手塚治虫 ブラック・ジャック展
手塚治虫の医療マンガ『ブラック・ジャック』は50年前の1973年に登場しました。手塚治虫が切り拓いた“MANGA”、“ANIME”の世界はいま、世界中の人々にリスペクトされる大きな文化となっています。
『ブラック・ジャック』は、現在第一線で活躍する医療従事者の多くに影響を与えたといわれている作品で、そこに込められたテーマやメッセージは、いまの人の心にも深い感銘を与えています。
顔に傷のある黒ずくめの天才外科医ブラック・ジャックと彼が創造した“18歳で0歳”の女の子ピノコ。強力なキャラクターたちが繰り広げる物語は世界を舞台に、人間や生きものの命とそれを救う医療、人としての生きざまや、そもそも「医者は何のためにあるのだ」という根本的な問いにまで至る、数多くのテーマから紡ぎ出されます。本展では、マンガ『ブラック・ジャック』をとおして、誕生秘話から、作品そのものが持つ手塚治虫の深いヒューマニズム、コロナを経験した私たちがいま見ても斬新に感じる医療のリアルな描写など、この作品の魅力を存分に解き明かします。
本展は、『ブラック・ジャック』を深くまで知る人、初めて知る世代など、すべての人々に向けて、『ブラック・ジャック』の魅力を余すところなくお楽しみ頂ける特別展です。
※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記です。
『ブラック・ジャック』作品紹介
無免許医でありながら天才的な外科技術を持ち、不可能と言われる手術もこなしてしまうブラック・ジャックは、命を救った患者に莫大な報酬を要求します。彼は、常に医者とは何か、生命の尊さとは何か、金より大事なものは何かを問い続け、患者の死に対する恐怖や周囲の人間のエゴイズムをもあらわにし、社会そのものに立ち向かいます。
マンガ『ブラック・ジャック』は、1973年11月から1983年10月まで、少年マンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に掲載されました(読切含む)。
『ブラック・ジャック』は初め、“マンガ家生活30周年記念・手塚治虫ワンマン劇場”と銘打ち、手塚マンガのキャラクターが総出演する、4回ぐらいの短期連載で終わる可能性があるものでした。しかし作品が抜群に面白く読者の反応も良かったため、5年間、229話にわたって毎週読み切り形式で連載は続き、1978年の連載終了後も人気作品として14話が描かれ、手塚治虫の作品の中でも最も人気のある代表作の一つとなりました。
手塚治虫(てづか・おさむ)
本名・手塚治。1928年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学医学専門部
卒業。医学博士。1946年に17歳で四コママンガ『マアチャンの日記
帳』でデビュー。翌年、単行本『新寳島』が大ヒットとなり、以来、日本
のストーリーマンガの確立に尽くす。また、1961年、アニメスタジオ
「虫プロダクション」を設立。1963年、国産初の本格的なテレビアニ
メシリーズ『鉄腕アトム』の放送を成功させ、アニメ界にも大きな業
績を残す。代表作に『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』
『火の鳥』『ブラック・ジャック』『三つ目がとおる』等がある。1989年
死去。
公式サイト:https://tezukaosamu.net