北アルプス ブナ立~野口五郎岳~高天原~薬師沢~太郎平~折立縦走 レベル: 山行日: 2008.09.12 ♥17 〜信州松本の山案内〜 20年9月8日から9月12日まで大町ブナ立から北アルプス裏銀座を縦走して富山県折立までの登山記録です。 秋の好天に恵まれながら、名峰を眺めながらアルプスを満喫出来る楽しいコースの紹介です。 松本からのアクセス方法 【公共交通】JR大町駅下車 タクシーで七倉ダムまで行きます。 【マイカー】国道148号線で大町市黒四ダム・葛温泉方面へ向かいます。途中で道が分かれるので、葛温泉を目指します。葛温泉を過ぎて、道の終点まで行き無料駐車場に車を停めます。 ここから歩いてか、タクシーでしかこの先には進めません。 七倉ダム~高瀬ダム タクシー 朝6時半より 料金片道2100円 鉄道利用:JR大糸線信濃大町駅下車タクシー30分 タクシーの情報 大町名鉄タクシー TEL 0261‐23‐2323 アルプスタクシー TEL 0261-21-2121 *シーズン中は、七倉ダムゲート前に朝6時半出発のタクシーが待機していますが、シーズン以外は電話で問い合わせすることをお勧めします。 1日目 前半 高瀬ダム ブナ立登山口~烏帽子小屋 4時間半 2008年9月8日 6時半 晴れ 朝1番のタクシーで七倉のゲートを越えて、高瀬ダムに6時45分に着く。 ダム湖の美しさに心奪われながら、準備を整え、6時50分いざ出発! トンネルを潜り抜けていくと、小さなつり橋を渡ります。そこからしばらく歩いて登山口に到着 そこから、日本三大急登のひとつ「ブナ立」の登りが始まります。赤い字で12と書かれていました。数字は、上にいくほど小さくなり、右の写真は、6まで登った印です。 登った道を見下ろすと、こんな景色 「たぬき岩」と書かれた大きな岩 足元には、きのこたちがたくさん。 長い森林帯から抜けると目の前ににせ烏帽子が見えました。 11時25分烏帽子小屋に到着 手持ちの地図のコースタイムは、6時間だったので、予定より1時間半早く着いたので、そのまま「野口五郎小屋」へ向かいます。 1日目 後半 烏帽子小屋~野口五郎小屋 3時間半 ここからは、稜線歩きが続きます。太陽が雲から出たり入ったりで、 温度が上下して身体も調節しながら歩きます。 風も吹き、行きかう人もだあれもいない荒野を歩く一人歩いていると、 身体の疲れがどーッと出てきて、寂しい気持ちになっていて、 フト足元を見ると、愛しのコマクサが咲いていました。 コマクサは、斜面の厳しい場所にひっそりと佇んで咲いています。 ほとんどが、枯れていましたが、まだ元気に咲いている花を見ると、いつも本当に励まされます!頑張ろうと思えます。 3時間半の稜線歩きは、何もないけど、何でもあるそんな道です。 綿毛に変身したチングルマの群生が続きます。それはまるで、歌を唄っているように私の耳に聴こえてきます。 谷の向こうの燕山の地形にも似た、巨岩が続く。こんなイルカのような岩も登場! 稜線とは言っても、登ったり、降りたりの連続で、3時間半もう疲れましたと思ったらようやく野口五郎小屋を発見です。まるで、ネパールの小屋のようでいい感じですね。 5時に夕飯を頂きました。天婦羅が美味しかったです。 夕飯の後、西側の稜線に立つと寒くて寒くて、それでも日が沈むまで待とうとしばらく待機 温度は、おそらく0度近いくらいまで冷え込んでいました。 西の山の向こうに日が沈んでいくのを一人で眺めていました。 今日ここまで無事来られたすべてに感謝して、おやすみなさい。 2日目 前半 野口五郎岳~水晶小屋 3時間 9月9日 晴れ 朝5時に朝食を済ませて、6時に出発 大勢いたグループは、すでに皆さん出ていて一人取り残されてしまいました。 出掛けに小屋の方たちと、しばらく雑談。もともとは安曇村の出身で、烏帽子・五郎と下の葛温泉の高瀬館も3兄弟でそれぞれが経営されているそうです。 松本の話に花が咲き、シーズンが終わり小屋を閉めたら松本に遊びに来てくれるそうです。 小屋から少し登ると野口五郎岳標高2,924mの山頂です。雲海が広がりここからしばらく、登っては下りの険しい道の繰り返しになります。 裏銀座、表銀座山々を眺めながら進む。去年通過したあの尾根を愛おしく立ち止まっては、眺める。 氷点下になった山頂付近の登山道には、霜柱が。 大きな岩が続く山をいくつも越える 常念岳の彼方に富士山がそびえている。 水晶小屋からの眺めは、最高でした。今年立て替えられたばかりの小さな小屋に泊まってみたかったです。 屋根には、布団が干されていました。 2日目 後半 水晶小屋~岩苔乗り越え~高天原山荘 3時間15分 水晶小屋からの下りは、尾根をなだらかに降りていきます。ここからたくさんの山を見下ろし進んでいくと、分岐の看板が見えてきました。岩苔乗越で高天原へ向かいます。 しかしここからは、かなりの下り道です。 