「まつもと水巡りマップ2018」①お堀の水をたどる~後半
2018年新まつもと物語では、源智の井戸しかあまり知られていなかった松本市街地の湧水を点を線で結び、3つのコースを盛り込んだを2008年に制作しました。
2018年3月全面改訂版として新たな「まつもと水巡りマップ」を作りました。
その結果多くの市民が松本の湧水の魅力を再認識し、多くの観光客の方にも認知されるようになりました。
まつもと水巡り2017 ~②お堀の水をたどる~後半
明治時代に総掘りを埋めた「北の馬出(うまだし)跡地」に湧き出し「北門大井戸」が作られました。
新町から片端に残る総掘りを前半ブログで紹介しました。
その続きです。
そのまま南下を続けます。
あちらこちらで水音がしてきます。
かつて下級武士は、あまり豊かではなく副業として別の仕事をしていたそうです。
例えば、豊かな水を利用した紙を漉く仕事(紙漉き川はそこから命名されました)
また、総掘りで鯉を養殖して売って生計を立てていた武士もいたそうです。
こんな街中に鯉の養殖場があります。「西村淡水魚店」さんもその末裔なのでしょうか?
足元をよく見ていくとあちらこちらで湧水が出ています。
狭い道を車に注意しながら歩いていいくと、道幅が広がりかつての東の馬出跡に着きました。
③東門の井戸
この場所は、東の馬出しがあった場所にあたります。東に行くと「下馬出し」という町名も残っています。
詳しくは、以下「国宝松本城HP」より
松本城に4つある中では一番広い馬出し
三の丸から外へ出る場所で、東門と馬出しがありました。門の東には堀を渡る土橋が伸び、その先が馬出です。
門は櫓門で3間(約5.4メートル)×6間4尺(約12.1メートル)の大きさ、門の西には広場があり、番所や井戸もありました。土橋の長さは18間(約32メートル)ありました。
その先にあった馬出は、松本城に4つあった中では一番広いものでした。正面には土が盛られ外から中が見通せないようになっていました。
出入り口は南と北にあり、北は堀を板橋で渡り、南は土橋で渡るようになっていました。北の橋を渡って右に折れると東町の通りに通じます。この通りを「下馬出し(しもうまだし)」といいました。
平成の「水めぐりの井戸整備事業」で井戸を掘り、「東門の井戸」が出来ました。
最初に湧水マップを作る時には、まだ井戸はありませんでした。
ホテル花月の正面の中央脇に下る階段があるので、そこを降ります。
ここでようやく片端の総掘りの水を流す水路に出会えます。暗渠の水路を旅してきた水たちが陽の光を浴びる瞬間です!
④外濠小路
外濠小路
しかしすぐにまた水路は塞がれますが、「外濠小路」と名づけられた水路の上の細い道を歩いていきます。
この小路は、真ん中より南に進むと左右の高さが違います。「上土町」の由来になった堀の土を上のあげた場所です。
なぞがひとつあります。
ここは、かつて総掘りであったのになぜ総掘り小路ではなく、外濠小路と名付けられたのか??
答えはわかりません。
外濠小路を抜けると昭和から人気の洋菓子店が目の前に現れます。
⑤ナワテ横町
お店の横の小路を入ります。ここからは、「ナワテ横町」です。
狭い路をゆくと、すぐにクランクになり約90度路が曲がります。
そこを抜けるとまた90度左に曲がり道幅が広くなり、水路が出てきました。