現代アートを観る!鈴木のぞみ「Re-collection」awai art centerと赤レンガ倉庫
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企画展 鈴木のぞみ「Re-collection」信州大学人文学部芸術コミュニケーション分野
awai art center(長野県松本市深志3-2-1)
松本市天神通りにあるギャラリー&カフェ
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信州大学人文学部芸術コミュニケーション分野金井ゼミの卒業生が経営するギャラリーです。
カフェも併設しています。奥に展示室、2階にも展示室があります。
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鈴木のぞみは、日常の事物に潜む像−記憶の可視化を、写真の原理を用いて試みている作家です。
彼女の作品は人々の生活や事物の記憶を映し出し、見る者に忘れていた過去を想起させます。
1983年埼玉県生まれ。2007年に東京造形大学の絵画専攻を卒業後、独学で写真表現を学ぶ。2015年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了。現在、同大学院博士後期課程に在籍。2017年より東京造形大学絵画専攻非常勤講師。
近年の個展に2017年「Mirrors and Windows」(表参道画廊)、「Monologue of the Light」(rin art association)、主なグループ展に2018年「MOTサテライト2018秋 うごきだす物語」(清澄白河、東京)、2017年「無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14」(東京都写真美術館)、2016年「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」(埼玉県立近代美術館)などがある。「現代美術の展望VOCA展2016」にてVOCA奨励賞を受賞。平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスにて研修予定。
1階展示室
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日常の中にある様々な穴を探し、その穴によって束ねられている潜像のような光の像を印画紙に定着することで、私たちが普段は気がつかない、光が独白しているかのように日常に潜んでいる像を顕在化します。 (公式サイトより)
2階展示室
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≪光を束ねる:コーヒードリッパーとカップ≫
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≪Holes in matsumoto≫スライドショー
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金井ゼミ 期間演習Ⅱ 学生たちが「穴」を探して街中で撮影した写真をスライドショーで映写しています。
信州大学松本キャンパス内旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫(通称 赤レンガ倉庫)
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展示スペースB
信州大学松本校舎内に明治時代に作られた旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫(通称 赤レンガ倉庫)が1か所だけ遺されています。
金井ゼミでは、毎年(昨年は先生が海外留学中でなかった)赤レンガでの企画展をおこなっています。
味わいのある赤レンガは、普段は使用されていません。古い建物が持つ独特の質感雰囲気は、アート作品を際立たせる力を持つときがあります。
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≪山崎邸ファンデーション≫ 使われていた鏡 写真乳剤
≪黒岩邸 頬紅≫ 使われていた鏡 写真乳剤
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鏡に写されているのは、使用していた本人の顔
≪鈴木邸風呂の丸鏡≫2017 使われていた鏡 写真乳剤
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鏡に映った女性は、鏡から見た女性の姿です。モノが見ている視点を映し出さた作品です。
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展示スペースA
≪Other Days,Other Eyes:長谷川邸洋間の窓≫ 2018使われていた窓 写真乳剤
この窓から見える景色を窓に写しこんでいる作品です。
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≪カメラ・オブスクラ≫2018 遮光シート、遮光テープ
真っ暗な部屋の窓に小さな穴をあけて、そこから外の風景を室内に映し出されています。
真っ暗で何も見えない・・しばらくいると少しずつ目が慣れてきて小さな穴の光からメッセージが届く
部屋の中に木々のそよめきが見え始めました。
ずっと昔に闇の中にいて何も見えないけど、しばらくいると周りの景色が少しずつ浮かんできた体験を思い出しました。
じっと待つことをすっかり忘れていた時の過ごし方、中々楽しいことに気づきました。
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12月11日、12日2か所を2日間展示を観に行きました。
偶然にも2日間同じ学生さんの当番の時間にあたり、2年生の彼女から今回の企画展の話を伺うことが出来ました。
Q:どのようなプロセスでこの企画展が生まれたのですか?
A:学生みんなでいくつかの作家さんを探して、その中から赤レンガの記憶(古いものの記憶を積み重ねて来たものをドッキングしたもの)と、重なる作家さんを学生たちが選んで「鈴木のぞみさん」に決めました。
新しい視点でものを見るのが課題です。
信州大学赤レンガ~天神通りのギャラリー2つの空間で繋がる世界 面白かった!
企画展 鈴木のぞみ「Re-collection」信州大学人文学部芸術コミュニケーション分野
12月16日まで開催しています。
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