中心市街地のT字路

松本の中心市街地は城下町の名残がある道路が多く、城郭を取り囲む道、女鳥羽川の川筋に倣った道、などが主要な街道筋と複合的に絡み合い、鍵の手や斜交いなどをつくりだしています。碁盤の目のような整然とした範囲は少なく、初めて訪れる者はその複雑さに戸惑うこともあります。
幸い近年ではスマホなどにより比較的容易に現在地を確認したり、目的の場所に到達できたりすることも可能で、皮肉にも「道に迷うこと」や「意外な発見」が減少し、旅の醍醐味の一部が失われつつあるのも事実です。
中世以来の道筋に近代化以降の道路整備が重なり、ときに魅力的な一面を見せてくれます。それが「T字路」です。歴史的背景や成立過程にまでは踏み込みませんが、ヨーロッパでいうところの「特定の場所・建物に到達する道アヴェニュー(Avenue)」をも彷彿させ、異国的な雰囲気さえ感じます。

聖テレジア幼稚園・カトリック松本教会に至る、松本城太鼓門やお堀と松本市役所に挟まれた並木道。

カトリック松本教会から松本城太鼓門を望む

信毎メディアガーデンから伊勢町を望む

上土会館角の郵便ポスト

あがたの森 旧制松本高校校舎

大名町からの松本城公園入り口
十字路(機能的な理由)のような無粋さもなく、Y字路(地形的な理由)ほどマニアックでもない、ほどよい都会感覚がゆとりを感じさせるのかも知れません。