やまたみ登山学校 第9回机上講習「山の天気・冬山装備」
山の天気(基礎知識)
天気はどのような時に悪くなるのか?
山に登る時に一番気になるし、また、大事なことといえば「お天気」ですね。
今ほど親切な天気予報がなかった頃は、登山家は自分で天気図を書いたそうです。
今回はまず、天気の基礎知識を教えて頂きました。
天気が悪くなる理由は、空気中に含まれる水蒸気の量に限界があり、それは気温が低くなると減るため。
水蒸気の量が限界を越えると、小さな水滴となって雲や霧になり、それが大きく成長すると雨や雪になる。
高い山の天気はなぜ悪くなりやすいか?
いろいろな理由で、山の低い所から高い所に登る「上昇気流」ができると、その空気が高い所で冷やされ、水蒸気の量が限界を越えます。尾根で風が下から吹き上げる時は、天気が悪くなりやすい。
また、頂上付近の傘雲は、空気中の水蒸気量が多いためで、半日以内に天気が崩れます。
<記者の感想>ただ悪天候を恨むのではなく、「天気に関心を持つことは、山の大自然と向き合うこと。そう思えば、天気の変化も楽しめる」との話に、なるほど!と思いました。【記者:常念あきら】
冬山装備
冬山とスノーシュー登山の装備(森林限界以下の雪山登山)
<服装>
〔行動中〕
(1)汗をかく人は1番下は薄いもの
(2)薄手のフリース
少し寒い時
(3)薄いウールのシャツ
さらに寒い時
(4)雨具
〔休んだ時〕
厚めのフリース
長袖シャツ(保湿性の高いもの) ズボン(保湿性の高いもの)
肌着(夏に比べて厚手のもので保湿性・速乾性の高いもの)
靴下(厚手で保湿性の高いもの)
目出帽・帽子 (あごや耳も隠れるものが、好ましい)
手袋・・a フリース+オーバーミント b厚手の手袋 c 分厚い手袋
場合により、3枚装着。長時間登山の場合は、予備を入れて6枚持参
防寒着(雨具兼用でよい・・内側にセーター・フリースを着用)
<行動用具>
スノーシュー(歩行目的に適したもの *写真左参照)
登山靴(防水・保温がしっかりしたもの)
ロングスパッツ(靴に雪が入らないものなので、必須)
ザック
ストック(スキーストックで可・リングの大きいもの)
アイゼン(傾斜のきつい凍った場所で必要 用途に応じて爪の数も変える *写真右参照)
ゴーグル・サングラス(UVケアの効いたものを使用する ゴーグルは、曇らないものを選ぶ)
テルモス(魔法瓶) ヘッドライト(予備電池) ホットカイロ
地図・コンパス ツエルト
ガス・コンロ(共同) 救急薬品 携帯電話・無線機
<ポイント>
*薄着で重ね着
*予備の手袋は、汗をかく前に取り替える。
予備の手袋はお腹にいれるのがいい。
*水筒は、すぐに冷えるので保温力の高いものを使い、
尚且つダウンなどにくるんで、温度をキープする。
暖かいお湯は、身体の内側から温めるから大切です。
*ズボンは、水をはじく素材+タイツ+オーバーズボン
(破れにくいもの・アイゼンなど使う時に横に穴があかないように)
<記者の感想>
山は、身体を作ることも大切ですが、装備・服装を整えることも大切な要因です。
特に雪山は、場合によっては命と関わることもあるので、正しい服装・装備をぬかりなく揃えることが大切です。
今回の机上講習に参加しての感想は、思ったよりも山は薄着で重ね着が基本ということです。また、わざわざ冬用に揃えなくても、靴や靴下などは、夏と兼用で十分だと講師の方は言っていました。
しかし個人差もあるので、しもやけになりやすい私は、足元、特に指先はすぐに凍えるのでやはり、十二分な厚手のものや時に足用のカイロも役に立つのかと思います。
講師の方々 高橋さん、飯島さん、小口さん、太田さん
【記者:ビスタレけいこ】
【12月7日実施】