堀米(松本市島立)の裸祭り
「裸祭り」は堀米(ほりごめ)(松本市島立地区)の氏神である津島神社(つしまじんじゃ)のお祭りです。
小学生の男子がもっこふんどし姿で幟旗(のぼりばた)を担ぎながら地区内を練り歩きます。昭和63年に長野県無形民俗文化財に指定されました。津島神社は、江戸時代中期に尾張一宮の津島神社から勧請(かんじょう)された神社で、古代インドの守護神「牛頭天王(ごずてんのう)」(疫病除けの神)をまつっています。ふんどし姿になるのは、悪霊を威嚇(いかく)するためだそうです。
☆宵祭り(6月30日)18時より
5.6年生が代表で津島神社に参拝します。「二礼・二拍手・一礼」やお社の周りを回る参拝の仕方や掛け声の練習をします。
世話役が太鼓のリズムを教えていました。6年生が来年のリーダーとなる5年生にお手本を見せていました。伝統が受け継がれていく場面です。低学年が持つ五色の紙幟は、5・6年生が「奉献津島牛頭天王」と書いてあげるそうです。その他、名前や干支も書いてありました。
☆本祭り(7月1日)16時より
疫病退散・五穀豊穣・厄除けを祈った後、お社を三周し地区内を幟旗を持って巡ります。大幟を持つ親玉(5,6年生)が「オンヤーサー」と掛け声を掛け、中幟を持つ中玉(3,4年生)、五色の紙幟を持つ小玉(1,2年生)が「モンヤーサー」と続きます。
地区内を二手に分かれて練り歩いてきた幟旗は、もう一度立てられます。
地区内を回ってきたことを「牛頭天王」に報告した子供たちはお社の傍らにある池(せぎ)に飛び込み禊(みそぎ)をします。
子供たちにお祭りについて聞いてみました。返ってきた答えは
「寒いよ。足が疲れる。幟旗が重い。」
「泥んこになるのが楽しい。」
とても子供らしい感想でした。しかし、一生懸命子供たちを指導している世話役さん(昔、少年だった)も子供の頃は恥ずかしかったそうです。この子達もきっと次代へ受け継いでくれることでしょう。
写真撮影をしている人がたくさんいらっしゃいました。その中に静岡・埼玉・群馬と出身地がバラバラという3人にお話を伺いました。10年位撮影に来ているうちに顔見知りになったそうです。「時代の流れとともに、夜店が並ぶだけのお祭りが多くなっていく中で、昔ながらのスタイルを守りながら伝統を受け継いでいるところが素晴らしい」とおっしゃっていました。
《取材を終えて》
近くに住んでいるのに初めて見(?)ました。県内外からの人が多いことにびっくり。松本市民にも是非見てもらいたいと思いました。このまま残してもらいたいお祭りです。子供たちがとても可愛らしかったです。
(市民記者 野尻・横山・塩原)
<ジョーの小耳>
・尾張一宮の本社・津島神社では、20代の若者のお祭りだそうだ。
・本祭りの日程が7月1日固定ではなくなるかも。検討中。
・今年の参加人員は、88名。(女子・36名)