乗鞍岳《厳冬期》

レベル:
山行日: 2010.03.12
49
標高:3,026 m
乗鞍岳《厳冬期》

冬期の乗鞍岳は、雪山登山としては比較的簡単に登れる3000m級の山として、そして「バックカントリースキー」のメッカの山としても有名です。 今回はこの冬期の乗鞍岳の登山を、ご紹介したいと思います。

マイカーの場合:

松本市から国道158号を上高地・高山方面へ向かって1時間程。「前川渡」というトンネルに挟まれた信号を左折して「乗鞍高原温泉スキー場」へ向かいます。

公共交通機関を利用した場合:
松本駅から、松本電鉄・上高地線に乗り30分。→ 新島々駅(しんしましまえき)に到着。 バスに乗り換えて「乗鞍高原スキー場」まで、55分。→ 乗鞍高原スキー場前に到着です。


乗鞍高原スキー場のゲレンデからリフトを3本乗り継いで、ゲレンデ最上部に到着です。ここから画像のような林間ツアーコースを登って行きます。冬期はほとんどの人が山を滑るのが目的のバックカントリースキーヤー&スノーボーダーの方たちですが、晴れた週末は登山の方も多いです。


林間ツアーコースのようすです。幅約20m程のツアーコースは、両隣に雪に覆われた針葉樹林があるので、風もあまりなく快適に登って行けます。


林間ツアーコースには①~⑥番まで番号がふられています。 ①番から頑張って登って行き、この⑥番を越えて急斜面を登って行くと、森林限界の雪原「位ヶ原」に出ます。


森林限界手前の急斜面を登って行きます。ここから先(上)は林間のツアーコースは終了で、広大な位ヶ原の雪原となります。 ここより先は木がほとんど無いので、雪原になり道もありませんし、いきなり風が強くなりますので注意が必要となります!


「位ヶ原」上の雪原のようすです。文字通り、雪の平原しかありません・・・・。 この辺りはいつも風が強く吹いているので、雪の斜面に風紋が付いています。 ここまで来ると標高2350mとなり、雲の上の人となれます・・・。


ここまで来て乗鞍岳方面を見ると、ドォォ~ンと雄大に乗鞍岳がすごく間近に聳えて見えます!。厳冬期は道が無く、雪の上を自由に歩けますので、ここからは真正面の尾根をダイレクトに登って行きます。


「位ヶ原」の雪原を、ゆっくりと一歩一歩確実に登って行きます。後ろには「穂高連峰~岳沢」や「槍ヶ岳」まで綺麗に見えます。


だんだんと急斜面になって行きますので、途中からこのように、シールの付いたスキーから、アイゼンとピッケルなどの装備に変えて、スキーを担いで登って行きます。厳冬期の乗鞍岳・剣ヶ峰山頂方面は、アイスバーンのコンディションの時がほとんどなので、アイゼンなどの装備は必須です! 滑落の危険が高いので注意しながら登って行きます。


スキーを担いでようやく山頂直下まで来ました。この辺りも、いつも風が強いので煽られてバランスを崩さないように注意して、最後の急斜面を登っていきます。

 


そして、乗鞍岳山頂に到着です。 山頂にはこのような「剣ヶ峰 3026米」の標識が立っています。そして後ろには御嶽山もクッキリと見えます。

 


晴れた日は、眼下の山岳景色は本当に最高のものとなります! 乗鞍岳からの北アルプスの景色は、アルプス全部を見渡せるぐらいに素晴しいです。
登りの時間は、スキー場最上部から、約5~6時間かかります。 帰りの時間は、スキーなら30分ぐらいです。登山の方は帰りも登りと同じぐらいかかりますので、位ヶ原山荘で1泊のツアーをお薦めします。

*注意 : 厳冬期の3000m級の山ですので、かなり登山の危険度も高くなります。 冬山初心者の方は、十分な冬山の装備とガイドさんと一緒に行く事をお薦めします。
【登山者・記者 ハタゴニアン】