松本市歴史の里「建築講座2019」レポートⅢ
松本市歴史の里建築講座2019「松本の産業遺産」島内・城山現地見学会。
時間がだいぶ経ってしまいましたがレポートⅡの続きです。
城山公園は、天保14年(1843)に松本藩主戸田光庸(みつつね)が桜や楓を植樹し、一般庶民にも開放したのが始まりだそうです。明治8年(1875)には太政官布達公園の1つとなったそうです。
一般庶民が利用できる公園としては日本初のようです。
その一角に「犬甘城跡」があります。松本城から1.5Kmの場所にあり、正平年間(1346~70年)に犬甘氏が築いた説があるそうですが、詳細は不明だそうです。
天文期(1532~1555)の始めに小笠原長時が築かせた砦で、小笠原氏が拠点としていた林城の支城として機能していたそうです。現在でもタテ堀で分割された砦のような小山がはっきりわかります。
現在は樹木が育ち松本平が良く見えませんが、城山配水池からの眺望が当時の眺めだったとすると、松本にとっては重要な城であったことが推測できるそうです。
松本城も丸見えでした。
その後、城山公園を下ってハーモニーホールへ戻りました。
ここ島内地区には亀長電気工場(電気炉製鋼所)があったそうです。明治42年に日本初の電気炉製鋼法を発明し鉄鉱石から鉄鋼を製造することに成功した工場で、昭和電工の前進だそうです。
近代化産業に縁の深い地域だったことを改めて知った見学会でした。
【お知らせ】
松本市歴史の里「建築講座 松本のたてもの2019」松本の産業遺産
日時:令和元年10月27日(日) 10:30~正午
講師:小松芳郎氏(信濃史学会会長)
会場:松本市歴史の里
内容:松本の製糸業について
講座料:通常観覧料