#マツモト建築芸術祭5 下町会館⑨

2022.2.3
17
#マツモト建築芸術祭5 下町会館⑨

上土通りにある「東門の井戸」があるビルが下町会館です。
1階は、コミュニティカフェ
2階は、貸し室スペースがあり、3階は事務所になっていると思います。

下町会館

下町会館

昭和3(1928)年『青柳化粧品店』として建てられた木造3階建ての看板建築で、建築当時は南隣にあった。昭和63(1988)年頃、老朽化により解体を迫られていたが、この通りの街並みに無くてはならないものとして、ファサード部分の保存が決まった。再生工事では東側約1.8mの範囲をオリジナルの木造部分として鉄骨補強し、新築した鉄筋コンクリート造の本体に接続増築という手法がとられている。

平成7(1995)年に貸室などを備えた下町会館としてリニューアルオープンした。新築された部分は、オリジナル部分の意匠を基にデザインされている。現在は生産されていない手引きのスクラッチタイルの代わりにメーカーに特注したタイルが使われているが、オリジナルとは風合いの違いが否めない。また、洗い出し仕上げも、現代の職人では当時の技術を再現しきれず、見上げ部分の施工が出来ていないなど、材料や工法技術の変遷も感じられる建物である。ドアや窓の鉄製の格子は、鉄の厚板を切り出して作られている。

上土通りは、スクラッチタイルを基調としたハイカラ建築で街並み修景を行っており、大正ロマンの街として、松本を訪れる観光客にも親しまれている。

(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

下町会館 マツモト建築芸術祭

土屋信子 Nobuko Tsuchiya

現代美術作家。平成13(2001)年、ゴールドスミスカレッジ ポストグラデュエイトコース終了。様々な素材を使い、抽象的かつ空想的で、鑑賞者の五感を刺激する個性的な立体を制作している。トリフと空にコックピットと惑星のイメージを合体させた《Cookpit truffle》(コックピットトリフ)など、作品は未来的とも思える日常離れした世界観が特徴。代表的な展覧会シリーズに、「30ways to go to the moon」(30種類の月への行き方)などがある。

主な展覧会に、『ベニスビエンナーレ』(イタリア/2003)、『ummonumental』(ニューヨークニューミュージアム、アメリカ/2007)、『釜山ビエンナーレ』(韓国/2016)、『六本木クロッシング』(森美術館、日本/2019)、『ヨークシャースカルプチャーインターナショナル』(イギリス/2019)、『日産アートアワード』(日本/2020)など。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

土屋信子

作品ステートメント

私は、私の中にある理解不能な部分を掘り起こし、全くもって論理的ではないプロセスを積み重ねることによって、訳の分からない何かを作ろうとしています。

そのプロセスは、一見馬鹿げたものが多く、例えば、3メートルの綿の中に潜りながらフワフワ踊ることや、素材に向かって喋り続けることなどもあります。全く意図せず形を作っていくため、時には展示作品の10倍以上の大きさの不要物が出ることもあります。私はこのプロセスによって、忘れていた記憶や、無意識の自分の底にある部分を掘り起こそうとしているのです。

空想や想像は人間にとって最上級の娯楽であり、社会を切り開き「生きる力」につながるものだと信じています。そしてその空想や想像、それらを刺激するものは、理論的に解明出来ない分野にこそ、大きな可能性があるのではないかと考えているのです。

今回の作品は、展覧会シリーズ「30ways to go to the moon」からの出品で、月に行くための装置です。(マツモト建築芸術祭公式サイトより)

月に行くための装置

土屋信子2

真っ白い部屋に置かれた月に行くための装置 静かに音も聴こえて来ます。

下町会館外観
上土劇場(旧ピカデリーホール)⑦に続く・・