松本市立考古博物館は、古墳や縄文遺跡が多い中山地区にあります。中山には、元々地元有志の方々が蒐集・発掘したものを保管していた中山考古館がありました。中山考古館に収められていた出土品と、市内各地の発掘調査の出土品を収蔵・公開するため1986年に考古博物館が開館しました。
縄文土器やアクセサリーの美しさは写真ではなかなか表現できないかもしれませんが、展示物は許可がなくても撮影できます。
長野県は縄文時代の遺跡が多く、縄文のメッカ的な存在です。
県外の方がグループで長野県内の考古博物館巡りをする際に、松本市立考古博物館も立ち寄るそうです。マイクロバスも駐車できるのでご相談ください。
土器を見に来る人が半数を占めているそうです。
<体験できる博物館>
この博物館の特徴は、古代の土器などに触ったり、勾玉や土器を自分で作ったり体験できることです。
展示物はガラスケースの中だけではなく、展示物の質感が観察しやすいようにオープン展示になっています。思わず触ってみたくなるかもしれませんが、展示物には触らないように注意してください。体験コーナーがあるので、そこで土器や須恵器などの感触を確かめてみてくださいね。縄文土器の破片は、ザラザラしていました。見た目もそうですが、厚いクッキーみたいです。
<体験コーナー いろいろ>
縄文弓矢ゲーム、さわれる土器、耳飾をつけてみよう、さわれる須恵器、カギを開けられるかな?、石に穴をあけてみよう、など。
<想像しながら見てみよう>
内田地区のエリ穴遺跡(縄文時代)からは2,500点を超える土製耳飾が見つかっています。館内には、村の模型と耳飾の他に土偶・生活用品なども展示されています。
考古博物館の一番の目玉展示物は、人面付土版(どばん)です。これもエリ穴井遺跡から出土したものです。学芸員さんに「スマホみたいな大きさで平べったい・・・」と説明された時、確かにスマホみたいな感じで、古代にもちょうどいいサイズだったのかな~と想像してしまいました。発見された当時は、二つに折れて重なっていたそうです。意図的に壊されていたのかどうか・・・発見されたままの状況も展示されているので想像してみてください。
古代のものはどのように使われていたのか、正確に知ることはできません。だからこそあれこれと想像して、当時の人の生活や価値観を思い描いて展示物を見てほしいと学芸員さんが言っていました。土器の色が黒ずんでいる部分がありました。これにも訳がありそうですね。どのように使われていたのか想像してみましょう。
弘法山古墳の出土品もたくさんありました。桜の名所としても有名な弘法山古墳は、東日本でも最古級の前方後方墳です。
<桜ヶ丘古墳(浅間地区)が発見されたのは、中学生が蟻の研究をした為!?>
展示場の説明文には、『桜ヶ丘古墳の第一発見者は中学生でした。古墳の上部は崩れており、アリの研究をしていた時に偶然、石室を掘りあてたのです。その後の発掘調査によって、大小2つの石室があったことがわかりました。』と書かれていました。
桜ヶ丘古墳は県宝に指定されています。
<記者が一番楽しかったもの>
『カギを開けられるかな?』のコーナーに是非挑戦してみてください。カギが開けられれば、お宝を見ることができます。
カギが開けられたらお宝倉庫(?)の右側に錠一式を置く場所があります。
扉を開くと、扉の裏側に錠の仕組みが書かれています。開けてからでないと知ることができないのもおかしいです。古墳時代の終わりごろに中国から伝えられたそうです。
<古代体験をしよう!>
勾玉セットが売られていますが、時間があれば館内で作ることもできます。鹿角アクセサリーづくりも有料でできます。
無料で体験できるものもあります。火起こし、弓矢とばし、古代の衣装を着て古代人に変身。
講演や縄文土器づくりなどのイベントがあります。「松本まるごと博物館」のホームページから「松本市立考古博物館」をクリックしてご覧ください。
縄文土器づくり講座の様子が 「あなたと博物館」No.214 2018.1.1 に掲載されています。
<お土産>
勾玉作りセット、勾玉ネックレス、絵葉書、書籍、展示品の解説「卓上博物館」があります。
<屋外>
縄文中期の家を再現した建物、顔出し看板、弓矢飛ばし体験コーナーがあります。