まつもと湧水巡り「蔵の井戸」城下町の名残り中町通りの「食い違い」
中町通り
旧善光寺街道に沿う中町は、本町・中町・東町と親町3町の一つです。塩問屋や肴問屋がある街道筋の問屋街として発展してきました。
中町は蔵の町として有名ですが、その転機となったのが、明治21年1月の極楽寺大火(町の大半、1500と焼失)で多くの家屋が焼失しましたが、焼け野原に残った「なまこ壁の蔵」が耐火建築物として見直され、現在でもその一部を残し、街なみとして歴史の面影を現在に伝えています。
蔵シック館前から眺める食い違い
松本市街は、松本城以外は現在も活用されている江戸時代の建物は、ほとんど遺されていません。
しかし道は江戸時代のままの小路や食い違い(くいちがい)などが遺され、今のその道が使われています。
新小路から小池町へ向かう、南北の道が真っ直ぐではなく、クランクしています。
一ッ橋小路から宮村町への道も同じく食い違いになっています。
食い違いは、軍事施設のひとつで敵がお城を攻める際真っ直ぐに行かせない道の構造が城下町の特徴を表しています。
こちらの地図「水巡りマップ裏」を見ると白が現在でカラーが江戸時代で、道が重なっているのがわかります。
中町には、軒先に井戸を持つ店は数軒あります。
今回は、蔵シック館の庭にある井戸を紹介します。
蔵シック館
「蔵の街」として人気の観光商店街、中町通りの中心にある、ランドマーク的な建物です。
明治~大正時代に建てられた造り酒屋の3棟を移築し、2棟はレンタルスペースとして使われていますが、吹き抜けの豪快な梁や座敷などを無料で見学できます。
もう1棟は喫茶店として、中庭の日本庭園を見ながら、井戸水で煮出したコーヒーや中町のお菓子屋直送のスイーツを味わえます。
前の広場には井戸があり、名水百選の松本の湧き水を手押しポンプで汲み上げて飲むことができます。
建物の上部には、秋に中町のオリジナル日本酒「中甼」ができたことを告げる杉玉が取り付けられています。
「蔵の井戸 手漕ぎ式ポンプ井戸」
松本市の「水めぐりの井戸整備事業」で平成19(2007)年度事業で設置されました。
中町蔵の会館にある昔懐かしい青色の手押しポンプの井戸です。地元住民から観光客まで多くの方が利用していきます。開放感を感じる敷地でゆっくりと休むことができます。
手漕ぎポンプを漕ぐと何度かめで水がド~っと出てきましたが、短い時間なので1人で水を汲むには桶のようなものがあった方がいいかもしれません。
交通規制の案内
来る6月27日(日)午前11時~午後4時まで車両は通行止めになります。
区間は、小池町から国道143号線までです。
2018年3月全面改訂版として新たな「まつもと水巡りマップ」を作りました。
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