焼岳(上高地~焼岳~中の湯バス停ルート)

所要時間:6時間30分  レベル:
山行日: 2009.09.21
60
標高:2,455 m
焼岳(上高地~焼岳~中の湯バス停ルート)

焼岳は、上高地の大正池の上に見える活火山です。上高地からも見える、水蒸気の噴出が頂上付近で見られる活火山ですが、大正池を作った大噴火の後、火山活動は落ちついています。最高峰の南峰への立ち入りは危険のため禁止されていますが、40mほど低い北峰に登れます。
上高地から日帰りで登れる北アルプスの山で、しかも日本百名山でもあるため、人気がありますが、険しい場所や危険な岩場もあり、充分な装備と気構えで登る必要があります。
車で来る場合は、上高地に入らず、中の湯温泉の旅館横の駐車場に停めて往復するコースもありますが、今回は、上高地から登り、下りは別ルートで釜トンネルの入り口の「中の湯」バス停のある場所に下りてバスで帰るコースをご紹介します。

松本からのアクセス方法

槍ヶ岳 槍沢コースのページのアクセス方法の説明をご覧ください。登山道入口に近いバス停は、「帝国ホテル前」です。

上高地~焼岳小屋(約2時間半)

バス停から、赤い屋根の上高地帝国ホテルを右に見ながら田代橋に向かい、橋を渡ってから、西穂高岳への道との分岐を左に曲がります。林道を10分ほど歩くと右に登山口があります。
最初はゆるやかで、森林浴気分で歩けますが、1時間ほど歩いたところで、急に勾配がきつくなります。ハシゴやロープの箇所が何度かあり、道も狭くなります。最後に90度の絶壁にかけられた長い鉄ハシゴを登ると、笹の原になり、勾配も楽になります。やがて、「小屋まで121歩」と書かれたユーモアのある標識があり、緑色の屋根が特徴的な山小屋、焼岳小屋に着きます。


焼岳小屋~北峰山頂(1時間半)

小屋を過ぎてすぐ、左に10分ほど登ると、視界が開けて「展望台」と書かれた場所があります。
この辺りから、左側に岐阜県の笠ヶ岳が見えます。
右側には前穂高岳~吊尾根~奥穂高岳、その右下に上高地の大正池やホテル群が見えます。出発点の上高地帝国ホテルの赤い屋根も見え、感無量です。
さらに歩を進めると、眼前に焼岳山頂へのルートが一目瞭然に見える場所に来ます。
ルートは少し下り、コル(峠のくぼ地)があり、その後は、あちこちで水蒸気が吹き出す岩場の急登です。がんばって登ると、中の湯コースとの分岐点に出ます。リュックを置いて、右に10分程度歩けばいよいよ山頂です。

北峰山頂~中の湯バス停(2時間半)

山頂の向こうに、昔の噴火口に水が溜った火口湖が見えます。リュックを置いた位置に戻り、右側に下山します。
赤茶けた火山性の土に、草や低木がたくさん生えていて、草紅葉が見られました。
1時間ほど歩くと分岐点があります。右が中の湯温泉の旅館と駐車場に下りる道、左が中の湯温泉卜伝の湯とバス停に下りる道です。
バス停に下りる道は狭く、笹が生い茂り、石がごろごろしていて歩きにくいですが、ブナの大木や白樺が多く美しい森です。
やがて車道と水の流れる音が聞こえ出し、卜伝の湯からわずかに高山よりの車道に出ます。卜伝の湯は、洞窟のようなお風呂ですが、お湯の質は良く、バスまで待ち時間があれば汗を流して帰れます。

登山者の感想

jonen_akira.gif今回は、9月の「シルバーウイーク」の連休だったのとアウトドアブームのせいか、中高年より若い人や働き盛りの人が多く見られました。
焼岳は、標高約2400mの山ですが、登山道は後半が急登で、スリルのある絶壁のハシゴもあり、火山活動も体感できる面白いコースでした。
【登山者・記事 常念あきら】