創業天保3年城下町の老舗「萬年屋本店」味噌工場を見学する②
萬年屋本店さん、店舗記事に続き2回目は、味噌造りする工場見学させて頂きました。
↑の写真は、現在は使用されていない「味噌樽」です。
この大きさですと、はしごを使い樽の上までいき、そこから味噌を取り出すのは、大変な作業です。かなり昔に、使われていたそうです。
店舗の奥の奥にある階段を昇るとそこは、味噌工場です。
土足からスリッパに履き替えて入ります。
味噌づくりの1番最初は、「麴」から
こちらの装置は、1回300キロの米を炊いて蒸したものをベルトコンベアに乗せて扇風機を周りに置いて瞬時に冷まします。
釜から蒸し上がったお米をコンベアに乗せ、冷却します。
冷ましたお米に噴霧器で麹菌をつけ、温度を見ながらタンクに入れていくのが私の仕事です。
麹作りで一番大切なのは、温度管理です。手を入れてみて、少しぬるいと感じる位が適温です。
お米を入れる量、ファンの強弱、お米の量で温度を調整します。
室に入れるときには、毛布をかけて温度を保ちます。(出典:萬年屋さん公式サイトブログより)
麴の室(むろ)
麹の室中
冷ました米を速やかに室に運び、すぐに作業に入ります。2日間この室で熟成させます。
麹は真夏以外は、ほぼ1年中作るそうです。
大豆を蒸します。1度に1トンを大きな釜で蒸すそうです。
ここに蒸した大豆を入れます。
潰れた大豆が出て来ます。
ここから伝統的な味噌玉造りでは、蒸された大豆をから味噌玉を作る作業に入ります。
毎年味噌を仕込むのは、3月です。その時期は、アルバイトの学生さんも総出で毎日大忙しで作業に追われます。3週間ほど味噌玉を寝かし、塩を入れる前に熟成させるため生えたカビを洗い流す作業に入ります。味噌玉を砕きます。ここもまた大変力がいる作業で、とても硬くなっているので、簡単には砕けないそうです。
ここでようやく簡単な手法の工程に辿り着きます。麹・塩・水を混ぜます。
再度熟成させて、秋に完成。仕込みは毎年3月におこなうそうで、味噌が出来るまで半年以上かかる手間と時間のかかる大仕事です。
東町の大火で残った土蔵
階段を下りて1階に蔵があります。そこに味噌が保存されます。
過去に2回の大火に遭いました。
大火の際、味噌は土蔵の中にあったので、外から味噌で目張りして、土蔵の中に外からの空気を入れないようにして、2か月後に開けたときには、味噌は無事に火災から守らたそうです。
取材日は、味噌を仕込む時期ではありませんでしたので、味噌仕込みの様子は、萬年屋本店公式サイト内に「味噌の仕込みカテゴリーのブログ」をご覧いただくと詳しく書かれています。
伝統の味噌玉造り昔ながらの手作業で作り続けている萬年屋さんは、松本が誇る辺べき老舗です。
③は、「松本城捨て掘り土塁跡」に続きます。