鹿島槍ヶ岳。

レベル:
山行日: 2021.09.14
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鹿島槍ヶ岳。

今回ご紹介するのは、後立山連峰である白馬の山々の中でも、一際荘厳に聳えている双耳峰(2つの山頂を持つ山)である「鹿島槍ヶ岳」です。百名山で、南峰が2889m。北峰が2842m。どこから登るにしても白馬のほかの山のようにリフトやロープウェイなどは無く、白馬連山の中でも、街から見えているのに遠い山なのです・・・。 今回はその鹿島槍ヶ岳に、大谷原登山口から~赤岩尾根~冷乗越を経て、稜線を歩いて登ってきました。

アクセス

公共交通機関では、大谷原登山口へのバスは無いので、JR信濃大町駅からタクシーで向かいます。

車でのアクセスは、松本市内から大町市へ向かい、一路大町温泉郷を目指す。途中から爺ヶ岳スキー場や鹿島槍スキー場へ向かう道を右へ曲がり、爺ヶ岳スキー場を通過して最奥にある大谷原登山口まで走ります。

 

大谷原~西股出合(林道歩き、1時間程)

大谷原登山口の駐車場です。ここで登山届けを提出してから、画像の真ん中の白いガードレールの橋を渡って登山はスタートします。橋を渡ってスグに左に曲がり、その先に林道のゲートがあります。ゲートを脇からくぐって、林道をどんどん歩いて登っていきます・・・。

 

北股本谷まで、この軽トラが通れるぐらい広い林道を歩いて進んでいきます。

 

西股出合のところの大きな堰堤の下にあるこのトンネルを通って、向こう側へ歩いていきます。このトンネルを出たトコロから、本格的な登山道になっていきました。この先、冷池小屋まで水場は無いので、ここで水筒のお水を満タンにして行きましょう。

 

西股出合~冷乗越(急登、5時間)

西股出合からはかなり急な登山道となります。九十九折りの急登で、岩場や階段が連続するセクションもあり、一気に標高が上がっていきます。最初は樹林帯の中を登って行きますが、標高が上がってくると次第に景色が広がってきます!

 

高千穂平まで上がってくると、今回の目標である鹿島槍ヶ岳が目の前にドォーン!と見えてきます。僕達はここでやっと!鹿島槍ヶ岳の荘厳な景色を見ながら、大休止をして水分補給をしました。

 

高千穂平の後は、尾根が狭くなってきて、足元もガレた砂利の登山道になってきます。この辺りは足元が滑りやすく、滑落したら大怪我になるので、慎重に一歩一歩確実に登っていきました。

 

そして、鹿島槍ヶ岳をバックに、最後のトラバースをして冷乗越の稜線へと駆け上がっていったのでした! この辺りの景色は、左側に爺ヶ岳の北壁、右側に鹿島槍ヶ岳を見ながら登っていけるので、本当に最高にキレイでした。

 

そして、爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳の間の稜線、「冷乗越」に到着しました。ここまで来ると、鹿島槍ヶ岳が目の前に見えてきます! そしてもう急な登りは無いので、安堵感に包まれるのでした。

 

「冷乗越」の稜線に上がると、また目の前に「剱岳」がドォ~~ン!!と、とても大きく見えたのでした! 八ッ峰や三の窓雪渓や小窓雪渓もメチャメチャカッコ良く見えていました! 僕たちもいつかは行かなければならない 剱岳の北峰稜線なのでした・・・。

 

冷乗越~鹿島槍ヶ岳・山頂(2時間20分程。北峰はプラス25分)

その後スグに、稜線にある「冷池山荘」に到着しました。ココでやっと大休止をして、小屋の前で水分とカロリー補給をさせて頂きました。 冷池山荘さんは、僕たちが思っていたよりも大きな、そしてキレイな山小屋でした。

 

冷池山荘を後にして歩いて行くと、稜線は美しいハイマツの登山道になります。こんな美しい稜線を、剱岳や立山、白馬連峰や雲海の松本平などを見ながら進んでいけるのは、最高に気持ち良かったです!
 
前に見えているのは、鹿島槍ヶ岳の手前にある「布引岳」です。ココはサクッと登って通過して行きます。そしていよいよ「鹿島槍ヶ岳」へとラストスパートです!

 

ここまで来ると、双耳峰である鹿島槍ヶ岳の山頂が、もう手が届きそうになってきました。最後はゆっくりと景色を楽しみながら登っていったのでした~。

 

鹿島槍ヶ岳・南峰(2889m)に到着しました! 登山地図で登山口から山頂までのコースタイムは8時間10分です。(僕達はその半分の4時間ほどで登頂できたのでした・・・。)

 

時間があったので、僕たちは北峰へも行ってみました。北峰はスグそこに見えているのですが、南峰~吊り尾根~北峰の間は岩場も多くてガレているので、進むのがなかなか難しかったです。高所恐怖症な人はちょっと怖いかも知れません・・・。

 

そして、北峰山頂(2842m)にも到着です! 鹿島槍ヶ岳は南峰の方が標高は高くとても広い山頂です。北峰山頂はかなり狭かったです。南峰~吊り尾根~北峰の間は、約25分程です。

 

鹿島槍ヶ岳・北峰からの景色です。

鹿島槍ヶ岳・北峰から、北側の景色です。後立山連峰である白馬の峰々が見えます。一番奥が白馬岳、手前の山頂が五竜岳ですね。

 

北峰から見る南側の景色です。鹿島槍ヶ岳・南峰が大きく見えます。右奥に見えるのが剱岳ですね。立山連峰の山々もキレイに見えました。

 

そして、東側の雲海の一番奥に、富士山も見えました! この日は少し曇った日で、大町市や松本平には雲海が広がっていて東向きの景色はあまり見えなかったのですが、一番奥に富士山だけが雲海の上に浮かんで見えたのでした!

 

そして、南峰から西向きには、剱岳が大きく見えていました! 白い線のような三の窓雪渓や小窓雪渓が見えていて、とても格好良かったです。

 

鹿島槍ヶ岳山頂~大谷原、下り(帰り)。(6時間50分)

今回僕たちは、鹿島槍ヶ岳・北峰まで行って、そこから登ってきた同じ道をピストンで下って帰って行きました。山頂から下り~大谷原登山口までは、コースタイムで約6時間50分です。(僕達は2時間10分程でした)

 

感想

鹿島槍ヶ岳は、どこから登っても他の白馬の山々よりは遠い山頂です。今回の大谷原登山口からは一番近道なルートなのですが、標高差が1800m程もあり、かなり急な登りが続くので稜線に出るまではとてもしんどいルートです。しかし、冷乗越の稜線に出てからはパラダイスのような素晴しい大眺望を見ながら、キレイな稜線を最高に気持ち良く歩いて行く事ができます! ここの稜線歩きをするだけでも、ここまで登ってきた甲斐があるような気がします。そして山頂でも360°の大パノラマが開けます! 僕達は今回時間が無かったので1日で登りましたが、普通なら冷池山荘に1泊して往復で登るのが一般的だと思います。

【2021年9月14日。登山者、記者:ハタゴニアン】