仙丈ヶ岳。

所要時間:7時間  レベル:
山行日: 2022.06.24
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標高:3033m
仙丈ヶ岳。

「仙丈ヶ岳」は、長野県伊那市と山梨県南アルプス市に広がる南アルプスの北部にある山です。標高は3033m。なだらかなカールを3つも湛えていて、「南アルプスの女王」と称されている山です。

<アクセス>

松本市から登山口である北沢峠へ上がる南アルプス林道バスの発着所である戸台(仙流荘)へのアクセスは、こちらから「甲斐駒ケ岳」のページをご覧下さい。→「仙流荘~北沢峠、南アルプス林道バス

僕たちが行った6月の時期のバスの運行は、登り下り共に5便ずつしかなく、始発は8:05でした。下り(帰り)のバスの時刻は15:00と16:00がありますが、始発で行って最終便の16:00で帰る予定でも、登山時間が7時間しかなく、北沢峠~仙丈ヶ岳の登山ルートのコースタイムは7時間で、ギリギリなのです。なので時間に注意しながら少し早足で登っていきました。

 

 

<北沢峠~小仙丈ヶ岳、(2時間半ほど)>

北沢峠に9時頃にバスが到着しました。 山頂付近にある仙丈小屋まではトイレは無いので、ここでトイレを済ませて行きましょう。北沢峠には「こもれび山荘」もあり、宿泊や軽食もできます。

僕たちが行った日は、北沢峠は雲の中で真っ白でした。ちょっと天気が不安だったのですが、とりあえずスタートしていきました。

 

 

スタートしてすぐは、九十九折の急な登りです。最初から急なので息があがりますが、先は長いので最初はゆっくりと上がっていきます。

 

 

九十九折の急な登り坂が落ち着いてくると、緩やかなトウヒとコメツガの森の中を進んでいくようになります。この辺りはとても快適で気持ちの良い散歩という感じで、爽快な森林浴が楽しめました。 僕達が行った日はほとんど他の人がいなかったので、穏やかで静かな霧の森に斜めから日が差し込む美しい光景に癒されました。

 

 

北沢峠→仙丈ヶ岳の登山道はに、一合目から~二合目~三合目と目印が付けてありました。 十合目が「仙丈ヶ岳」の山頂になります。 この三合目の看板は、急な登りの途中にありました。

 

 

そして、森林限界のポイントである六合目まで来ると、雲の上に出たのか、一気に晴れてわたってきました! 見えている丸い峰は、コースの途中にある「小仙丈ヶ岳」です。白い中から抜け出して一気に青空になるシチュエーションは、いつも感動しますね!

 

 

晴れたので、遠くの山の景色も見えてきました!
 
コチラは、「北岳」です!! 日本第2位の標高の高い山で、3192m。向こう側にはカールやバットレスもあります。この日の登山バスに乗ったお客さんのほとんどは、この「北岳」へと向かっていきましたので、僕達が登った「仙丈ヶ岳」の登山道は、あまり他の登山者が居なくてとても静かでした・・・。

 

 

コチラは「鳳凰三山」です! 一番左に尖っているのがオベリスクで、その次が「地蔵岳」。真ん中がたぶん「観音岳」。右側が「薬師岳」ですね。 この鳳凰三山は、山梨県側から登山道があります。

 

 

<小仙丈ヶ岳~仙丈ヶ岳山頂、(1時間ほど)>

「小仙丈ヶ岳」に到着しました! 僕達は、北沢峠からは2時間半ほどで到着しました。ここからは本峰「仙丈ヶ岳」と、その大きなカールが見えました! この大きくて緩やかなカール状の斜面が、南アルプスの女王たる所以ですね。とても魅力的な大カールでした。

 

 

「小仙丈ヶ岳」の山頂の周りでは、ライチョウさんがたくさんいました!
 
