松本市時計博物館夏期特別展「航海と旅を支えた時計~甦る英国古時計コレクション~」
⑴航海を支えた時計
本展のメインコーナーのひとつです。大航海時代(15世紀~17世紀前半)の世界各国では、安全な船旅のため、経度を測定すること、引いては船上の厳しい環境下でも正確な時刻を刻む時計の発明が急務となりました。やがて、18世紀にイギリス人大工のジョン・ハリソンとフランス人時計師のピエール・ル・ロワが、船の揺れなどの影響を受けないマリンクロノメーターを発明したことを契機に、より高精度な時計が製造されるようになりました。時計の歴史を紐解く上でも外すことができないマリンクロノメーター(船舶時計)を公開します。
※展示資料から1点ご紹介!
<マリンクロノメーター/イギリス製/19世紀>
船が揺れても水平が保たれる構造になっており、マホガニー製の重厚な木箱に収まっています。船の運命を左右するだけに、機械も精密精巧に作られています。
⑵英国古時計
本展のもう一つのメインコーナーです。1657年に世界初の振り子時計が製作され、装飾時計の時代から高精度な時計を作る時代に転換しました。この頃を境に時計産業の主役に躍り出たのがイギリスで、約1世紀の間世界の時計産業を牽引しました。本コーナーでは、時計産業発展の一端を見ることができる英国古時計をご紹介します。
※展示資料から1点ご紹介!
<ロールスロイス形時計/イギリス製/19世紀>
イギリスの代表的な自動車メーカー・ロールスロイスの自動車をモチーフにした時計です。産業革命の息吹が感じられる時計のひとつでもあります。
⑶懐中時計の世界
ポケットウォッチと呼ばれて愛されている懐中時計を公開します。高精度な時計としての実用性のほかに、一種の装飾品として愛用されたため、文字盤やケースに施されたエナメル加工、デザイン性溢れる鍵や鎖、精密精緻なムーブメントなど、見所満載です。また、現在も鉄道業界で用いられている鉄道懐中時計は、シンプルながらも見やすいデザインとなっており、必見です。
※展示資料から1点ご紹介!
<懐中時計/イギリス製/19世紀>
文字盤が表裏ガラスになっており、機械部分が見えないのに針が動く神秘的な時計です。透明時計とも呼ばれています。現在は残念ながら稼働しません。
⑷旅を支えたトラベル時計
本コーナーは、戦後の日本で流行したトラベル時計を展示します。トラベル時計は、その名の通り、旅行先で使用することができる持ち運びに便利な小型の時計です。戦後の主流は革張りケースに時計が収まったゼンマイ式のトラベル時計でしたが、現在は電池で動くものがほとんどで、デザインも豊富です。
⑸令和4年度新収蔵資料
令和4年度に寄贈いただいた野澤コレクションの時計をご紹介します。長野県箕輪町で創業した龍水社の時計と、リズム時計、シチズン時計の時計を展示します。当館開館以来初公開の時計もありますので、ぜひご覧ください。
⑹「時計技師の技術と機械式時計の仕組み」
時計産業を支える時計技師の仕事と機械式時計を構成している各部品を紹介します。普段ではほとんど見られない時計の裏側の世界へとご案内します。
⑺「松本市時計博物館オリジナルぬりえコーナー」
お子さんの夏休みに合わせ、今回は5種類の絵柄を楽しむことができるぬりえコーナーを準備しました。たくさんの時計に囲まれながら、優雅なぬりえタイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
本展の開催チラシは以下から!
チラシ表 [2MB]
チラシ裏 [818KB]
*情報は公式サイトより頂きました。