妙義山は、長野県側から軽井沢を越えて群馬県側に入ったところの富岡町にある、いくつかの切り立った絶壁の岩峰です。日本三大奇景の一つ。いくつものピークがあり、表妙義、裏妙義などに分かれています。登山道は鎖場の連続する岩登りのコースとなっています。 今回僕達は、表妙義の中でも白雲山と金洞山に分かれている峰で、白雲山の「相馬岳(標高1104m)」に行ってきました。
<アクセス>
マイカーでのアクセスは、松本ICから高速道路に乗って、長野市方面へ。→途中の更埴ジャンクションで群馬県方面へと走り、→松井田妙義ICで下ります。下りたらスグに妙義神社があり、その前の登山者専用駐車場に車を駐車できます。
公共交通機関でのアクセスは、松本駅から→長野駅までJR。長野駅→高崎駅は新幹線かJR。高崎駅→松井田駅はJR信越本線。そして松井田駅から→妙義神社まではタクシーで10分ほどみたいです・・・。
<妙義神社→見晴らし。(1時間40分程。)>
登山のスタートは、この大きな妙義神社の鳥居からスタートです。鳥居の上には目の前にド~ンと切り立った岩峰が大迫力に見えます! あそこまで登って行くんだ!とモチベーションが上がりますね。 最初はこの妙義神社の参道と石の階段を一番奥の本殿と拝殿まで上がっていくのです。
一番奥の拝殿と本殿まで登って来ました。妙義神社は、最初の「総門」から素晴らしい荘厳な造りと色彩です! 全ての建物がスゴかったのですが、今回僕達は登山が目的なので、スルーでした・・・。「妙義神社」はまた次回ゆっくりと見たいと思いました・・・。
妙義神社は、とても由緒ある神社で、「宣化2年(537年)に鎮祭せり」という社記があるようです。元々は「波己曽(はこそ)大神」という名前で、のちに後醍醐天皇に仕えていた「権大納言長親卿」が、この妙義山の奇岩を気に入りこの地に住んで、「明魂」と名付け→「妙義」になったようです。御祭神は「日本武尊(ヤマトタケル)」。古事記や日本書紀に出てくる英雄ですね。東征の際に上野(群馬)から→信濃(長野)へ入ったという記述があるので、その時にここを訪れたのでしょうか?・・・。妙義神社の本殿や拝殿、波己曽社や、その他の石垣などは国や県の重要文化財の指定を受けています。
本殿と拝殿の右側のこの場所が登山口になっています。ここで登山届を出してからスタートしていきます。
スタート直後から、かなりの急登でガンガン標高が上がっていきます。しかし、この日は朝から猛暑の天気予報が出ていて、とても暑くて豪雨に打たれたようにビショ濡れなぐらいに汗が流れ出ていきます!・・・。汗をかきすぎてTシャツが絞れるぐらいでした。
早速出現してくるいくつかの鎖場を越えて、約40分ぐらい頑張って暑いのを我慢して登っていくと、やっとこさ「大の字」の看板まで来ました・・・。もう滝のような汗でここまでだけでも猛暑の暑さにヤラれてしまい、コース的にはまだ序盤なのに早くもヘトヘトでした・・・。
その後、「大の字」からはちょっとペースを落としてゆっくりと登っていきました。それでも暑くて汗のビショ濡れは改善しなかったです・・・。
「辻」という分岐点を越えていくと、その先には「奥の院」という洞窟のような場所がありました。ここは、やはり「妙義神社」の奥の院なのでしょう。朽ち果てそうな石階段を登ると洞窟の奥には石仏がありました・・・。
そして、奥の院の横からは、いよいよ本格的な岩登りの鎖場が始まりました!! まさに!手や足が1つでも滑ると→即死なセクションです。なので、通常の登山者の方は、ガイドさんを依頼してロープで安全確保をしてもらって下さい。
ドンドン鎖場を楽しみながら越えていくと、やっと「見晴らし」というビューポイントの場所に到着しました! ビューポイントというだけあって、群馬県側の平野が見渡す事ができました。
しかし、この日の群馬県は猛暑の予報が出ていて、最高気温は38℃にも迫っていたみたいです。なので、ずっとサウナの中に居るような熱気と湿気と日射のトリプルパンチで、まだ序盤なのに僕達はもうすでにグロッキー状態でした。北アルプスの登山を想定して持ってきたドリンクの量が足りなくなりそうでした。
<見晴らし。→天狗岳。(1時間ほど。)>
ここからは鎖場が連続する稜線のアップダウンとなって行きます。最初に出てくるのは「ビビリ岩」と書かれた鎖場でした。3m程の垂直の岩場から画像のようなトラバースになります。手や足が1つでも滑ってミスすると→即死亡ぐらな岩場なので、鎖を片手に確実に持って慎重に登っていきました。
