袴岳《積雪期》

レベル:
山行日: 2011.03.06
51
標高:1135.3m
袴岳《積雪期》

袴岳(はかまだけ)は長野県上水内郡信濃町と新潟県妙高市にまたがる標高1135.3mの山。袴岳の山頂からは妙高山が正面に見えます。関田山脈の斑尾山から天水山まで続く信越トレイル上にありますが、袴岳周辺のブナ林は鍋倉山のような大木ではなく、ほっそりしています。

今回ご紹介するコースは、やまたみ倶楽部の山行で積雪期をスノーシューで楽しむコースです。マイクロバスを利用したため新潟県妙高市の遊森の郷(ゆうしんのさと)赤池登山口から登り、万坂峠に下山することができました。雪の状況によりコースタイムは違います。今回のコースタイムは歩きやすい雪質で実施した時間を記載しています。

アクセス

松本I.Cから長野自動車道に入り飯山豊田I.Cで下ります。できれば「道の駅ふるさと豊田」でトイレ休憩をしてください。登山口のトイレは冬期は使用できません。
斑尾高原方面に向かいます。遊森の郷を目指してください。松本からは2時間くらいかかります。道順を上手く説明できず申し訳ありません。

赤池登山口~袴池


登山口は赤池よりも上で標高約940m。雪の上には人が歩いた跡がありましたが、夏道のように登山道がはっきりしているわけではないので、登山口から袴池への方位を地図とコンパスを使って定めました。袴池へは357°。
8:45出発。樹林帯の中を歩いて行きます。スノーシューで歩いたのですが、3月のため雪が締まり始めていたのでそれほど沈まず歩きやすかったです。


袴池~第1ピーク


雪の下の袴池(標高約980m)に気づかず通り過ぎ、袴池の少し上の場所で休憩。9:18~9:28
ここで第1ピークへの方位を定めました。242°
途中眺めの良い場所があり、休憩をしながら講師さんに山の説明をしてもらいました。志賀高原方面が見えました。
第1ピークまではゆるやかな登り坂です。それでも時折きつい坂もありましたがジグザグに登らないように講師さんからアドバイスを受けました。ジグザグに登ると雪崩に巻き込まれやすくなるためです。大変でも直登するように意識して登りました。

第1ピーク~第2ピーク


第1ピーク着9:50。標高約1040m。
良い眺めです。写真の左の山は飯縄山、右は黒姫山。
第2ピークを目視して胸の前でコンパスで進行方向を定めます。
霧氷のついた木。
第1ピークから標高にして約30m下り、そこから約80m上がります。下りは楽しいのですが、登り坂は大変でした。なるべく直登を意識していたので傾斜が辛かったです。


第2ピーク~袴岳

第2ピーク10:25着。眺めは第1ピークと同じ感じでした。またまた袴岳への方位を定めます。袴岳へは324°。折角登ったのにまた30m高度を下げます。そして70m登ります。
人が歩いていない場所を登ってみました。疲れました。


袴岳山頂

10:50着。登山口から3時間くらい見込んで計画を立てていたのですが、雪が程よく締まっていて歩きやすかったので約2時間で山頂に着きました。雲はありましたが素晴らしい眺めです。みんな大感激です。袴岳登山は過去2度計画していたのですが天候やコンディションが悪く中止になっていました。薦めてくれた講師さんがなぜあきらめなかったのか理由がわかる眺めでした。


予定よりも早く着いたので長い休憩がとれました。風もなく冬にしては気温も高く寒くなかったので長く居ても平気でした。みんな昼食を食べ終え眺めを楽しんでいると「さあ、じゃあ、みんないいね。雪合戦やるよ~」と講師さんから声がかかりました。「なんで雪合戦?」と言いながらスノーシューを履いて準備。男女に分かれ、「ストックのラインから入らないこと。雪は硬く握らないこと。」などルールの説明がありスタート!みんな笑いながらも一生懸命です。おじさん達は転んだりして息が切れていました。女性9人、男性6人では大変です。結局10分間雪合戦をして疲れていました。私は記録係で写真を撮っていましたが笑い疲れました。予定外の雪合戦の後、12:10下山開始。

袴岳山頂~第2ピーク

下りはラクラク。なるべく人が歩いていない所のほうが歩きやすいし、楽しいので場所を選んで下ります。慎重さは重要なのですが、ホイホイと下ったほうが安定しているように感じました。たまらず「走りたい~」と言って走るように下りました。

第2ピーク~第1ピーク

第2ピーク12:27着。

第1ピーク~万坂峠

第1ピーク12:44着。ここまでは往路と同じ道をたどって来ましたが、ここからは万坂峠に下るためルートを外れます。
第1ピークからすぐ下の坂はとても気持ちよく下りました。聖山のスノーシューの時の方がフワフワ雪でしたが、十分楽しいフワフワ加減でした。「わ~楽しかった」と振り返ると私達のグループとは違う人達が下りて来ていました。ルートを間違えているのではないかと思い聞いてみると、やはり間違えていることがわかりました。そのグループは4班に分かれていたのですが、間違ってついて来てしまった班の人達はルートを把握していなかったようなのです。地図を見ること、グループを離れないことの重要さを思いがけず勉強することになりました。雪のある時期は道に迷いやすくなります。ルートに詳しい人がいることはとても重要です。夏道にも言えることでしょうが、「人が行くから」と素直についていかないことですね。道迷いは人が居ることで発生することもあると知りました。道を戻ればすぐに解決しますが。
気持ち良かった坂から下り始めて今までと雪質が違うことに気づきました。気温が上がっているせいか、雪がべったりしていました。一歩踏み出すと途中でブレーキがかかってしまうような非常に歩きにくい状態です。こういう雪質は速く歩くと転びやすいためゆっくり歩くように講師さんから指導していただきました。

いつの間にか針葉樹の森になっていました。   13:25みんな無事に万坂峠に到着。

記者の感想

「3度目の正直」でやっと登れた山です。袴岳登山の企画当番だったために実施するまで肩の荷が下りませんでした。(笑) やまたみ倶楽部の登山は天候が悪いと中止になります。同じ山を再度計画されることは少ないのですが、袴岳は他の山の予定を変えてでも実施したがっている様子で「変だな~」と思っていました。袴岳に関する情報は少ないのになぜそんなに行きたがるのかさっぱりわかりませんでした。行ってみてわかりました。本当に美しい見晴らしです。しかも袴岳の頂上は雪合戦ができるほど広く驚きました。
講師の方々は青空の時に是非見て欲しいと言っていました。それは、それは、素晴らしいそうです。
新緑の季節、紅葉の季節、雪の季節、どのシーズンも楽しめる良い山でしょう。
【登山者・記者:アルプスちえみ】