島々谷~徳本峠越え

レベル:
山行日: 2011.09.29
82
島々谷~徳本峠越え

2022年9月1日現在

※徳本峠は2020より通行止めになっています。最新の情報は以下をご確認ください。

  https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/83/3246.html

 

参考:通行止め関係のお知らせは以下のようになっています。

県入山注意情報

クリックして220712.pdfにアクセス

維持課

https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/83/3246.html

 

今回は、古の街道「島々谷~徳本峠越え~上高地」をご紹介したいと思います。
この登山道は、太古の昔の鎌倉時代からある古(いにしえ)の街道であり、歴史と伝説が残っている古道なのです。 特にこの安曇地域全体にある「秀綱伝説」が色濃く残っている場所でもあります。ここを通って徳本峠を越えれば、歩いて上高地まで行けるのです。

<マイカーの場合> 松本市から、R158号を上高地方面へ走って行き、「島々」という地域の「安曇支所前」の信号を右折して、この「徳本峠入口」の川沿いを進んで行きます。
<公共交通の場合> 松本駅から「「松本電鉄・上高地線」に乗って終点「新島々」まで行きます(30分)。→上高地行きのバスに乗り換えて、バス停「島々」で降りると、この看板の真ん前に着きます。

午前7時に「島々」を出発。歩き初めは上記画像のような車も通れるぐらい広い砂利道を歩いて行きます。途中、左手に大きな砂防ダムが出てきます・・・。平坦でとても歩きやすい道が続きます。


1時間ちょっとで、この石碑が出てきます。「戦国落人悲話」として「秀綱伝説」の話と、それにまつわる和歌が書かれています。


広い砂利道が終わり、「二俣」という分岐点を左に進んで行くと小さな電力施設があり、そこにはトイレもあります。女性はここが最終トイレとなりますので、ご利用をオススメします。そこからは細い登山道となり、少し進むとこの「三木秀綱夫人慰霊石碑」が建っています。落人となって高山から逃げて来たのだが、夫と分かれ離れとなってしまい、上高地からここまで逃げて来た奥方衆はここで山賊に殺されてしまったという悲話の石碑です。

沢筋に沿ってこの細い登山道を進んで行くと、たくさんの橋を渡る事になります。この画像のように最近造られた橋、鉄で出来た橋、昔の木造の朽ち果てそうな橋、いろ~いろありました。


午前10:15。「島々」から歩き始めて3時間ちょっとで、「岩魚留小屋」に到着しました。これより上流は急流になり滝が多くなるために岩魚でも登れないところからこのような地名になったらしいです。小屋は僕たちが行った時には誰もいなくて淋しい感じでした・・・。


その先をさらに歩いて進んで行くと、登山道は川の本流から外れて右側へジグザグに登って行くようになります。峠までの道の最後のこのセクションは急な登りとなるので、ここまで5時間程も歩いて来て疲れている体にはキツく堪えます・・・。


最後のジグザグの登りの手前には、この「力水」というポイントがあります。この先は川から外れて行くので、水が補給できるのはここが最後となりますので、ここで必ず水を補給して行きましょう。


午後1:05。歩き始めて6時間ちょうどで「徳本峠」に到着しました! 徳本峠には、このような「徳本峠小屋」が建っています。去年新しく建て直したので、とても綺麗な山小屋でした!僕たちはここでお昼ご飯にカレーライスを頂きました。


「徳本峠」からの穂高連峰の眺望は、まさに最高の景色でした! 穂高連峰の山々の頂きがスグ目の前に見えて、どこも凄く切り立っていてすこぶるアルペンチックです! 右側に尖っているのが「前穂高岳」。真ん中奥ちょっと左にあるなだらかに見える頂きが「奥穂高岳」です。


徳本峠でお昼ご飯を頂いて大休止をした後は、峠を越えて上高地方面へ下って行きます。ここから「明神」までの道も崩れたりガレたりしている所は無く、快適な登山道でした・・・。そして午後3時頃「明神」に到着です。ここまで来ると帰って来た感が出てきます。


そして午後4時に、ゴールである上高地に到着でした。 この日は最後まで快晴だったのでとても快適で、古(いにしえ)の伝説にも触れられて楽しい山歩きとなりました。

このルートは登山マップでは所要時間が9時間程になっています。標高差も1000m以上もありますので、このルートを歩かれる方は自分の体力とルートを照らし合わせて行動時間を考えて行って下さい。 この夏の大雨により、登山道の数か所や橋が崩れている所もありますが、山を歩きなれている方にとっては特に危険な個所はないと思います。いずれにしても崩れている所では十分気をつけて下さい。
【登山者・記者 ハタゴニアン】