次に現れるのは「セビレ岩」です。魚の背びれのように両側が切れ落ちている足場が狭い岩場です。ここもしっかりと鎖を持って確実に登っていきました。鎖はちゃんと整備されているモノかどうか確認をした上で、引っ張って登るのではなく、他の手足で登っていき、鎖は落ちないための補助というぐらいが良いと思います。
そして次に現れてくるのは「大のぞき」という眺望の良い場所です。ここも、とても切り立った岩峰のてっぺんなので、落ちないように注意しながら絶景を楽しみました。バックに聳えている岩壁が、これから行く「天狗岳」です。
「大のぞき」からは、鎖での下りです。岩場を進んで行くのは、登りよりも下りのほうが危険なのです。なので下りの鎖場を、これまで以上に慎重に一歩ずつ一手ずつ確実にホールドを持って下りていきました。
「大のぞき」の鎖場を全部下り切ったあとも、まだまだアップダウンが続きます。そしてやっと、白雲山の峰の一つである「天狗岳」に到着できました。
しかし!、この時点で僕達は、もうすでに猛暑で暑過ぎる気温にヤラれてしまって、かなりグッタリなぐらい疲れてしまっていました。そしてこの時、もう早くも持って行ったドリンクの8割程をもう飲んでしまっていたのでした。それでも、ここまで来たら、もう進んで行くしかありません。なのでなるべくゆっくりとしたペースで、なるべく汗をかかないようにして、なるべく喉が渇かないようにと、進んでいきました。
<天狗岳→相馬岳。(40分程。)>
天狗岳を通過しても、稜線の岩峰上のアップダウンは続きます。この日はそよっとも風が無くて、それだけでも暑く感じました。
そして、「タルワキ沢」の分岐点に到着です。 この分岐点で僕達は作戦会議をしました。ココから妙義山縦走を諦めて、下って帰っていく下りの道があるのです。でも、せっかくココまで来たんだから「白雲山」側は
踏破しておきたい!というコトになり、僕達はとりあえず「相馬岳」には登って→「堀切」まで行ってそこから下って帰ろうという事にしました。
そして、妙義神社の鳥居から約3時間半ぐらいで、やっと!「相馬岳」の山頂に到着しました! 暑さのせいか、何だかとても遠く感じました。バックには浅間山もキレイに見えていました。
今回の僕達は、完全にドリンクの水分量をミスしちゃったのでした。一応いつもの北アルプスならこれぐらいで大丈夫だろうというドリンクの量を持ってきていたのですが、標高の低い目の巷の山は暑過ぎました。完全にドリンクが足りなかったです。
<相馬岳。→堀切。(1時間半ほど)>
「相馬岳」の山頂からは、とても急な下り道をどんどん下っていきます。下りだけならともかく、また登りも下りもミックスされて続いていくので、ここでも何だかとてもシンドかったです。
それでも、妙義神社を7:00ジャストにスタートしてから5時間ちょうどぐらいで「堀切(ホッキリ)」に辿り着くことが出来ました。お昼の時間なので、ここでやっとランチの大休止にして、カロリー補給をしました。水分補給は、、、ほんの少しで我慢デス・・・。
僕達は、この分岐点で妙義縦走を諦めて、堀切から→関東ふれあい道へと下っていきました。
<堀切→妙義神社。(2時間程。)>
「堀切」から→関東ふれあい道へのエスケイプな下りは、約15分ぐらいです。スグに分岐点に到着しました。その後はその「関東ふれあい道」を妙義神社へ帰っていきました。 所どころ出てくる急な登り下りの木の階段は、土が掘れてて何だかハードルのような障害物っぽくなっていて、それがまた僕達の疲れている太腿にはしんどかったです。
延々と続いていく「関東ふれあい道」、道は何度もアップダウンしていて、とても「ふれあいの道」とは思えないぐらいの登山道だったのでした。 最後の最後でも、僕達は暑さにヤラれたままフラフラになりながら頑張って帰っていったのでした。
そして、全部で7時間程で何とか妙義神社まで帰り着くことができたのでした。本当に、熱中症にならなくて良かったです。
<感想>
今回のコースの妙義山、鎖のある岩場が連続する登山道なので、岩場登りが好きな人にとっては、登っていてとても面白いコースだと思います。しかし、岩稜登りなどが慣れていない初心者の方には危険な登山道となるため、初心者の方はクライミングが出来る&ロープが使える山岳ガイドの方と一緒に行くのが良いと思います。所どころあるビューポイントの景色も素晴らしくて、どんどん進んでいきたくなります。しかし、標高が低いので猛暑な日はとても暑いので、夏の暑い時期は避けた方が良いかもしれません・・・。僕達は暑さにやれてしまってシンドい登山でした。
「登山日:2024年7月26日。登山者&記者:ハタゴニアン」