乗鞍岳バックカントリースキー!!

2013.12.15
51

12月になって長野県の山域でもようやく雪が降り積もって、
北アルプスも白くなってきたこの時期に、
再びあの乗鞍岳の高峰の頂きからのスキー滑走を目指して、
行ってきました。
  
IMGP1264まだ真っ暗闇な早朝6:00に、乗鞍高原に集合・・・。
まだMt.乗鞍スキー場も動いていないこんなに早朝から、
冬山登山とスキーの用意をして、暗いスキー場を登り始める・・・。
すると、少しして夜が明けて来ると、一気に朝焼けのピンク色に
染まった乗鞍岳が見えて来ました!!
これは僕たちを誘惑してきているのでしょうか?!、
はたまた、僕達を迎え入れてくれるという事なのでしょうか?・・・。
 
  
IMGP1266スキー場から続いているツアーコースを、スキーの裏側にシールを
付けて、乗鞍岳山頂目指してどんどん登って行きます。この時期は
まだツアーコースには雪が少なくて、所々ブッシュが出ています
ので、登攀も細心の注意が必要です。
  
  
IMGP1275ツアーコースを抜けて「位ヶ原」の雪原に出ました。
この辺りは風の通り道になっていて、極寒の強風が吹いてきて
顔が痛いぐらいでしたが、このドオォォ~~~ンと目の前に
聳えて見えてくる乗鞍岳・剣ヶ峰山頂を見ると、気分は最高に
高揚していて、登る足どりは止まりませんでした!!
  
  
IMGP1279この日のターゲットは、剣ヶ峰登頂&蚕玉岳からのパウダー斜面の
大滑降です!! なので登攀のルートは、大雪渓~朝日岳の斜面を
登攀して行きましたが、大雪渓上ぐらいから斜面は凍ってカチカチの
氷の状態になってしまいました!! 僕達はそこでスキーシールでの
登攀を諦めて、アイゼンに切り替えて登っていきました。
バックには、この日も「槍・穂高連峰」が美しく輝いていました!!
  
   
IMGP1280稜線に出る前の最後の数ピッチを、アイゼンをシッカリと蹴り込んで
気合いを振り絞って登ります。この辺りでも風が強くて苦しみました。
   
   
IMGP1286そして、休暇村からスタートして4時間半程、ついに!稜線へと
到着しました! 稜線から向こうの岐阜県側には、歩けそうな
ほどに濃い雲海が広がっていました~!!、でも長野県側は雲が
無く快晴なので、とても不思議な感じでした。
  
  
IMGP1289そして、歩いて登る事約5時間と少し、ついに乗鞍岳・剣ヶ峰山頂
に到着しました!!、今回も登頂することができました!! 
とりあえず、みんなで「剣ヶ峰、三〇二六」の碑の所で記念撮影を
しました。
   
   
IMGP1290この時期はすでに厳冬期!!、なので3026mの乗鞍岳・剣ヶ峰山頂は
文字通り、雪と氷の世界でした!! 山頂にある「鳥居」は「シュカブラ」
と言われる氷の現象に覆われて、5倍ぐらいの大きさになっていました!
  
IMGP1295横から見るとこんな感じです。これは、左側からマイナス気温になっても
液体の状態である過冷却水の湿気を含んだ風が吹き、物体にぶつかった
瞬間に凍りついた現象が何回も何回も重なった事で出来る「シュカブラ」
という現象です。通称「エビのシッポ」と呼ばれています。 厳冬期の
3000mの山々で見られる、とても美しい自然の景色です。
  
  
IMGP1298コチラも、乗鞍岳山頂にある「乗鞍本宮社」の神社の社です。
これも上記の「シュカブラ」の現象にビッシリと覆われていて、
一面真っ白でした!
  
IMGP1291中を覗いてみても、真っ白です。本当に雪と氷のは、美しい世界です。
  
  
IMGP1302バックに見える剣ヶ峰山頂から少しクライムダウンして、蚕玉岳の峰から
比較的パウダーが溜まっていた沢をスキーで滑ります。 バックの剣ヶ峰は
ここから見ても荘厳な雰囲気で美しく、とてもカッコ良かったです。
  
そして、ここから僕達スキーヤーのメインイベントである、スキー滑降が
始まります! 今シーズン初のバックカントリースキー。
緊張と高揚が半々の気持ちで、スキーのシールを外して滑る用意をします。
ブーツのバックルを締め、ゴーグルをセット!、そして、
素晴しいパウダーの斜面へと、ドロップ・インです!!!
IMGP1319広大な乗鞍岳の斜面へと、思い思いのシェプールを描きながら
テレマークターンをバッチリ決めて、大きなスプレーを上げて
滑って行きました。 
  
  
IMGP1333バックには「槍・穂高連峰」が雲海に浮かぶように聳えていて、
すこぶるアルペンチックで、カッコ良すぎます!!
  
  
IMGP1359そして、乗鞍岳・剣ヶ峰のスキー大滑降の後は、「位ヶ原山荘」まで
滑って降りて行き、まだツアーコースは藪ヤブなので滑れなかったので、
そこからは乗鞍エコーラインの雪に覆われた車道を滑って帰りました。
  
  
今シーズン最初の「乗鞍岳バックカントリースキー」でしたが、
素晴しいパウダースノーと超快晴の最高のコンディションで、
シーズンインにしては素晴し過ぎる、快心の乗鞍BCツアーと
なりました。 これから2013~2014スキーシーズンが始まります。
冬山登山に興味のある方は、一度は登ってみる価値のある乗鞍岳、
コンディションに恵まれれば、こんなに素晴しい景色を見ることが
出来ます。ガイドツアーもありますので、ぜひ挑戦して見て下さい。
  
  
*注意:乗鞍岳は3000m級の山岳地ですので、厳冬期は厳しい冬山となります。
初心者や経験の無い方は、充分な装備でガイドさんと一緒に行くことをお薦めします。