馬場家住宅ばばけじゅうたく

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国の重要文化財になっている馬場家住宅は、歴史、伝統、文化、自然に触れられる施設です。
静かな古民家でゆっくり過ごすことができます。

中門の上部にある馬場家の家紋
表門

馬場家住宅は、松本市郊外内田の鉢伏山の西麓にある本棟造り(ほんむねづくり)の住宅です。馬場家の伝承によれば、先祖は武田信玄の家臣・馬場美濃守信春の縁者とされ、天正10年(1582年)頃、武田氏の滅亡を機に、内田のこの地を開発し、この住宅の原初を築造したとされています。

江戸時代末期、嘉永4年(1851年)に建築された主屋は、棟の正面に「雀おどし」と呼ばれる棟飾りを付けた、長野県西南部に多く見られる典型的なスタイルです。安永6年(1859年)に建築された豪壮な構えの表門と中門は、藩主を客として想定し、馬場家の特別な家格によって藩より建設を許可されたものと推定されます。文庫蔵、※隠居室、※奥蔵、※茶室等、いずれも家格の高さを示す建造物がそっくり残っています。 (※現在非公開です。)

馬場家住宅は、このようにほぼ同時期に建築された主要建物がそろって残り、屋敷構えが往時の姿を良くとどめている点で価値が認められ、平成8年(1996年)12月10日国の重要文化財に指定されました。

建築物だけではなく、敷地、景観も含まれているため西側の道路を挟んだ向かいの畑まで重要文化財の指定範囲になっています。

馬場家住宅は、平成4年(1992年)3月に、屋敷地の西半分とそこに所在する建物群が馬場家から松本市に寄付されました。復元修理工事を行い、平成9年(1997年)に博物館として開館しました。

江戸時代には、高島藩主の諏訪氏と親密な関係にあり、特別な地位にあったようです。
中門は藩主のためだけに造られているため、藩主が通らない通常は閉じたままでした。
現在は年に2度だけ中門が開かれます。5月1日の市制記念日と9月21日の松本市博物館の日です。

藩主は中門を通り、坪庭から主屋に入るようになっていました。
主屋のイリカワと呼ばれる部屋(縁側)は、天井がアーチ状の船形天井になっています。杉戸も昔のままで、絵が描かれています。
暖かな日には、坪庭との境の障子が開けられます。気持ち良くて一日を過ごす方もいるそうです。

藩主のための中門
冬の坪庭
イリカワ
杉板戸の絵

主屋は、棟の正面に「雀おどし」と呼ぶ棟飾りをつけた本棟造です。規模は間口九間(18.8m)、奥行七間(16.4m)で、ゲンカン、ザシキ、イリカワなどの整った接客部を備えるなど家格にふさわしい意匠を持っています。
本棟造は、松本平を中心として北は大町の近くまで、南は飯田付近までに分布している切妻造りの建物で、他には見られない独特のものです。
雀おどしは、地域で呼び名が変わり、松本地方で「雀踊り」と呼ぶこともあります。(昭和47年(1972年)に発行された書籍「民家 信濃の美 2」で、池田三四郎は「雀踊り」について書いています。)

2階もあります。
馬場家住宅のことが大好きだった方の大きな絵が飾られています。

< 文庫蔵 >
文書や家財を格納するための蔵でした。
現在は、馬場家の資料などが展示してあるので中に入って見ることができます。
笠や裃など展示品からも特別な地位にあったことがよくわかります。

記者が気になったのは、2階に展示されていた馬場称徳(しょうとく)氏に関する資料でした。称徳氏は、明治15年(1882年)に馬場家住宅に生まれた第15代当主です。
大正3年(1914年)に革命が起こっていたメキシコに派遣され、日本人捕虜を救出したり、900人以上の日本人移民を救ったりしました。
平成7年(1995年)に、丹羽晶一氏によって馬場称徳氏をモデルにした小説「天皇の密使」が刊行されています。

表門は左右に長屋を持っています。
現在、敷地の内側から門を見て、右側に内田の遺跡資料展示室(エリ穴遺跡の人面付土版の複製や出土品も展示されています)、左側に機織り機や養蚕の道具があります。

長屋と長門

< 表門からの北アルプスの眺望がすばらしい >
春は畑に菜の花が咲き、条件が良ければ菜の花畑の向こうに北アルプスの連なりが眺められます。

< 祝殿(いわいでん) >
馬場家の屋敷神の古屋敷稲荷大明神が祀られています。
祝殿の後には松本市特別天然記念物に指定されている推定樹齢800年以上の大ケヤキがあります。

< イベントいろいろ >
松本市の歳時に合わせて催しが行われます。ひな祭り、端午の節句、七夕やお茶会、布草履づくりの講座など。
イベントの情報はホームページ「松本まるごと博物館 馬場家住宅」で確認できます。

馬場家住宅は、「松本市オープンガーデンの家」に参加しています。
春には表門の外に、シバザクラの花が咲き見事です。
表門の内側は観覧料が必要になります。坪庭の落ち着いた佇まいも見所です。

松本市内田357-6
TEL 0263-85-5070
開館時間:9:00~17:00 入館は16:30まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) 12月29日~1月3日
観覧料:大人300円 中学生以下無料
松本まるごと博物館 馬場家住宅

住所
松本市内田357-6
TEL
0263-85-5070
URL
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/sisetu/marugotohaku/babake/index.html
営業時間
9:00
17:00
入館は16:30まで
定休日
年末年始

料金

観覧料

大人
¥300

アクセス

バス

寿台線 バス停「寿台東口」から徒歩15分

松原台線 バス停「寿台東口」から徒歩15分

内田線 バス停「馬場家住宅東」から徒歩すぐ
2019.5.5 ※経年変化により、記事の内容と現在の状況は異なる場合があります