》
中倉山(なかくらやま)は長野県上高井郡高山村にある標高1686.5mの山。情報がほとんどない山で、1年を通して登山客も少ないようです。夏だと30分程度で登れてしまいます。
しかし、この山はあなどれません。冬山の醍醐味をたっぷりと味わえる素晴らしい山なのです。
今回の山行は、やまたみ倶楽部だけではなくやまたみ登山学校、NHKの講座の方も一緒だったので講師3人、参加者21人の総勢24人の団体でした。冬山は状況により所要時間が大幅に違うため実施した時間を記入しました。
地図上の青線は下ってきたルートです。
アクセス方法
マイカーの場合 高速道路を松本I.C.から長野方面に向かい須坂長野東I.C.で下ります。国道403号・県道66号を通過して高山温泉郷方面に向かいます。県道66号は山田牧場から先は冬期通行止めになります。封鎖されている所が登山口になります。松本からの所要時間は2時間30分くらい。冬は雪の状況により高速道路もチェーン規制がされ所々渋滞になります。高速道路から下りてからも山田牧場に向けて坂を登るごとに積雪量が増えます。冬用のタイヤ、チェーンが必要です。
駐車場~分岐
曇り空の中10時過ぎに標高約1490mの駐車場からスタート。駐車場にもトイレはありません。この先にも全くトイレはありませんのでご承知下さい。
県道66号線がスキーコースの一部になっているため静かに下って来るスキーヤーやボーダーに注意しながらゆるやかな坂を登って行きます。
分岐~山頂
10時44分、分岐に到着。標高約1600mの分岐から左手に入っていきます。ここから先はトレースがありませんでした。適当なルートを探しながらラッセルして行きます。先頭の人は時に胸の辺りまで積もっている雪をかき分けて大変です。しかし、列の後ろは完全に踏み固められたトレースを歩くため楽です。私はラク過ぎて手足が冷えてしまいました。列が進むのをじっと待っていられず常に足踏みをしていました。
ゆるやかな登り坂の尾根を歩いていたのですが、山頂手前で急坂になります。冷えに耐えられず、志願して先頭に立ちラッセルをさせてもらいました。しかし、前に進めません。雪が深くてなかなか登れないのです。少しずつ進み楽しくなってきたのですが、足腰が疲れてしまい程なく交代しました。北信地方(長野県の北部)は前日まで雪が降り続いていました。それでこのようにラッセルのやりがいがあったのです。
あともう少しで山頂。写真の林の向こうが山頂です。
中倉山山頂
12時16分山頂到着。山頂の標識は少し出ているだけでした。周りを踏み固めて標識が見えるようにして記念撮影。その後は昼食です。青空も見え始めました。
山頂~分岐
13時下山開始。登るときは必死だったので良くわからなかったのですが、同じ坂を下ってみるとあまりにも急な傾斜に驚きました。よく登ってきたものです。
林の中が明るくなり、見上げると素晴らしい光景が!なんて贅沢なんでしょう。歓声をあげたり、見入ったり、幸せいっぱいです。
分岐~駐車場
13時35分、分岐到着。ここからさらに楽しいことが。楽し過ぎて写真を撮るのも忘れてしまいました。誰も歩いていない坂を下っていきます。雪が多くてほとんど沈んでいましたが、スノーシューで坂を滑るように下るのは冬山の醍醐味の一つです。14時3分、駐車場到着。
お薦めの温泉
信州高山温泉郷・七味温泉「紅葉館」
七味温泉という名前の由来は泉質の異なる七つの源泉が湧き出ているからとのこと。
紅葉館の湯の色は、エメラルドグリーンに白を加えたような濁り湯です。とてもきれいな色に目も癒されます。湯の温度は熱め。内湯と露天風呂をつなぐ「洞窟風呂」もあります。
日帰り入浴:大人500円
長野県上高井郡高山村七味温泉 地図 (地図のポイントよりも少し西側です)
電話:026-242-2710
登山者の感想
この山行を提案してくれた講師の飯島さんも引率してくれた北村さんも、夏に中倉山に登ったことはないそうです。冬だけ登りたいそうです。だからと言って冬に多くの登山客が来るわけでもないのです。トレースがないのでルート探しも楽しい冬山です。急傾斜もありますが全体的には程よい傾斜です。良く知っている人と行くことをお薦めします。小さな雪庇もあるので注意してください。
今回は大人数でラッセルしたので体力も持ち、頂上にも行けたのではないかと思います。思いっきり冬の美しさを満喫しました。
【登山者・記者:アルプスちえみ】