#マツモト建築芸術祭1 旧司祭館⑱2階・⑲1階

2022.2.1
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#マツモト建築芸術祭1 旧司祭館⑱2階・⑲1階

1月29日(土)から始まった「マツモト建築芸術祭」街中を歩いて周れる距離にある魅力的な建物の内外に芸術家の作品を展示している
初めての企画です。

長野県宝 旧司祭館

いつ見ても壁の青が、空の青さに負けない美しい旧司祭館
2名の作家の展示がおこなわれていました。

旧司祭館

築年 明治22(1889)年 移築年 平成3(1991)年 設計者 クレマン神父 施工者 不明

明治22(1889)年に、フランス人クレマン神父の設計により、松本城北側の教会敷地内に宣教師や伝道師の住居として建てられた。正式名称は『旧松本カトリック教会司祭館』。平成3(1991)年、道路拡幅工事に伴って現在地に移築した。

瓦葺き寄棟屋根から赤煉瓦の煙突が出ている。外壁は下見板張りのアーリーアメリカン様式で、板の下部には彫り込みラインが1本入っている。縦長の窓は内開きで、外側には鎧戸(よろいど)が付いている。建物北側のベランダは3面をガラス戸で覆っているが、ベランダと室内の境の建具が二重になっていることから、元は建具の無いバルコニーだった可能性がある。松本の冬の寒さ対策で入れたものと考えられる。基礎には赤煉瓦が使われていたが、補強のため移築時にコンクリートに変え、表面には煉瓦を貼り付け当時の趣を残した。基礎内部は高さを生かして物置として使われており、ワインの樽も貯蔵していたという。内部には8つの個室(2階:寝室、1階:応接間・事務室・食堂・炊事場)と浴室があり、全ての個室に暖炉が備えられ、本格的な洋風住宅建築としての価値が高い。県内に現存する最古の西洋館であり、平成17(2005)年、長野県宝に指定された。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

 

1階展示 マツモト建築芸術祭⑲

釘町彰 Akira Kugimachi
「Air」2022

旧司祭館1階渡り廊下に2022年の最新の作品が展示されていました。窓の外の風景とも違和感なく、存在感のある作品です。

釘町彰2022
釘町彰 タイトル
 
釘町彰

昭和43(1968)年生まれ。幼少期をヨーロッパで過ごし、多摩美術大学院絵画科日本画専攻修了後、マルセイユ国立美術学校、パリ第8大学メディアアート科修士課程を修了。文化庁海外派遣芸術家プログラムを経て、現在パリを拠点に活動する。

Air(大気)、Lightscape(光)、Snowscape(雪)シリーズなど、独自の解釈を施したランドスケープを主に、揉み紙を施した和紙と墨、天然岩絵の具の技法を用いながら、写真や映像などのデジタル技術を駆使した絵画作品を数多く制作。近年はビデオアートを取り入れた絵画作品を発表し、新たな表現を開拓している。人類の誕生以前、あるいは以後といったロゴス以前の世界を彷彿とさせる作品群は、我々がまだ認識し得ない未知の風景を彷彿とさせる孤高の世界観を生み出す。自身の作品を「時間からの解放を促す一種の装置」と位置づけ、既存の概念に囚われない芸術表現に取り組む。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

 

「Erewhon (07‘25‘‘) Collaboration with Hanna」2018

黒いカーテンの奥に映像が流れています。聴こえてくる話し声は、フランス語か?異国の言葉です。

 
釘町彰2

作品ステートメント

釘町彰2タイトル

我々は何処から来て、何者で、どこへ向かって行くのか。

我々とこの世界の関係そのものを問う、それがアートだと思う。

もう8年ほど前になるが、年末イタリアとスイスの国境あたりを車で通った。雪に覆われ、岩肌が剥き出しになった未だ名もなき原始的な風景を目の当たりにした時、まるで別の惑星に降り立った様な時間の喪失とでもいうような感覚に陥った。具体的な色や形状がありながら、しかし同時に渾沌の中で万物が流動しながら、未だ形にならない何かが隆起していく様な生成のプロセスそのもの。老子は、その様な光が現れる以前、つまり、天と地、人間と自然、主と客、あらゆる二項対立が現れる以前の名もなき世界を「玄牝(げんびん)」と呼んだ。その様なことを考えながら、いくつかの絵画と映像を作品に残した。

軽やかでどこか優美な松本の旧司祭館には、初め光のみを描いた絵画こそがふさわしいと考え た。しかし、光のイメージはこの場所には馴染みすぎる様に思えた。やがて、光が現れる以前の 世界を描くという着想を考えた。光が現れる、つまり神がまだ光あれという以前の世界を表現することで、あらゆる宗教や二局分離が起こる以前、主客未分以前の世界を示唆し、そこから逆照射することでまさに危機に瀕している私たちの文明や人間の立ち位置を見直すことに繋がるのではないかと考えた。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

 

2階展示 マツモト建築芸術祭⑱

本城直季 Naoki Honjo

本城直季

昭和53(1978)年東京都生まれ。東京工芸大学大学院芸術研究科メディアアート修了。大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる。まるでミニチュアの世界のような感覚を想起させる作品は、この世界の実在と虚構を問いかける。また俯瞰された作品は様々な地域を通して街や人の営みを見つめている。

全日空の機内誌「翼の王国」で長年連載していた。写真集『small planet』(リトルモア、2006)で平成18(2006)年度木村伊兵衛賞を受賞。ほか『TREASURE BOX』(講談社、2010)、『Shinkirou』(リトルモア、2013)、『東京』(リトルモア、2016)、『京都』(淡交社、2016)がある。今年3月に東京都写真美術館にて個展「(un)real utopia」を開催予定。主な作品の収蔵先に、メトロポリタン美術館(アメリカ)やヒューストン美術館(アメリカ)など。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

 

 

 

small planet Tokyo Japan 2004

まるでミニチアのような世界! 本物だとは思わなかった不思議な写真でした。

本城直季1

small planet Tokyo 2005     New York2007

本城直季2

 

9:00〜17:00 ※月曜休館

池上百竹亭 茶室 ⑯に続く・・