浅間山

レベル:
山行日: 2007.07.28
44
標高:2404m
浅間山

浅間山s11.gifは、松本市の東、軽井沢の手前にある世界でも有数の活火山で、今もかなりの量の噴煙を上げています。最近も1972年と2004年など、何度か噴火しているため、植生も独特で、火口周辺には樹木がありません。そのため、眺望が良く、雄大なすそ野と大自然のダイナミズムを実感できる山として人気があります。

登山道は、いくつかありますが、ここでは、整備され、規制が緩和されていて山頂近くまで行ける一番ポピュラーな「表コース」をご紹介します。この他に、天狗温泉浅間山荘から登る「火山館コース」もあります。こちらは、黒斑山を経ずに直接前掛山に登る場合は最短コースで、下山後に温泉にも入れます

松本からのアクセス方法

車:国道143号から国道254号を走る。三才山トンネル(有料)を抜け、上田方面にまっすぐ行き、小諸方面への看板に従って国道152号から県道81号を走って北上。国道18号との交差点をやり過ごして、「浅間山サンライン」との交差点を右折。
快適なドライブコース「浅間山サンライン」を走り、松井農園の看板のあるトンネルの手前で「高峰高原」方面に右折して県道131号へ。道はループして山側に登る。「チェリーパークライン」のカーブの連続を30分ほど登ると、峠(車坂峠)に高峰高原ホテルがあり、その少し先の右側に10台ぐらいの駐車スペースと無料の駐車場がある。
電車・バス:松本駅からバスで鹿教湯温泉に行き、上田行きバスに乗り継いで上田駅で、または、JRで篠ノ井駅まで行き、しなの鉄道に乗り換え。小諸駅で下車し、千曲バス高峰高原行きで「高峰高原ホテル前」下車

登山口〜黒斑山(2時間)

高峰高原ホテルの前に「自然観察センター」があり、そこに登山マップが置いてあります。その向かいが登山口です。登山口の反対側は、池の平湿原へのハイキングの入り口になっていて、シーズンにはたくさんの観光客が訪れます。浅間山登山の特徴は、コースに、山小屋も水場もトイレもないことです。済ませてから出発しましょう。
asarock.jpgまず、整備された道を登ります。シラビソの多い林を一時間半ほど登ると、赤さびた避難用のシェルターがあり、その先が「赤ゾレの頭」と呼ばれる場所で、眼前に浅間山の勇姿が見えます。
赤ゾレの頭から左に折れると10分ほどで、岩場の「トーミの頭」になります。この日は天気が良く、岩の上に腰を下ろすと最高の気分でした。
トーミの頭から30分で外輪山の最高峰黒斑山くろふやまに着きます。

黒斑山〜Jバンド(1時間)

火山による規制が2006年にレベル2→1に緩和されるまでは、黒斑山までしか登れませんでした。黒斑山までのコースや、黒斑山からの浅間山の眺めも素晴らしいのですが、ここからの、外輪山の稜線に沿って歩くコースが、浅間山登山で一番醍醐味がある所だと思います。
asabird.jpg小休止を終えて歩いて行くと、また、気持ちのいい林間コースになります。黒斑山から先に行く人は少なく、静かで、鳥を至近距離で見ることもできました。
やがて、視界が開けると、左の写真のように、右側に浅間山、左側に見事な弧を描く外輪山の火口壁が見えます。赤茶けた火山性の土の上を歩くコースです。
asatrail.jpgasatrai2.jpg
黒斑山から2つのピークを登り下りしてから、最北のピークの「鋸岳」手前で、表示に従って、右側の「Jバンド」を下ります。岩場が’J’の形をしているため、そう呼ばれています。滑りやすい細い急な斜面で、転落しないよう気を付けます。また、道もわかりにくいので要注意です。

Jバンド〜浅間山(1時間半)

asamaeka.jpgJバンドを下り、外輪山の内側を30分ほど歩くと、林に入り、分岐を左にたどります。「賽の河原」と呼ばれる地域です。ここからはひたすら内輪山を登ります。現在は、火山性ガスの危険があるので、噴火口から500m以内は立ち入り禁止です。多くの人は、火口を右側に迂回して、写真(登山客が、蟻のように小さく見えます)のように、内側の第2外輪山の前掛山を目指しますが、コンディションがよく、向かい風でなければ、自己責任で火口まで登る人もいます。
asashetl.jpg500m位置にあるシェルター。太い鉄板が見事に陥没していて、噴火の恐ろしさを実感します。
火口からは、「火山レベル1」の今も、もうもうと煙と水蒸気が涌き出しています。


浅間山〜登山口へ下山(2時間半)

下山は、さっきの「賽の河原」の分岐点まで下りて、そのまままっすぐ行くと、「火山館コース」と、元来た「表コース」への分岐に来ます。「表コース」から戻る場合は、右に曲がって「草すべり」という場所を登るのですが、往路のJバンドを経由せず短いコースで「トーミの頭」に登るので、途中からかなりきつい急登です。
asaflowe.jpgただ、この辺りは、山野草の宝庫で、可憐に咲く花に救われる思いです。「トーミの頭」に登ったら、後は楽な下りです。途中、「表コース」と「中コース」に分岐します。「中コース」は、眺望はまったくないですが、「表コース」より少し短い時間で、登山口に戻れます。
asapeopl.jpg今回は、単独行でしたが、途中、ヨーロッパ出身の国立研究所勤務の一行(脳科学の博士達!)と、おしゃべりも楽しめました。思わぬ出会いがあって仲良くなれるのも、登山の楽しみの一つです。フランスとオランダのスイーツ、ゴチソウ様でした!
【登山者・記事 常念あきら】