冬期、白馬岳。
「白馬岳(しろうまだけ)」は、後立山連峰と言われる白馬の山々の中の白馬三山の右側に位置する、白馬を代表する山です。白馬に行くとこの白馬三山がキレイに見えてくるので、一番映えて見えます。標高は2932m。
今回は、3月のギリギリ冬期にスキーを使って白馬大雪渓を登り、白馬岳へ登頂、帰りは白馬岳直下の2号雪渓をスキーで滑って帰ってくるというルートにワンデイで行って来ました・・・。冬期の山々の美しい景色と一緒に楽しんで頂ければと思います。
「アクセス」
白馬岳の登山口である「猿倉」へのアクセスは、白馬三山の記事をご覧下さい。→「白馬三山」。
今回僕達が行った時はまだ3月で、猿倉林道はまだ除雪されておらずに通行止めだったので、その手前の二股から歩いてスターとしていきました。
<二股→猿倉、猿倉林道歩き。(1時間半)>
猿倉で林道は終了となり、これから先は登山道となります。 猿倉から登山道を上っていくときに、オレンジ色のご来光があがってきました。
<猿倉→白馬尻。(約1時間。)>
猿倉からは、さらに雪が多くなってきたので、スキーにシールで歩きやすくなってきました。バックのご来光が世界をピンク色に染めていく瞬間は、刻々と色合いが変化していく時間で、とても美しかったです。猿倉→白馬尻の間の登山道も、林道のように広いので雪が積もっていても分かりやすく、そのまま登山道沿いに歩いて進んで行きます。
そして白馬尻に到着です。ここまで来ると、目の前に白馬岳が雄大に見えて来ました! 今年は雪が非常に少なかったので、この辺りでも雪に埋もれていても地形がそのまま出ていました・・・。
<白馬尻→白馬大雪渓→白馬岳山頂。(4~5時間。)>
いよいよ白馬大雪渓に到着です。白馬大雪渓は、画像のように両サイドからの雪崩が起きるので、なるべく中央付近の登りやすい所を登っていきます・・・。 でも今年は雪が少ないせいか、白馬大雪渓がとてもフラットで雪崩のデブリも少なくて、とてもキレイだと思いました。
白馬大雪渓を登っていくと、だんだんと斜面が急になっていきます。そしてスキーにシールでは登れない程の急斜面になってきた所では、スキー板を担いでアイゼンに切り替えて登っていきました。この辺りは登るごとに景色がドンドン広がってくるので、振り向くたびに感動できますね。
<白馬山頂、山頂からの景色。>
白馬岳山頂から南西方面を眺めると、立山~黒部源流方面の山々が見えました。山頂の円盤標識の上が毛勝三山、そこから左に剱岳、立山、裏銀座や黒部源流の山々が見えました。
剱岳(2999m)のアップです。剱岳だけはとても尖っていてカッコイイので、どこから見てもスグに分かります。この日は遠望はちょっと霞んでいました・・・。黄砂の影響でしょうか?
<白馬岳山頂→2号雪渓スキー滑走→白馬尻。(約1時間。)>
この日僕達は、白馬岳山頂直下から流れ落ちる2号雪渓をスキーで滑って帰っていきました。左上にある雪庇のスグ上が白馬岳山頂です。ここから滑り込んでいきました。 エントリーは約50°。最初の数ターンが核心です。
そして、その後は杓子岳をバックに、広大な白馬2号雪渓を気持ちよくスキーで滑って帰っていきました。2号雪渓の最後は白馬大雪渓の真ん中ぐらいに繋がります。その後も白馬大雪渓の下部を白馬尻へ滑っていき、白馬尻~猿倉までスキーで滑って帰っていきました。
通常の歩きの雪山登山だと、来た道をそのまま下って帰ることになります。その時は白馬大雪渓での滑落や雪崩、落石などに十分ご注意下さい。夏道の登山道のコースタイムでは、白馬岳山頂から白馬尻までの下りは、3時間ほどとなっています。
<猿倉→二股。(約45分。)>
<感想>
白馬岳は、その名前のとおり白馬エリアを代表する山であり、百名山です。この時期は猿倉林道が冬期閉鎖となっているために、二股からスタートだとワンデイで行くにはかなり遠い山でした。僕達も全工程で約8時間程かかりました。でも天気の良い日には、立山連峰も全て見渡すことが出来て、最高の景色が堪能できます。そして厳冬期の山スキーでは、コンディションが良ければ素晴しいスキー滑走が楽しめます。コンディションを見極めて行く事が出来れば、素晴しい山行となると思いました。
【注意!】今回の「冬期、白馬岳」は、白馬大雪渓の雪の上を長い間歩くので、冬期はピッケルとアイゼンを使いこなす技術が必要ですし、3月とは言っても白馬岳は3000mに近い山なので時折マイナス気温にもなる厳しい山なので体力も必要です。そして、白馬大雪渓では雪崩や落石事故も非常に多くなってきています。もし、どうしてもこのルートに行きたいと思われる方は、必ず!冬山登山が出来る専門の山岳ガイドさんと一緒に行って下さい。よろしくお願いします。
【2023年3月29日、登山者・記事 ハタゴニアン】