工芸の五月

江戸時代、松本は各地から集められた匠たちがたくさん居住する城下町として栄えました。
戦後には、柳宗悦の唱えた「民藝運動」に共感した人たちによって、木工、染織をはじめ、活発な工芸品制作がこの地でおこなわれ、こうした工芸と地域との長い関わりが礎となって「クラフトフェアまつもと」が生まれました。

「工芸の五月」は、2007年にスタートしました。工芸というと堅苦しい印象もありますが、つまりは暮らしの道具や生活品のこと。
松本と工芸の深い関わりに着目し、そこに新たなエネルギーを加えようという企画です。

毎年五月を「工芸月間」とし、松本市の美術館、博物館、ギャラリーなど約70の会場において、展示がご覧いただけます。また、ストリートやギャラリー以外のお店、松本市外でも「工芸の五月に関連した企画展・イベント・WSが多数開催されます。

はぐくむ工芸「子ども椅子展」

松本市を中心に活動する木工作家約25組が作った「子ども椅子」を60脚ほど展示、広々とした芝生の上に椅子たちが並びます。展示中は自由に座り、動かしてご覧いただけます。子どもが主役の楽しい展覧会。ゴールデンウィークの予定に入れてみてはいかがですか?

ほろ酔い工芸

「食」を通して工芸に触れてもらう企画「ほろ酔い工芸」。地元作家が作った酒器で、長野県産のお酒とローカルフードを味わうこの企画は毎年県内外からの多くの来場者を迎えます。これまでに日本酒、ワイン、クラフトビール、蒸留酒などを取り上げてきました。会場となる三代澤酒店は松本城から10分ほど歩いた場所。
五月の夕暮れ時、2日間だけオープンする立ち飲み酒屋にぜひお立ち寄りください。

池上喫水社

かつて米蔵として利用されていた池上邸の蔵で、ガラスと珈琲が土地の風土と人のこころを結び付ける。五感で楽しむ、松本の湧水を用いた水出しコーヒーのインスタレーションです。「コーヒーのある風景」をテーマに活動するユニットLPACK.が作り出す、穏やかで静かに光るような数日間。ぜひ味わいにいらしてください。
http://www.lpack.jp/

池上邸 企画展

昔からの表情を留める水路に隣接した蔵と庭。ここ池上邸を舞台に、工芸作品の展示、乾漆、着物の着付け、生け花などさまざまな展示やパフォーマンスが繰り広げられました。その年々で変化する空間をどうぞお見逃しなく。

クラフトフェアまつもと

新緑の五月、薫風吹き抜けるあがたの森で、ものを通して人と人が出会う。
1985年、松本市で制作をしていた数人のクラフトマンが集まり「クラフトフェアまつもと」は始まりました。そこから毎年欠かさずに開催しています。今年も約250組の作家による展示をご覧いただけます。

みずみずしい日常

豊かなくらしは日々みずみずしくあること。水と工芸とともに街を楽しむお散歩やスポット、グッズを提案する「旅行社みずのさんぽ」と、印刷表現でものづくりを楽しむスペース「井戸端プリント」が五月の期間中楽しめます。人気ツアー「建築家とめぐる城下町 みずのタイムトラベル」もお見逃しなく。自らの足で歩き、手で生み出したものは五月の素敵な思い出に。
https://mizusanpo.exblog.jp/

オフィシャルガイドブックをご用意しています

毎年4月にはオフィシャルガイドブックを発行。すべての企画の詳細情報に合わせて、そのときの松本の空気が楽しめる読み物を掲載しています。
松本ゆかりの方が綴る随筆松本、建築家が案内する城下町・・・読んだ後には松本の街がより鮮やかに見えてくるのでは。五月が終わっても重宝する、松本ファンに贈る1冊です。

主催 工芸の五月実行委員会
企画 工芸の五月企画室 松本市県1-2-14-205クラフトステーション内
電話:0263-34-6557
HP:http://matsumoto-crafts-month.com/ 4月公開予定