四賀の里にて寺を巡る
旧四賀地区のお寺を訪ねました。
<散策マップ>
1.無量寺
会田の町を見下ろす高台に無量寺はあります。 古くは真言宗の寺で、弘法大師の伝説があるそうです。 武田信玄の兵火にあい、全焼しますが、天正年間に仁科盛信により中興され曹洞宗となりました。
本堂は文化9月(1812)の再建と言います。 桃山風の特徴がいくつか見られる建物です。
無量寺大門には芭蕉の句碑があります。 「身にしみて大根からし秋の風」 芭蕉は貞享5年(1688)8月、姨捨の月を観る為にこの道を通り、「更科紀行」を作りました。
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松の木の為に切られた塀。 この松はいつからここにあるのでしょうか。会田の宿場町の移り変わりを見てきたのかもしれません。
2.廣田寺
廣田寺は会田氏の菩提寺だった寺です。 山辺の広沢寺4世雪江和尚の中興開山、 天正11年(1583)、小笠原氏に改められ会田氏が滅びた時に兵火に遭いました。 本堂は享和3年(1802)の再建。
会田氏は真田と同族でしたので、屋根や門には六文銭の印が付いています。
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山門は天明3年(1783)の建築です。
山門内にある十八羅漢。 江戸時代中期(1783)のものです。 美しいです。
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山門前には江戸末期から明治初年に近隣から奉納された 百番観音が並んでいます。 案内板には「幼児を供養した百体観音を主に、106体の観音像」と書いてありました。
境内でみつけた優しいお顔の石仏。
3.保福寺
保福寺峠は、明治24年にウエストン卿が日本アルプスを世界に紹介するきっかけになった場所です。 保福寺宿は1502年、小笠原氏が小県方面に備えて武士を置いた頃から発達した比較的古い町です。 かつては江戸道と呼ばれた街道筋にあり番所が置かれていました。
保福寺の入り口には石仏群があります。 仁王門の外側にはわらじが吊るされています。
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寺に向かう参道は急な石の階段です。 心して登りました。
保福寺は古くは真言宗でした。文永五年(1268)中興され更に文亀二年(1502)に広沢寺四世により中興され曹洞宗の寺となりました。ご本尊の木造十一面千手観音立像は年一回御開帳の秘仏で文久年間の作とのことです。
境内にあった達磨大師の石仏。 珍しいです。