オスのライチョウさん達が「ゲコ~~ゲコゲコぉ~~」と鳴きながら、縄張り争いをしていました。南アルプスの中でも、この仙丈ヶ岳は特にライチョウが多く生息しているらしく、縄張り争いをするこの時期はオスのライチョウがよく見られるようです。近寄っても逃げないのですが、あまり近寄るとストレスだと思うので、僕たちはなるべく望遠で撮影させて頂きました。
 

 

小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳本峰までは、砂利の稜線を登っていきます。山頂付近は雲が掛かっていて、真っ白になったり景色が見えたり、目まぐるしく雲が湧いてきていました・・・。

 

 

そして、スタートしてから約3時間20分ほどで、3033mの仙丈ヶ岳山頂に到着しました。

このルートは、「仙丈ヶ岳」へ登るメインのルートで比較的簡単なルートだと思いますが、それでも標高差は1000m登ります。登山地図のコースタイムが4時間20分を、全部で3時間20分ほどで登れました。しかし、仙丈ヶ岳の山頂では真っ白な雲の中となり、残念ながらこの日は山頂からの景色は見えませんでした。

 

 

<下山。山頂~仙丈小屋経由~同じルートを帰りました。(2時間45分ほど)>

帰りは、山頂直下にある「仙丈小屋」さんに立ち寄って、トイレと休憩をさせて頂きました。 仙丈小屋は、とても小さいのですがとってもキレイなランプの明かりのオシャレな小屋でした。時間があればコーヒーを頂いてゆっくりしていきたかったのですが、バスの時間がギリギリなので、急いで帰りました。コチラもちょっと残念でした・・・。

 

小仙丈ヶ岳手前の分岐からは、また登って来た道をピストンで帰って行きます。 ここまで少し下りてくると、また雲がとれて景色が広がってきました。
 
山頂と仙丈小屋でコーヒーを飲んですこしだけゆっくりしていたので、帰りのコースタイムは3時間、最終便のバスの時間までも3時間、ギリギリなので頑張って下りました。
 

 

そしたら!・・・、登りの時は真っ白でどこにあるのかも分からない姿はおろか景色さえも見えなかった「甲斐駒ケ岳」が、全部山頂まで見えてきたのでした! 「甲斐駒ケ岳」は、僕達が今回登った仙丈ヶ岳とは逆で男性的と言われており、このルートから見ると岩峰が大迫力で素晴しくカッコイイ山容でした!

 

 

小仙丈ヶ岳から下の下りの道では甲斐駒ケ岳の勇姿をず~っと見えていたので、感動しながら&癒されながら下りました。
 
僕達が登ったこの日は最初は雨予報だったのですが、来て見れば北岳も鳳凰三山も、仙丈カールも全部見えて、そして帰りには甲斐駒ヶ岳も見えて、結果的には大満足。本当に良かったです。

 

 

そして最後の樹林帯に入ってからの九十九折の急斜面は、安全第一にゆっくりと下っていきました。この最後の疲れている時が一番怪我しやすいのです・・・。バスの最終便時刻は迫っていますが、安全第一で下りました。

 

 

そして僕たちは、最終便のバスの時刻の20分前に北沢峠に帰り着くことが出来ました。これで無事帰れます。
 
このコースを日帰りで登山すると、最終便のバスの時刻をずっと気にしながらの登山になるので、ちょっとゆっくり出来なかったのが唯一残念でした・・・。また次回は、南アルプスの稜線をゆっくり歩きに来たいと思いました。

 

 

北沢峠のトコロにある「こもれび山荘」の前には、クリンソウの大群生がありました! ちょうど今が満開の時期だったのか、辺り一面がピンク色になっていて、とってもキレイでした!

 

<感想>

仙丈ヶ岳は、「南アルプスの女王」と言われているように、稜線がなだらかな美しいカールの曲線を持つ美しい山でした。雲が多くて富士山だけは見えませんでしたが、北岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳なども全部見えて、ライチョウさんにも出会えて、大満足でした。日帰りは帰りのバスの時刻を気にしながら歩かなければなりませんが、ここから縦走などの稜線歩きは最高だと思いました。

 

【2022年6月24日。登山者、記者:ハタゴニアン】