冠着山

レベル:
山行日: 2008.04.27
68
標高:1252.2m
冠着山

冠着山(かむりきやま)は、千曲市と東筑摩郡筑北村にまたがり善光寺平の南端を区切る標高1252.2mの里山です。姨捨山(おばすてやま)とも呼ばれています。
登山コースは大きく分けると3コースあります。坂井村から登るコースと坊城平コース、冠着神社鳥居コースがあります。
今回は、冠着神社鳥居コースから登り、坊城平コース側に下りて再び冠着神社鳥居コースに戻ります。

アクセス方法

<マイカーの場合>中央自動車道麻績(おみ)インターで下りて、右に曲がり、国道403号線を聖湖(ひじりこ)まで登り、聖湖の南の道を東に進みます。聖湖からは道幅はあまり広くなく曲がりくねった道です。一本松峠の変形交差点からは林道を下ります。(反対側に下ると「かむりき駅」に出ます)車のすれ違いや落石に注意してください。鳥居が見えたらそこが登山口です。右側に駐車スペース(3~4台分くらい)があります。このルートは山道の運転に慣れていない人にはちょっと大変かもしれません。
高速道路を更埴インターで下りて南に進んで姨捨山登山口に行く方法もあります。
ETC搭載の軽自動車や普通自動車でしたら姨捨山サービスエリアから下りることもできます。利用時間が制限されていますのでご注意下さい。
(記述での道案内はわかりにくいので、詳しいことは千曲市経済部観光課にお問い合わせ下さい。)
<公共交通機関の場合>JR篠ノ井線の「かむりき駅」で下車、徒歩75分ほどで鳥居平の登山口に着きます。

やまたみ登山学校

今回の冠着山登山は、やまたみ登山学校の4月の実習登山で、目的は「早春の花に会う山旅」です。スプリングエフェラメル(早春、まだ雪が溶けて間もない頃、春の陽光をいっぱいに浴びて花を咲かせ、花が終わると地上から全く姿を消してしまう花々のこと)を楽しめる絶好の時期でした。
かなりのんびりと花を楽しんで歩いていたので、実際の時間を表示しています。頂上までの往復の標準的な時間は、登り2時間、下り1時間30分のようです。

冠着神社鳥居コース登山口(標高約680m) 9:15出発

登山口登山道
よく整備されていて歩きやすい登山道です。丸太で作られた階段が続きます。杉林なので日陰で日焼けの心配もあまりなく涼しいです。

久露滝 9:40

くろだき登山道ヒカゲツツジシュンラン
久露滝から15分ほど登るとヒカゲツツジの群生が見られます。足元にはシュンランまでありました。
(2009年4月29日はヒカゲツツジの花のピークは過ぎた様子であまり見られませんでした。)

林道 10:20

舗装の林道を渡った先じっくり見る人
舗装された林道を横断します。
エンレイソウ、アズマイチゲ、ユリワサビなどいろいろな花が咲いていました。女性たちは立ち止まっては「わ~かわい~。きれい~。」などと言いながら熱心に写真を撮っていましたが、男性たちは早く先を急ぎたい様子でした。いこいの森との分岐(直登の手前)の少し下の木陰にエンレイソウやアズマイチゲ、直登の後のトラバースにユリワサビやアズマイチゲの群生があります。
眺望案内頂上まで「あと5分」の場所は北アルプスを眺めるのに絶好の場所です。

頂上 12:00

頂上到着頂上からの眺めアズマイチゲ記念撮影
頂上には祠があり、神事が行なわれていました。
この日は霞んでいてよく見えませんでしたが、すっきりと晴れていれば善光寺平の向こうにも山々が見えていることでしょう。
登ってくるときには花を開いていなかったアズマイチゲが昼過ぎには花が開いていました。

