![種の保存活動](https://visitmatsumoto.com/wp-content/themes/shinmatsu/images/cs_negi_blc6_pic.jpg)
種についてもこだわりがあります。大正8年には設立されていた「松本一本葱採種組合」(設立当時の名称は「松本葱採種組合」)で採られた種に統一しています。ねぎは、ミツバチなどにより花粉が運ばれ受粉します。昔は、松本平のねぎはほとんどが松本一本ねぎでした。しかし、今では多品種のねぎが栽培されるようになり、放っておくと松本一本ねぎの種が雑種になり、本来の性質が変わる恐れがありました。平成21年から松本市農業協同組合と信州大学農学部、松本市農政課、松本市内の種苗会社が共同して原種に戻すための改良事業が行われています。
種を蒔いて苗を育て、生育状況を見て松本一本ねぎの特色が濃いものを畑から抜いて別の畑に植えなおします。翌年の5月に受粉をさせ、6月中旬から末に種を採ります。その種をまた9月の終わりから10月はじめに蒔いて同じ行程を繰り返して原種に近付けます。ご近所で他品種のねぎを作っている場合、花の咲く前の「ねぎぼうず」の段階で切らせてもらうほど神経を使う作業なのです。
モノクロの写真は昭和20年代に撮影されたものだと思います。(写真提供:松本一本葱採種組合長の青木秀夫さん)