三代澤本寿 型絵染め展 Gallery MIYOSAWA
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2017年に閉店した「カレーの店デリー」、2020年3月に新たな形で生まれ変わりました。
1階は、「壱の蔵」ドライフルーツ、甘納豆、野菜チップス、チョコレートなどを
取り扱っているお店です。
2階は、三代澤本寿ギャラリー展を常設した「ギャラリー三代澤」
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階段を上がります。
ギャラリー入館料200円
壱の蔵お買い上げレシート1000円で、入館無料。営業時間 10:00~16:00 水曜日定休日
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階段を上がると大きな梁が目を惹く美しいギャラリーに着きました。
松本出身の型絵染作家、三代澤本寿の常設ギャラリーです。
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三代澤本寿 型絵染め展
作品はペルーの古都クスコ近郊にあるインカ遺跡の一つを題材にデザインしたもの。ダイナミックな曲線が見所です。
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パネル《サクサイワマン、クスコ》1985年
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今回ギャラリーにいらした白木さんに沢山お話しを伺うことが出来ました。
白木さんは、子どもの頃から三代澤本寿さんと親交があったそうです。
三代澤さんの三男さんと同級生で、三代澤さんは、とても気さくな方で工房にも時々遊びに行かれていたそうです。
若い人が大好きで工房に来るのもとても歓迎してくれたそうです。
時に山へ行こうと誘って頂き、バスに乗って出かけた楽しい思い出が沢山あるそうです。
上の作品などもこれは何ですか?と尋ねると「何に見える?」と逆に聞かれ「砂時計かなぁ」と言うと、「じゃあ砂時計だ」というおおらかな方だったそうです。
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還暦を過ぎてから世界各地40か国以上訪れ、そこでインスパイアされた作品が次々を新しい形で創られていったそうです。
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こちらの作品について、白木さんから教えて頂いたのは、普通蝶番は裏側に付けるのですが、この作品は表面に出しています。
松本市の岡田にあったオオワさんという方に特別に作ってもらった蝶番で、トリがデザインされています。
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三代澤さんは、酉年生まれなので、トリをモチーフにした作品も多いそうです。
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こちらのギャラリーは、1階の「壱の蔵」さんの所有ですが、ギャラリーが出来るまでのお話しも白木さんに教えて頂きました。
壱の蔵のオーナーさんは、山梨の方で松本が気に入り時々訪れていたそうです。その際デリーさんで食事をした際に店内に飾られた三代澤本寿の作品をご覧になり、興味を持ち他の作品も見せて欲しいと言われすっかり三代澤さんの作品のファンになられたそうです。
そのようなご縁があり、デリーさんが閉店した後にオーナーとなり、1階を店舗として、2階を多くの方に三代澤本寿さんの作品をいつでも見れるギャラリーにされました。天井を抜いて大きな梁を見せて広々とした空間に作り上げました。
半年毎に展示を入れ替えているそうです。
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毎週水曜日定休日で、6名の方が交代でギャラリーの案内をされています。
下の写真のテーブルは、デリーで使用していたものだそうです。
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この型紙は、息子さんのためにデリーのマッチ箱のデザインを描かれたそうです。
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残り少ない貴重なマッチを頂きました。感謝
黒漆喰の美しい外観
建物は、明治40年建築 松本市近代遺産に登録されています。
元々は、呉服屋さんでしたが、その後いろんな方が店舗として使われ縁があり三代澤さんが所有したと白木さんに教えて頂きました。
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今回は、三代澤さんをよく知る白木さんに沢山いろんなことを教えて頂きとても有意義な取材をすることが出来ました。
三代澤さんは、とてもお洒落な方だったそうです。
子どもの頃から三代澤さんと親交があったことは、とても幸せだったと思います。白木さんありがとうございました。
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5月18日より松本市美術館での展示も併せてご覧ください。