ヴィターリー・カネフスキートリロジー
9月20日(土)
松本市エムウイング6階ホール
1990年、映画の表舞台に彗星の如く現れた54才の新人監督、ヴィターリー・カネフスキー。『大人は判ってくれない』と並び称される少年映画の金字塔『動くな、死ね、甦れ!』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人賞)に輝き驚愕のデビューを果たした彼は、その続編『ひとりで生きる』でカンヌ国際映画祭審査員賞受賞。そして3作目となる初のドキュメンタリー『ぼくら、20世紀の子供たち』は、ソ連解体後の混沌としたロシアで社会から弾き出されたストリート・チルドレンたちの生きる姿や心の内をありのままに映し出し、世界に衝撃を与た。この3部作は、自身もストリート・チルドレンで不良少年だった監督の経験をもとに撮られたものであり、フランソワ・トリュフォー作品におけるアントワーヌ・ドワネルのように、主人公ワレルカを演じるパーヴェル・ナザーロフと彼の守護天使ガリーヤ/ワーリャを演じるディナーラ・ドルカーロワを追った3部作でもある。映画と出会った悪童が起こした奇跡は、人生を揺るがす作品として人々の中で生き続けるーー。
動くな、死ね、甦れ!
9月20日(土)
①13:00 ②19:00
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監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ ディナーラ・ドルカーロワ
1989年/ソビエト/104分
舞台は第⼆次⼤戦直後、収容所地帯と化したソ連の炭鉱町。貧困、 暴⼒、脅し、殺⼈…⼤⼈でさえ⾃分を守ることで精⼀杯な世の中 を、危うげながらも逞しく⽣きる12才の少年ワレルカ。スケート 靴の盗難騒動や、学校のトイレにイースト菌を⼊れたり、機関⾞を 転覆させたりなど、彼の引き起こす無垢な、しかし、やってはなら ない悪さは、⺟親への反発と相まって次第にエスカレートしてい く。そんな彼の前に、守護天使のように現れては、危機を救ってく れる幼馴染の少⼥ガリーヤ。⼆⼈に芽⽣えた淡い想いは次第に呼 応していくが、やがて運命はとんでもない⽅向へ転じていくのだった…。
ひとりで⽣きる
9月20日(土) 15:00~
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監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ ディナーラ・ドルカーロワ
1991年/フランス・ロシア/100分
15 才になったワレルカは、少年期に別れを告げようとしていたが、⼤⼈たちの世界はますます悲劇的な様相を呈し、ワレルカにとって唯⼀、ガリーヤの妹ワーリャと⼀緒にいる時だけが⼼落ち着く時だった。そんな中、ある事件をきっかけに学校を退学になったワレルカは、ワーリャの思いをよそに、ひとりで町を出る。故郷や家族と離れ、ひとりで⽣きるワレルカ。⼀⽅、残されたワーリャは返事の来ないワレルカへの⼿紙を送り続け・・・。随所に幼さを⾒せながら、⼤⼈へと成⻑していく少年の微妙な⼼の⾵景を⾒事にスクリーン上で開花させた抒情溢れる傑作。
ぼくら20世紀の⼦供たち
9月20日(土) 17:00~
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監督:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ ディナーラ・ドルカーロワ
1993年/フランス/83分
国際的な評価を得たカネフスキーが次にカメラを向けたのは、社会体制が崩壊したロシアの都市に巣くうストリート・チルドレたち。彼は、取材の最後に「何か歌を歌ってくれないか」と⼦供たちに要望する。窃盗、強奪、売春、そして殺⼈…残忍性をエスカレートさせていく彼らの裏側に傷つきやすい感受性を⾒るカネフスキー。やがてカメラは、思わぬ場所でワレルカの⾯影を残したパーヴェル・ナザーロフの姿を捉える。そして、2本の映画で共演したのち、全く異なる⼈⽣を歩み成⻑していったパーヴェルとディナーラが再会を果たす。