下山開始13:30

頂上を横切り、坊城平いこいの森(キャンプ場)に向かって下ります。よく整備された登山道ですが、小さな石の乗って滑らないように注意してください。
みちしるべ矢印の方向へ
この道しるべが出てきたら「いこいの森へ」のやや下向きの矢印の方向に進みます。
道しるべ石垣
「ぼこだき岩を経ていこいの森へ」の方角に進みます。しばらく歩くと石垣があります。「ぼこだき岩」がどれかわからないまま下ってしまいました。結構大きな岩らしいのですが・・・。
いこいの森まではカラマツや雑木の落葉樹が多く明るい林です。紅葉の時期も美しいことでしょう。
みちしるべ矢印の方向へ
「いこいの森へ」やや下向きの矢印の方向へ進みます。この道しるべから少し下った所にカタクリの花が見られます。登山道のどまん中にまで咲いていました。そこからしばらく下るとカタクリやニリンソウが咲き乱れている所がありました。
カタクリニリンソウ
おとぎ話の花の国にでも迷い込んだかと思うような光景でした。ニラかノビルもあり、踏みつけられて独特の匂いを出していました。嗅覚は現実的でした。
(2009年4月29日はニリンソウは花が一つだけで茎も伸びていませんでした。)

いこいの森 14:20

いこいの森かわいい花
いこいの森ではトイレが使えます。
ここからは舗装された林道を歩きます。とりたてて面白くもない道だと思っていましたが、道路の脇には花が咲いていました。
大きな看板で左へ
大きな案内板があるところを左折します。

再び山道 14:55

舗装道路を右に折れて、登ってきた山道(久露滝の道)に戻ります。

冠着神社鳥居コース登山口 15:15到着


感想

登山実施直前に市販の登山地図は用意したものの、登山道が記されていないではないですか!標高が高い山や、多くの人が行く山は登山ルートが描かれていますが、里山は情報が少なく、事前の調査も不足していて、引率されるままに歩いてしまいました。記事を書くにあたって調べ直してみても登山道がはっきりとわかる地図や資料があまりないために、わずかな資料を見ても何か納得できず、もう一度登って確かめたいほどです。実施してから約1年後に記事を書いていますが、出来れば今年同じ時期の春に再度スプリングエフェラメルを楽しみたいと思っています。里山の良さを実感できる山です。
【登山者・記事 アルプスちえみ】

お問い合わせ先

千曲市役所 経済部観光課
千曲市役所ホームページ こちら
長野県千曲市上山田温泉4-15-1
TEL 026-275-1753
千曲市役所ホームページ登山情報 PDF1  PDF2
この記事を書くにあたり、千曲市役所の総務部の方にもご協力いただきました。
「戸倉上山田温泉で疲れを癒してからお帰り下さい」とのことです。

お薦めの温泉

かめのゆ公衆浴場「湯元かめ乃湯
千曲市上山田温泉1-27-11 地図
営業時間:10時~23時(入場は22時30分まで)
TEL:026-276-4664
料金:大人350円(市外の方) 中人(6歳以上12歳未満)150円(市外) 子供(6歳未満)70円(市外)
泉質:単純硫黄泉(低張性アルカリ性高温泉)
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病
硫黄の匂いはしますが、強すぎないので衣類へのにおいの染み込みもあまり気になりません。男女風呂それぞれに内風呂と露天風呂があります。脱衣室はとても広く、ドライヤーも備えられていました。衣類置き場は100円玉が戻ってくるコインロッカーです。石鹸・シャンプーなどは各自ご用意下さい。記者が行ったときには混んでいて洗面器が足りない状況でした。「ただ今混み合っておりますので洗い場は譲り合ってお使い下さい」とアナウンスされていました。そのためか場所取りをしている人は少なく、ご親切な方が多いように感じました。常連の方のマナーも良さそうです。
カタクリの花2009年4月29日に再び冠着山に個人で行きました。暖冬の影響を心配したのですが、3~4日前くらいから寒い日が続いたためか、昨年と同様のスプリングエフェラメルを楽しむことが出来ました。下山時には登山道の整備(橋の塗装や落ち葉さらい、階段の整備等)をされている方が大勢いました。連休前の整備だそうです。安全に登山が出来るのはこのような支えがあるからですね。ありがとうございます。
「マイカーの場合」と登山道の状況、お薦めの温泉など加筆訂正いたしました。
【2009年4月30日追記:アルプスちえみ】