「味は材料で、おいしさは人柄で」といわれます。
暮らしの味や郷土の料理から蕎麦、地酒まで、充分に松本をまるごとご賞味ください。
信州を代表する食べ物といえば「そば」です。そばは、標高が高く霧がまき日照時間が短い痩せた地で実のしまった良いそばが採れるといわれています。長野県がそばの名産地となったのは、栽培条件が適している土地柄であったといえます。松本では、奈川、乗鞍高原はそばの産地として有名です。
市内にはこだわりの手打ちそば屋が技を競い合っています。お土産も生、半生、乾麺など種類も豊富で、松本のお土産には最適です。
旬の山菜やきのこ、野菜を煮立て、その汁の中へ小割にしたそばをとうじかごに入れ、さっと温めていただく、奈川の「とうじそば」も冬を代表する郷土食として有名です。奈川は、「ながわといえばそば」といわれるくらい質の高いそばの産地。1,200mの高地の冷涼な気候と澄んだ環境がおいしいそばをつくります。「とうじ」とは、投げ入れて暖めるという意味があり、旬の山菜、きのこ、野菜を煮立てただし汁の中に一椀ずつ小分けしたソバの玉をとうじ籠に入れてさっと暖めます。
鶏の肉をニンニクなどの入った汁に漬け込み、片栗粉をまぶしてあげたものを山賊焼と呼んでいます。一度は忘れかけられていたこの郷土食が2011年に再ブーム。今では松本のグルメに欠かせません。松本では、クリスマスの季節のスーパーにもローストチキンとともに山賊焼きが並びます。
松本山賊焼応援団のマスコットキャラクター「さんぞくん」は、山賊に扮した鳥をモチーフにしたキャラクター。街のイベントへの積極的な参加や、缶バッジ・オリジナルシールの製作など、山賊焼のPRに貢献してくれています!
かつて松本では「肉といえば馬肉」を指すほどでした。いまでも馬刺し、桜鍋(馬肉のすき焼き)を扱う料理店が数多くあります。
松本は四方を山に囲まれており、山菜の宝庫といえます。ワラビ、タラの芽、ウド、行者ニンニク・コゴミなどを味わうことができます。また、秋のきのこも豊富です。
切り干し大根、野沢菜炒め、ナス味噌などの所謂「おかず」が入った饅頭。蒸したり焼いたり、そば粉を使うものなど種類も豊富なおやきは、長野市西部が有名ですが、松本でも欠かせない郷土食です。
信州の漬け物の代名詞である「野沢菜漬け」、季節野菜の「みそ漬け」 、地酒の吟醸粕で漬けた「粕漬け」 、ピリ辛「わさび漬け」、安曇地区特産の「稲核菜」や奈川地区特産の「赤かぶ」の漬け物が名物です。
安曇・奈川地区では、古来より日本に生息する、希少な野生の日本種みつばち「日本蜂」を飼育し、ロイヤルゼリー、プロポリスなどの成分が混成する貴重なハチミツを生産しています。
全国の味噌生産量の50%以上を占める長野県、その中でも松本は県内有数の「信州味噌」の産地です。「信州味噌」は、淡色辛口味噌の代表的な味噌で、やや酸味のある芳香を持っています。
安曇、奈川には清流が数多くあります。そんな清流で育ったイワナは、まるごと塩焼き、甘露煮お刺身でいただけます。
松本市内各地の山でとれる、きのこの王様。特に、四賀地区は、全国に知られる「松茸」の産地です。土質が良く、香りと味が絶品で、東京をはじめ各地の市場で高く評価されています。
野沢菜と比べると丈が40~50cmと小ぶりで繊維分が多く少しかためですカブも漬物となるのが特徴。昔ながらの風穴での保存と、味の良さが相まって「幻の漬物」とさえ呼ばれています。
奈川や乗鞍高原など標高千m以上で栽培される大粒の豆で、煮豆にすると皮がやわらかく大変おいしい豆です。最初は観賞用として栽培されたため花豆とも呼ばれています。
上高地から流れる梓川の水が、最初に水田に入る梓川地区。「あずさ発芽玄米」は自然の恵みいっぱいの地元産のお米を地元の工場で発芽玄米にしています。
松本平の東、緩やかな南斜面を持つ山辺地域はフランスのボルドーと似た地形で、明治の初期からブドウの生産が行われ長野県のブドウの発祥地として知られています。山辺ワイナリー、四賀ワイナリーでは品質のよいワインを醸造していて好評です。
信州松本は、米、水、冬の寒さと乾燥など、酒造りにはかかせない要素を兼ね備えた日本酒の産地です。
松本酒造協会に所属する酒蔵は全部で11。個性豊かに競い合い、手づくりにこだわった品質本位の酒が楽しめます。
昼夜の寒暖差と日照量が多い松本では、品質の良い、甘くおいしいりんごが収穫されます。サンふじ、シナノスイート、秋映(あきばえ)など、長野県で独自に開発された品種も人気です。
ぶどうの郷・山辺は標高600m~700m。昼夜の温度差が大きく日照時間が長いため、ぶどう栽培の最適地であり、古くから「長野県ぶどう発祥の地」として知られています。入山辺産は特に人気です。
波田(はた)地区を代表とする農産物。土質は火山灰土壌で、昼夜の寒暖差が大きく日照時間も多いことから糖度が高くシャリシャリとした食感で品質の良いすいかになります。
江戸時代城下町では、茶の湯文化とともに和菓子づくりが盛んになりました。松本は、江戸、京都の中間にあることからどちらにも影響されない独自の味わいを持つ和菓子づくりの伝統が今も息づいています。