澤柳政太郎とその時代
松本市立博物館分館 重要文化財旧開智学校校舎で生誕150周年記念特別展
「澤柳政太郎とその時代」が始まっています。
澤柳政太郎は松本出身の文部行政官・教育者・教育思想家・成城学園創立者です。
「日本教育界の父」と称されています。
改めてすごい人だと思いました。
学校で何を学ぶかが重要ではなく人として何を学ぶか。
澤柳は学校教育という枠組みだけでなく、人間にとって普遍的な学びー「本当の教育」の追求に生涯をささげました。
今、本当に見直さなければいけないことはこれなんだと考えさせられます。
そして将来の平和は教育者の努力如何にあると言っています。
その通りだと思います。
今こそ、この言葉をみな確認しなければいけないじゃないかと思いました。
もっと広く、地球市民として、世界の平和を考え行動しなければいけないと。
「教師及校長論」(明治41年)より
多くの先生方に見ていただきたい。教員とて人として常に成長していくこと。
子どもたちからたくさんのことを学べること。
(成城小学校創立10周年祝賀会での演説から(昭和2年)
本当の教育とはなんなのか、今の日本の教育はどうなのか。
いっぱい考えさせられます。
大体論としては、その子の天分天稟をなるべく故障なく順当にのばすことができれば幸いである。幼少の時からその神経を痛く緊張させ、種々の外部的刺戟を与えて過度の勉強をさせ、苦悶あっても自ら訴うるすべを知らない可憐の児童を苦しめ悩ますことは是非避けたいものである。・・・
どうぞ子供を子供として考えて貰いたい。
「教育問題研究」(大正10年)より
この文章をはじめ、ほかのものも読んでちっとも古くない、その通りだと感じました。
個に応じた教育といいながら、枠から出てしまう子どもたちを排除する方向にいきがちな現場での教育はいったいなんなんだろう。
時代は変わっても普遍的な学びというものは変わってはいけないのではないかと、今の教育の在り方に疑問を呈したいと思ったのでした。
教育委員会制度も変わり、日本の教育は明らかに悪い方向に向かっていると感じるのは私だけではないと思うのです。