信毎メディアガーデン誕生秘話!?「伊東豊雄氏・柿木原政広氏・山田游氏」 

2018.4.28
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信毎メディアガーデン誕生秘話!?「伊東豊雄氏・柿木原政広氏・山田游氏」 

信毎メディアガーデンの4月28日グランドオープンに先駆けて、メディアガーデン5階会場で基本コンセプトなどについての説明が行われました。

登壇したのは、設計を担当した伊東豊雄氏(伊東豊雄建築設計事務所代表)、ロゴ・サインなどのアートデザインを手がけた柿木原政広氏(デザイン会社10(テン)代表)、商業プロデュースを担当した山田游氏(株式会社メソッド代表)の3名。

 

 

 

信濃毎日新聞松本本社の石田代表から挨拶では、施設名「信毎メディアガーデン」の由来について説明がありました。

 

「メディア」は、あそこに行けば新しい何かを発信していること。

「ガーデン」は、居心地の良い空間、人がいる、つながること。

 

信毎メディアガーデンには、常に新しい情報を発信し続ける信濃毎日新聞社が市民とつながり自主的な活動を応援したいという願いがこめられています。

 

 

 

伊東氏「文化度の高い街に佇む櫓(やぐら)のようなイメージ」

伊東氏:メディアガーデンは、500メートル位の中に松本駅や松本城、まつもと市民芸術館などにアクセスできる素晴らしい立地にあります。新聞社としての機能だけではなく、全体の6割ほどがコミニティゾーン、ショップなど一般の人が楽しめるスペースでできています。1階の広場は、子どもたちのプレイスペースとしても利用でき、まつもと市民芸術館の芸術監督・串田和美さんの芝居なども予定されています。街中情報局では、観光客への案内なども行う予定。

 

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櫓のようなイメージ

伊東氏:松本は城下町で文化度の高い街。長年培ってきた歴史・伝統的なものをどのように蘇らせることができるかが、とても重要なポイントでした。当初から「櫓のようなイメージ」という言葉が自分のメモに残されていました。1階が1番広く、上の階に行くほど狭くなるのは、まさに「櫓」のイメージです。

 

 

環境に配慮した設計

伊東氏:3階のテラス(一部)は、だれでも活用できる気持ちの良い場所になっています。また西側に向いていることでファサードにルーバー(羽板)状の外壁を使用して日差しを和らげる工夫をしています。東西に抜ける風の道も確保し、北側に流れる蛇川の水を空調に利用しています。自然エネルギーや風を効率よく使い、環境に配慮した設計をしています。

 

信毎まちなかプロジェクト

伊東氏:設計しながら同時に「studio-L (スタジオエル)(山崎亮代表)」の協力で、松本市民100人ほどが参加するワークショップ「信毎まちなかプロジェクト」で「この場所が出来たらどんな活動をしたいか?」など様々な意見を設計に反映させたことは、とても画期的な設計方法でした。

再開発などで歴史伝統が消えてしまわないよう、この場所でしか造れない建築をつくる土壌が松本には残されていました。そんな松本市で設計に携われたことは幸せなことだと思いました。

 

柿木原氏「デザインのキーワードは組み版と、ぬけぬけとした青」

柿木原氏:今回はコンセプトや新聞社のことを学びながらデザインを考えていく中で「組み版」を知りました。どのように情報を伝えるか、様々な情報をどう配置し、どのようなサイズで出すかが「組み版」の重要な役割だそうです。そんな意思表示のコンセプトを塊でデザインしました。

 

 

柿木原氏:街との関わり、空間、隙間を見つけて編集する意味を込めて、組み版をベースにしたロゴマークを作りました。そもそもの発想は、メディアガーデンの窓からきています。さまざまな形をしていますよね。

 

ぬけぬけとした青

柿木原氏:また白地ポスターに青のインスピレーションは、信毎の担当の方とのやり取りの中にありました。とても真面目でストレートな答えが返ってくるキャッチボールがとても気持ちよく、「ぬけぬけとした青空の青」を作りました。街の人に親しまれて、広がると良いなと思います。

 

山田氏「地元の人だけでなく外から来た人にも利用してもらうため、松本を徹底的にリサーチした」

11店舗が入る1階から3階のメディアガーデンショップをプロデュースされた山田氏。

 

 

多くの人に魅力的な店舗

山田氏:松本についてリサーチをして、どういった商業施設にすればいいかのかを考えました。地方都市にあるべき商業施設とは何かを徹底的に考えました。地元の人に積極的に使ってもらうだけではなく東京や他都市から来る人、海外から来た人に対してもフレンドリーに買い物してくれるお店。山に囲まれた土地ですが、松本に初出店のアウトドアショップもあります。隙間を見つけて適切な店舗を選ぶのに、パルコさんの協力はありがたかったです。

 

まちなか情報局

石田氏:1階には「まちなか情報局」が設置されているので、今後市民活動の窓口になります。どんどん提案をして、独自の活動に利用して欲しいです。

 

 

 

草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」館外特別展示

4月28日(土)~5月6日(日)1階ホール 入場無料

 

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松本城に次ぐ「街に人に開かれた高層建築」~インスパイアーされる空間~

縁あって3年前「信毎まちなかプロジェクト」に関わることになり、松本市民で活躍されている方々へのインタビュー、ワークショップのファシリテーターなどを通してこの場をどんな風に活用していきたいかなど市民の声を聴き取っていきました。

どんな場所が出来るのかドキドキしながらこの日を待ち詫びていて、今回完成して本当に素晴らしい空間になり、陰ながら応援して来た仲間と喜びました。

どこにもない「空間」が私たちのまちなかにあることは、とても貴重なことです。少しストレスを感じた仕事帰りに、フラッと歩いてメディアガーデンに行くと、5メートルの高い1階からエスカレーターに乗り込むと異空間に入り込みます。洒落たショップの間を歩き、テラスから西山を眺める・・ちょっといい感じです。
(まちなかのどこを探しても誰でもが訪れることが出来るこんな高層建築はありません。)

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柿木原さんのゆる~い感じのデザイン・サインには、インスパイアーされる不思議な力があります。今回最大のヒット!!

建設中の見学会の記事「こちら

松本に来たら、ぜひ「信毎メディアガーデン」に足をお運びください。

 

5月8日には、この先に井戸も出来るそうです!