牛伏川フランス式階段工うしぶせがわふらんすしきかいだんこう

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牛伏川フランス式階段工

2012年に重要文化財に指定された牛伏川(うしぶせがわ)フランス式階段工は、大正時代に完成した治山治水の施設です。
水路の長さは約141m、落差は50mあり、階段状になっています。川底に敷き詰められた石や護岸の石積みの並びが見事で、川と森林の景観が美しく、夏には涼を求めて来る人が多い、癒しのスポットです。

~~~案内板より~~~

牛伏川砂防の歴史と現在

牛伏川は鉢伏山横峯を水源とし、松本市街で田川と合流し、信濃川を経て日本海にそそぐ流路延長約9kmの一級河川である。

古くは江戸時代より、新潟県下の信濃川で多くの災害が相次ぎ、明治時代には信濃川改修問題が起こった。この問題の主たる要因となる土砂の供給源が長野県の水源地帯、中でも牛伏川にあるとされた。

そこで、明治18年(1885)より内務省土木部(現国土交通省)直轄の砂防工事が5カ年に渡り実施され、その後明治31年(1898)からは長野県が国庫補助を受け、大正7年(1918)に一連の工事が終了した。

内務省の工事は、現在も知られているもので、合計5基の堰堤が作られた。これらは、空石積と呼ばれる技法を用いた石積堰堤で、現在でも充分にその役割を果たしている。

長野県に工事が受け継がれてから、横断堰堤考司、河床及び河岸安定工事、山地崩壊防止工事として、石堰堤、水路張石、積苗工など17種にも及ぶ工種を採用し、施工された。大正5年(1916)には、フランスのサニエル渓谷の階段工を基に、いわゆる「フランス式階段工」が施工されており、現在でもその芸術的とも思える構造と水の流れの美しさを見ることができる。

また、昭和11年(1936)から28年(1953)にかけて、牛伏川本川下流域に於いては、戦時中も中断されることなく砂防堰堤や護岸工事が整備された。
現在は、防災の管理および生態系の保全を図るため、上流域約32haを平成8年(1996)より“林相転換事業”として整備している。

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~~~案内板より~~~

階段工の造形技術

技1、階段工は下流から上流に向かって勾配が急になるように設計されている。
技2、水路の平面形状が直線ではなく、やや湾曲している。(下流から見て右へ)
技3、大きな落差の間の水叩きに2ないし3つの小段差を設けている。
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空石積み(からいしづみ)は、コンクリ―トを使わない日本の伝統的な石積技術です。

技術の素晴らしさは階段工だけではありません

張石水路は、コンクリートを使わずに、空石積で作られています。
石積の上を水が流れるというよりも、暗渠としての役割があり、斜面の崩壊防止をしています。

階段工の上部にも美しい堰堤があり、散策できるようになっています。
東屋もあるのでゆっくりと楽しめます。
東屋近くはキャンプもできるようになっています。

健脚の方は、標高1610mの鉢伏山スカイライン(車道出会い)まで往復4~5時間の山歩きが楽しめます。
スタート地点は標高975mの駐車場なので、標高差635mです。

駐車場にはトイレがあります。


牛伏川階段工(牛伏鉢伏友の会) ←リーフレットがきれいに見られます

住所
牛伏川フランス式階段工
駐車場
利用可
2018.9.10 ※経年変化により、記事の内容と現在の状況は異なる場合があります