前穂高岳 北尾根

レベル:
山行日: 2014.09.12
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前穂高岳 北尾根

今回ご紹介するのは、前穂高岳北尾根のヴァリエーションルートである「北尾根」ルートの登攀です。穂高連峰の岩場ヴァリエーションルートとしては、かなり有名なルートです。

この前穂高岳は、上高地の河童橋から真正面に見える「岳沢」から伸びている「重太郎新道」という登山道を登って行けば、普通に登頂する事ができます。しかし、僕たちが今回目指したのは登山マップにも載っていない岩場のヴァリエーションルートである画像の北尾根です。 この画像は涸沢側の北穂高岳の登山道から見た前穂高岳ですが、左の5峰から~前穂高岳山頂(1峰)までの岩峰の稜線をクライミングをからめて辿って行くこの岩場ルートに行ってきました。

(この「前穂高北尾根」ルートは、一般の登山道では無く、岩場登攀のクライミングルートなので、クライミングギアが取り扱えるエキスパートの方のみが出来るルートです。行かれた事の無い方は、必ず!岩場登攀やクライミング専門の山岳ガイドさんと一緒に行って下さい。よろしくお願いします。)

 

松本からのアクセス方法

松本市内からのアクセスはコチラをご覧ください→「涸沢

1日目は、上高地から穂高連峰登山の拠点である涸沢まで登って行きます。(約6時間)

 

2日目、涸沢ヒュッテ→5.6のコル(1時間半)

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まだ真っ暗闇な早朝3:00に起きて、3:30に涸沢ヒュッテさんを出発。 一路、前穂北尾根ルートの出発点である「5.6峰のコル」を目指して月明かりで蒼い涸沢を登って行きました。コースタイムでは5.6のコルまでは約1時間~1時間半ぐらいなので、予定通り行けば尾根に上がった時にちょうどご来光が見れるのではないか?と思いながら、ザレた急斜面を滑らないように一歩ずつ確実に登っていきました。

 

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前日の1日目は白い靄に包まれていたのですが、朝3:00に起きたら大きな蒼い月が出ている快晴!!、涸沢全体がとっても蒼い、まるで海の底にいるような幻想的な世界になっていました!! もうこの時点で「今日は素晴しい日になる!」という予感がしていました。

 

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そして、1時間半かかって5:00ジャストに北尾根の5.6峰のコルに到着。その瞬間のジャストなタイミングでご来光が上がりました!これを狙って朝3:30に涸沢ヒュッテを出発したのですが、バッチリ「ご来光」を見る事ができました!! 一瞬の大自然の色合い。感動の瞬間です。

 

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バックを見ると、さっきまで真っ青な月明かりの世界に包まれていた穂高連峰は、朝日が当りモルゲンロートで真っ赤に染まっていました!! 素晴し過ぎる山岳景色でした!

 

5.6のコル→前穂高岳山頂(5時間半)

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ご来光に見惚れてゆっくりはしていられません!・・・。今回の僕達のターゲットはこの先の北尾根5~1峰ルートです。 なので、後ろに見えるテントがある「5.6のコル」を後にして、まず最初は5峰を目指して登って行きます。 この5峰は、踏み跡がちゃんと付いていて通常の登山ルートのように岩場が登って行けました。

 

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5峰を越えて、コチラは4峰の登りです! 4峰はルートがちゃんとは踏み跡が無くてルートファインディングが少し難しかったです。でも、ここも岩場登りですがロープ無しで登って行く事が出来ました。

 

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登攀中にチラっと横を見れば、そこには穂高連峰~槍ヶ岳、そして立山や剱岳までもが、紺碧の青空の中にバッチリ見えて、素晴しかったです!!

 

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そして、やっと4峰の頂に到着して、この前穂北尾根ヴァリエーションルートの核心である3峰が見えました! この3峰の登りがロープを使うクライミング的なルートになっています。この岩稜を右下から登って行くのです。

 

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なので、3、4峰のコルに着いたら、ハーネスを装着してロープを付け、クライミングギアを用意して、いざっ、クライミング・オンです!

 

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まず最初は、僕がリードで登って行きます。僕にとって初めてのヴァリエーションルートだったので、ギアはフル装備で行きました。

 

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その後、ビレイ(確保)して頂いた人にフォローで登って頂きます。頭の上に見えるのは、さっきまで居た3、4のコルです。この高度感が岩場登りのスリルであり醍醐味ですね。

 

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そして、このルートの核心である3峰のチムニーです。一手ずつ慎重に頑張って登って行きました。 この3峰はロープを使うクライミングルートのために、1パーティーずつだけしか登ることが出来ません。この日は他のパーティーも2組来ていたので、先に行って貰ったり待って貰ったりしてました・・・。

 

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そしてついに、核心であるクライミングルートの3峰も制覇です!! 3峰の頂からは、北アルプス全てを見渡す事ができました! この日は快晴の天気に恵まれましたので紺碧の青空が広がって素晴し過ぎる景色でした!! 左から、奥穂高岳~涸沢岳~北穂高岳、槍ヶ岳です。 クライミングで完登の後にこの景色を見たので、喜びもひとしおでした。

 

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1.2峰の間には、約10mの懸垂下降をしなければならない部分があります。なので、ロープを繋いだまま2峰をサクッと登って、1.2峰のコルへと懸垂下降をしていきました。ここまで来れば、もう前穂高岳の山頂はスグそこに見えます。 でも最後の最後まで気を抜かないようにして登って行きました。

 

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そして、1峰への最後の岩登りをクリアして、ついに北尾根を登頂しました! ちょうど雲海が広がっていて、前穂高岳の山頂では、文字通り「雲上の人」になれました。 360°どこを見渡しても、本当に素晴しい山岳景色でした!!

 

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奥穂高岳をバックに、前穂高岳山頂の看板で記念撮影。今回もヤリました!  完登は、いつ経験して見ても、とても嬉しいモノですね。今回は最高の天気とコンディションで!、最高過ぎる景色も見れて!、本当に最高の「前穂北尾根」になりました!

 

前穂高岳山頂~岳沢小屋~上高地(4時間半)

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登頂後はクライミングギアを全て回収して、通常の登山道である「重太郎新道」で岳沢~上高地へと帰って行ったのでした。上高地に着いたのは午後4時でした。

今回も素晴しい快晴の天気に恵まれて、素晴しい登山となりました。北アルプスの穂高連峰には、山の地図には赤線で載っていないヴァリエーションルートがたくさんあります。技術と体力を磨き経験を積んで、またいろんな山に登って楽しんで行きたいと思いました。

*【注意】前にも書きましたが、今回の「前穂高北尾根」は、岩場登攀のクライミングルートなので、クライミングギアが取り扱えるエキスパートの方のみが出来るルートです。ナイフリッジの岩場の尾根やアルパインクライミングもあり、行動時間も12時間近くと非常に厳しいです。もし、どうしてもこの「前穂高北尾根」ヴァリエーションルートに行きたいと思われる方は、必ず!岩場登攀やクライミング専門の山岳ガイドさんと一緒に行って下さい。よろしくお願いします。

【2014年9月11~12日取材。 取材・登山者:ハタゴニアン】