ここからの下りは、なんだかとっても切ない道でした。 あんなにも登ったのに、いっきの900M位降るです。それも獣道 いつ熊さんたちに出会っても決しておかしくない、熊さんの好物のベリーのたくさんなる道。 ようやく抜けたら、綺麗な湿原が広がっていました。 その向こうに赤い屋根のかわいい小屋が見えました。 小屋は、小さくて古いが、掃除が行き届いていてとても清潔な感じのいい小屋でした。 お目当ては、温泉 行きは下り、帰りはモチロン登りで往復35分くらいの沢沿いに天然温泉はありました。 5つの湯船が作られていて、女性専用は2つ。 最初は、囲いのある女性専用に入りました。 こんな極楽! 夕飯もとってもおいしくって大満足でした。 3日目 高天原山荘から夢の平・龍昌池・温泉 往復約60分 魅惑の温泉小屋へ連泊 朝ご飯も豪華です。 6時過ぎに夢の平・龍昌池に出発 辺りは、霜に覆われていました。 大変美しい龍昌池に、薬師岳が映っています。 足元が凍えるのを耐えながら、日が差すのを待ちます。 霜に覆われた、植物は哀愁に満ちた美しさ 池から、冷えた体を温めるために温泉に直行です。 上を見上げると、空の青さと緑のコントラストが、冴えていました。 どう見ても曲がっている小屋も味わいのひとつ。 山荘のドリンクショップです。 温泉には5つの湯船があり、今回は女性専用の露天風呂に挑戦しました。 お一人様専用のサイズで、なんと贅沢で解放された気分に この世に幸せを頂きました。 ぜひ、これを皆さんにもお試し頂きたいです。 夕飯までの時間、小屋の側の湿原で和む何もしない贅沢な時間です。 夕飯は、昨日と少しメニューが違います。色が白いのは富山のお蕎麦でしょうか。 美味しかったです。 月と水晶 水晶夕景 4日目前半」 高天原山荘~高天原峠~薬師沢 4時間 5時半に朝食を済ませて、予定通り6時に出発 湿原は白い朝の顔 高天原峠まで2時間登りつめると、その先は下る↓登る↑下る↓を繰り返しで、 はしごを降りたら、沢に出ました。 B沢の看板 高天原は熊さんマークがかわいい! 谷間谷間から水が沸き小さな沢が、いくつも出来ています。 沢からの水が合流して、これが黒部の源流になります。 神聖な美しさに足が停まります。素通りするのはあまりにもおしいこの水の輝き 大きな岩を登り・・ はしごを登り この下のロープをたどり下ります。 岩沿いを鎖につかまりながら歩き A沢出会い 川原の大きな石が続く道を歩きます。 雲ノ平からの合流地点 赤いつり橋を渡れば薬師沢小屋です。 4日目後半 薬師沢~太郎平小屋 2時間 薬師沢小屋で、15分ほど休憩していっきに太郎小屋を目指します。 木道が続く樹林帯を登り続けてます。穏やかな風景に包まれながら、2時間で太郎平小屋に到着 太郎平小屋は、折立からの最初の小屋で、薬師岳・黒部五郎岳・雲ノ平・高天原などに行く中継地点のためにたくさん人が訪れる大きな小屋です。 日本海は、見れませんでしたが、西の空の日が沈んで行きました。 5日目 太郎平小屋~折立 3時間 そして松本へ約5時間 5時半に朝ご飯を食べて予定通り6時に出発 朝日があたる太郎平小屋 一路折立への下り 連休前の金曜日登ってくる人の列が続く 左手に、ひときわ目立つ「剣岳」を眺めながら、「次が剣だ!」と心に誓う。 9時少し前に折立に到着 この時期は、金・土・日だけ運行の1日1便のバスに乗車して富山駅へ 富山駅前では、トラムが走っていました。 北陸本線を走る車窓から、海が見えました。何年ぶりの海だろう~ 糸魚川で大糸線のワンマンカーに乗り換えて、富山から松本まで約5時間の電車の旅で、長野から富山までの、長い旅を終えました。 登山者の感想 運をすべて使い果たすような、晴天過ぎるほどのお天気に恵まれた5日間でした。 秋の山歩きは、日差しは強いながらも時折ひんやりとした風に吹かれて、ベストシーズンです。 のんびりとした、山旅を1年に1度だけ休みをもらい、一人で出かけています。 今回選んだコースは、 (1) 裏銀座からのアルプスの眺望ポイント (2) 高天原温泉秘境極楽ポイント (3) 黒部源流を楽しむポイント 3つの楽しみを味わえる盛りだくさんな贅沢コースでした。 あらためて、北アルプスの素晴らしさを体感出来て、 山にいられる幸せを感じました。 長い、長いブログを読んで頂いてありがとうございました。 小屋情報は、 野口五郎小屋などの情報は、北アルプス山小屋友好会(別画面表示)のHPを ご覧下さい。 野口五郎小屋の電話番号は、 野口五郎小屋直通衛星電話 090-3149-1197 開設期間外 0261-22-5758 高天原山荘・太郎平小屋は、こちら(別画面表示)の太郎グループのHPを ご覧下さい。 旅の最後の日も夕日を拝ませてもらいました。 いつもいつも、登らせてくれる山へありがとう! 支えてくれるみんなにも感謝です。 【2008年9月8~12日登山者・記事 ビスタレけいこ】 ]]> Tweet