信州大学松本キャンパス内の旧松本歩兵第五十連隊糧秣庫、通称赤レンガ倉庫は、1908(明治41)年頃に竣工した建造物であり、松本の近代を今に伝える貴重な歴史遺産として、国の登録有形文化財に登録されています。
現在、その一部は医学部の資料室として使用されていますが、全体としては、百年以上の歳月を経て老朽化が進み、本格的な補強・改修が待たれる状態にあります。
本シンポジウムを主催する私たちの願いは、この大切な文化財が松本キャンパスのシンボルとして、また文化都市・松本のシンボルの一つとして末永く保存維持され、さらには大学と地域の共通財産として広く活用されることです。そのためには、今、何が可能でしょうか。何から始めるべきでしょうか。信州大学創立70周年を迎えるこの機会に、赤レンガ倉庫を通して松本と信州大学の歴史を振り返り、また日本各地の同様な歴史遺産の現状にもふれながら、さらには私たちの未来――赤レンガ倉庫がいっそう魅力を放つキャンパスとまちの姿――について、ご参加のみなさまと存分に語り合えればと思います。また、本シンポジウムを起点として、赤レンガ倉庫のためのファンドレイジングを開始する予定です。学内外の多くのみなさまのご賛同を得て、創造的かつ実践的な事業を展開できればと願っております。
【プログラム】
総合モデレーター:武者忠彦(信州大学経法学部准教授)
セッションⅠ:これまでの赤レンガ
▼「大学史のなかの赤レンガ倉庫」:福島正樹(信州大学大学史資料センター特任教授)
▼「医学部と赤レンガ倉庫」:田中榮司(信州大学医学部長)
▼「市民運動史と赤レンガ倉庫」:久保 亨(信州大学人文学部特任教授)
セッションⅡ:赤レンガのこれから
▼「赤レンガの現在と可能性」:金井 直(信州大学人文学部教授)
▼「将来の活用プラン」:土本俊和(信州大学工学部教授)
▼将来の利活用に向けた全体討論:セッションⅠ・Ⅱの発表者
コメンテータ:赤羽郁夫(松本市教育長),笹本正治(長野県立歴史館館長),小内翔一(信濃毎日新聞社松本本社報道部記者),濱田州博(信州大学学長)
【主催】信州大学(人文学部、経法学部、医学部、工学部、大学史資料センター)
*情報は、公式サイトよりいただきました。