篠山紀信展 写真力

2015.7.20
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DSC_1766 ジョン・レノン オノ・ヨーコ 1980年(小)
篠山紀信展 写真力の垂れ幕を通ると
入口にはジョン・レノンとオノ・ヨーコのキス写真。この写真の前では記念撮影OKです。真似して撮ってみては? ふふふ
さて入ってすぐに、度肝を抜く迫力写真が迫ってきます!!「GOD」の部屋
個人的には勘三郎さんの写真見て涙が出てきそうでした。

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三島由紀夫さんは、「男の死」という写真集作りたいといったのだそう。あまりのらなかったけどセントセバスチャンの殉教など、自ら演じているところ撮っていたら、その1年後にああいう亡くなり方をしたわけです。死に至るドキュメントだったかも。結局写真集にはなっていなくて、いずれ本にしたいそう。
他にも
・勝新さんの座頭市の写真、「座頭市出所」をとろうかといった話もあったとか。都庁ができたときに東京徘徊ということで撮って下駄を飛ばした一瞬をとらえた写真。
・大原麗子さんのNHK大河ドラマに春日局で出るから撮ってくれと言われて撮った、全然春日局じゃない写真に「私がきれいならいいの」と言ってくれた写真。これが遺影みたいで実際に遺影に使ったとか。
・ひばりさんにレコード出したから自宅に来て撮ってと言われ、終わった後、隣の部屋見たら大きなお仏壇があって、ここで撮りましょうよ言って撮った写真。この1年後に亡くなったとか。
撮ったらみんな死んじゃうなんて・・・・・
この写真見てて見に行ったつもりになったらダメですよ。まったく迫力や空気感が違いますから。
次は「STAR]の部屋
すべての人に知られる有名人
・有名な山口百恵の山中湖の沈みゆくボートの上のうつろな表情の百恵ちゃんは雑誌「ゴロー」のグラビア。実は明星と少年マガジンの表紙とグラビア一日で撮らなきゃいけなくて、最後に撮った色っぽいと言われるこの表情は実はただ疲れていた顔ではないかと・・・・・
・小百合さんの映画100本記念「つる」のポスター撮り。雪が降ってきて、人間が近づくと逃げちゃうツルが小百合さんが近づいても逃げなかった。本当にツルになってたんじゃないかとか・・・
・講談社 フライデーの編集部の建物の前で撮った 北野武、(例の殴り込み流血事件のあった建物。)5年後にフライデーから撮ってほしいと言われて「いいよ、やるよ」といえる大物ぶり。
・さわやかに飛び跳ねる高校生のころの羽生くん。
そして松本にゆかりのということで仁山治雄くん、リハの指揮をするマエストロ小澤征爾。(本番具合い悪くて振らなかったんだよね。)
他にも、AKBやモモクロ、松田聖子などなどなどなどなど。
なんだかあの時代にあんなことあったなぁなんて、写真には見えない時代の流れまで感じてしまう、空間です。
それから「SPECTACLE」の部屋
私たちを異次元に連れ出す夢の世界
DSC_1770DSC_1816松本市開催ということでヤヨイちゃんと手をつなぐ草間彌生。草間さん自身がアートだからね、創作意欲はすごい!!と篠山さん。撮りに行った時もあれも撮って、これも撮って・・・だったとか。
・歌舞伎の面々もたくさん展示されています。玉三郎さんの、出る直前の写真。玉三郎さんは45年撮ってるそう。
・勘三郎さんの襲名披露の舞台の後ろから役者さんたちが振り向いてるところを撮った時など、急に「座付きカメラマンが来ていますので」と勘三郎さんに呼ばれてじゃぁ撮りますだったとか。
歌舞伎の写真などは歌舞伎座の一番後ろから、デジカメで1200ミリのレンズつけて撮っているのだそうで、もう一緒に会い方になっているような気分になるそうです。浮世絵の芝居絵や、大首絵といった感じのを撮っているそうです。
そのほかにもディズニーランド閉園後、キャラクターたちが何をしてるのか人間は見れないので「シノラマン」になってみたとか…
虚構と現実を集約するうまさを感じる空間です。
そして「BODY]
裸の肉体ー美とエロスと闘い
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・この15日に児童ポルノ法が施行されてりえちゃんの「SantaFe]の版元が販売自粛に入ったみたいでしたが、誕生日過ぎて18歳の年に撮ってるので引っかからないから大丈夫ですって。持ってる人捨てちゃだめだよと篠山さん。
・1962年ヌードになるのがかっこいいみたいな時代 黒柳徹子さんのヌード。
・アポロが月に行ったとき、デスバレーで撮った写真。
・相撲、90周年記念に力士全員を国技館で撮った写真。3台の大型カメラ(8X10)で撮ってつなげたシノラマ
(シノヤマのパノラマ)
いろんな肉体を表現しています。
最後は「ACCIDENT」
311 東日本だ震災で被災された方々の肖像
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ここに立ってレンズを見てくださいとだけ、あとは何も言わずに8X10カメラに任せた写真。
篠山さんはその人の一番いいところを見つける、そしてリスペクトする気持ち。人間だから対等であること、同じところにたっていることで胸襟を開くもの。開かなければそのままで、そういう気持ちで撮っているところに神様が下りてくると語ります。篠山さんの写真はいろいろな時代ごとに代表作があり、カメラだってデジが出たらどんどん使って進化している感じがして、お話しているとミステリアスな感じもする優しいおじさんって感じがしました。
今回の展覧会 「写真力」と「空気感」のバトルというだけあって 会場に足を運んで実際に体験しないとわからない面白さです。
ぜひ体験しに来てください。

*写真は美術館と篠山紀信さんに許可を受けて撮影しています。
*写真についてのエピソードは篠山紀信トークショーとインタビューの内容を使っています。